しんぞうえこーけんさ(しんぞうちょうおんぱけんさ)
心臓エコー検査(心臓超音波検査)
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

検査部位

心臓

対象疾患

など

概要

心臓エコー検査心臓超音波検査)とは、身体の表面から心臓に向かって超音波を当て、反射してきた情報をもとに映像を構築し、心臓の状態を調べる検査です。具体的には心臓の形や動き、血液の流れに問題がないかなどを確認でき、さまざまな心疾患の診断を行うことができます。また治療後の経過の観察にも役立ちます。心臓エコー検査は安全な検査であり、被ばくの心配もありません。妊婦や子どもに対しても行うことができます。一方で、肥満肺気腫がある場合などでは心臓が観察しにくいといった注意点があります。心臓エコー検査は病院や一部のクリニックで受けることができます。

メリット

  • 非侵襲的検査(体内に器具を入れない検査)であるため、安全である。妊婦や子どもに対しても行うことができる
  • 繰り返し実施できるため、診断のみならず、治療の経過を見る際にも使うことができる
  • 検査時間は20-30分と短く、簡便な検査である
  • X線を使わないため被ばくしない
  • CT検査やMRI検査と違って、静止画ではなく心臓の動いている様子をそのまま観察することができる
  • CT検査やMRI検査に比べて、費用が安く済む

デメリット

  • 検査を行う人の技量によって結果が左右される
  • 肥満肺気腫がある場合には心臓が観察しにくいことがある

詳細

心臓エコー検査(心臓超音波検査)とは、身体の表面から心臓に向かって超音波を当て、反射してきた情報をもとに映像を構築することにより、心臓の状態を調べる検査です。超音波とは人には聞こえない高い振動数の音のことです。
血液や柔らかい組織など超音波が伝わりやすいものは画像では黒っぽくなります。一方、骨のように超音波が伝わりにくいものは白っぽく見えます。このように超音波の伝わりやすさの違いを利用して画像を構築することで、心臓の形に異常がないかを調べることができます。
また、心臓エコー検査は超音波が反射してきた情報を即時に映像化できるので、リアルタイムに心臓の動きを確認することもできます。心臓エコー検査を用いることで心臓の形・動き・血液の流れの異常などを見つけることができます。

検査の流れ

  1. 超音波検査は室内で行う。心臓の観察ができるように服をまくる。身体の向きは左側が下になるようにする。場合によっては、仰向けになることもある(みぞおちから心臓を見る場合)
  2. 検査中の心拍数や血圧を測定するために、心電図を取りながら検査を行う
  3. 胸のあたりにゼリーが塗られ、そこにプローブ(超音波の送受信を行う機械)が当てられる
  4. 心臓を観察しやすいように、一時的に息を止めてもらうことがある(肺が心臓を覆わないようにして、空気が観察の邪魔をしないようにする)
  5. 調べたい情報がビデオや写真に記録される(測定方法は後述)
  6. 検査時間は20-30分である

検査を受ける際の注意点

  • 検査前の食事制限はありません。
  • エコーゼリーは少しひんやりしたり、くすぐったく感じたりすることがあります。
  • 検査中、一時的に息を止めてもらうことがあります。

心臓の構造

心臓には右房、右室、左房、左室という4つの部屋があります。大静脈を通って全身から戻って来た血液は右房に入り、右室へと流れ、肺動脈を通って肺へ向かいます。肺で酸素を取り込んだ後、肺静脈を通って左房に入り、心臓に戻ってきます。左房から左室に流れていき、左室から大動脈を通って再び全身へ血液が送られます。
心房から心室へ血液が流れる際に血液が逆流しないように、房室弁という弁が左右にあります。左房と左室の間には僧帽弁、右房と右室の間には三尖弁という名前の弁がついています。また、房室弁の開閉を調節するために、心室には乳頭筋という筋肉があります。そのほか、大動脈での逆流を防ぐための大動脈弁、肺動脈での逆流を防ぐための肺動脈弁という弁も存在します。

経食道心エコー検査について

通常、心エコーは身体の表面から心臓を観察しますが、胃カメラのように機材を飲み込んで食道から心臓を観察する経食道心エコー検査という検査方法があります。こちらの検査については、「経食道心エコー検査」のページを参照してください。

測定方法

心臓エコー検査における撮影方法にはいくつかの種類があります。少し専門的な内容になるので、興味がない人は読み飛ばして構いません。

Bモード(断層法)

心臓エコー検査で最も一般的に行われる方法です。プローブ(超音波の送受信を行う機械)を当てる位置によりさまざまな心臓の断面図が得られ、心臓の構造を知ることができます。例えば、肥大型心筋症では心臓の壁の筋肉が厚くなっているのが観察されます。
参考までに、プローブの当てる位置と観察できる心臓の部位の関係は以下のようになっています。

プローブの当てる位置と断面像

断面像 プローブの当てる位置 観察できる心臓の部位
傍胸骨左縁-長軸像 胸骨の左側、上から3, 4番目の肋骨の間 左房、左室、僧帽弁、大動脈、大動脈弁、右房
傍胸骨左縁-短軸像 乳頭筋レベル プローブを長軸像から90°回転させる 右室、左室、乳頭筋
僧帽弁レベル 右室、左室、僧帽弁
大動脈弁レベル 右室、右房、左房、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁
心尖部像 四腔像 心尖部(一番下の尖っている部分)から、心臓を見上げるようにプローブを置く 右室、右房、三尖弁、左室、左房、僧帽弁
二腔像 プローブを四腔像から90°回転させる 左室、左房、僧帽弁
三腔像 プローブを二腔像から30°回転させる 左室、左房、僧帽弁、大動脈、大動脈弁
肋骨弓下像 仰向けになってもらい、プローブをみぞおちに置く 肝臓、肝静脈、大静脈、右房

Mモード

一直線の超音波ビーム上にある構造物の動きを、横軸に時間をとって記録します。心臓の構造物の厚さや径の大きさの経時的な変化、つまり動き(Motion)を知ることができます。そのため、弁や心筋などの心機能を数値化することができます。例えば、心筋梗塞では心臓の壁の筋肉の動きが悪くなっているのがわかります。

ドプラモード

断層面上に血液の流れの向きを色で表します(プローブに向かってくる血液は赤、離れる血液は青)。これにより血液が逆流していないかを調べることができます。例えば、弁がしっかり閉まらない病気(閉鎖不全症)では、弁から血液が漏れ出ているのが観察されます。
また、ドプラモードでは血液の流速も調べることができます。弁に狭窄があるとその箇所では血流が速くなる(ホースの口を細くすると勢いよく水が出るのと同じ原理)ので、血液の流速を調べることで弁の狭くなる病気(狭窄症)を見つけることができます。

心臓エコー検査(心臓超音波検査)のタグ

カテゴリ
病気
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