まんせいしんふぜん
慢性心不全
心臓の働きそのものが弱っている状態。ゆっくりと進行して腎臓やその他全身に影響が及ぶことがある
16人の医師がチェック 128回の改訂 最終更新: 2017.07.21

慢性心不全の基礎知識

POINT 慢性心不全とは

慢性心不全は一時的でなく継続的に心臓の機能が落ちている状態です。その原因には心筋梗塞・弁膜症・高血圧症・慢性呼吸不全などの多くの病気が挙げられます。主な症状は労作時の息切れ・体重増加・尿量低下・むくみなどがあり、病状が進行すると安静にしていても息が切れてきます。 症状や身体診察に加えて、画像検査・心臓エコー検査・血液検査を用いて診断します。薬(利尿薬・血管拡張薬など)を用いて治療しますが、手術で治療可能な原因疾患がある場合は手術を行うことがあります。また、心臓リハビリテーションを行って症状が悪化しないように努めることも大切です。慢性心不全が心配な人や治療したい人は、循環器内科を受診して下さい。

慢性心不全について

  • 全身に血液を送る心臓の働きが弱くなっている状態のこと
    • 心臓のはたらきが急激に悪くなり、血液の循環が適切に行えなくなった状態を急性心不全と呼ぶ
    • それに対し、症状が安定していて直ちに問題となるわけではないが、心臓の働きが弱っている状態を慢性心不全と呼ぶ
      ・慢性心不全が急激に悪化することがあり、その場合は急性心不全の治療を行うことになる
  • 慢性心不全の主な原因
  • 高齢者に起こることが多い

慢性心不全の症状

  • 主な症状
    • 坂道や階段での息切れ
      ・重症になると平地での歩行や少しの作業でも息切れが出現
    • 息苦しさ
    • 体のむくみ
      ・特に足の甲やすねのむくみ
      ・指で押すとその形に凹んですぐには元に戻らない
    • 体重増加
    • 尿量減少

慢性心不全の検査・診断

  • 血液検査
    • BNPという心不全の程度を表す物質の量などを調べる
    • 慢性心不全に連れて悪化しうる、腎機能や肝機能を調べる
  • 心臓の動きや大きさなどを調べる
    • 心電図検査
    • 胸部レントゲン検査
    • 心臓超音波検査
  • 必要に応じて心臓カテーテル検査でより詳しい検査を行う

慢性心不全の治療法

  • 薬物療法
    • 利尿薬:尿を出しやすくし、体の水分を減らす
    • 血管拡張薬:全身の血管を拡張し、心臓の負担を減らす
    • β遮断薬:心臓の働きを緩やかにして負担を減らす
    • 強心薬:心臓の働きが不足している場合にそれを改善する
      ・強心薬を長期的に使用するとかえって心臓を疲れさせてしまうことになるので注意が必要である
  • 手術
    • 心不全を起こしている病気があれば、心臓の状態によっては手術を行うことがある
  • リハビリテーション
    • 有酸素運動
    • 症状が悪化しないための日常生活の動作訓練
  • 生活習慣を改善し、悪化を防ぐ
    • 塩分や脂質などを抑える
    • 肥満にならないように気をつける
  • 慢性心不全になった時点で、定期的に検査を受けて心臓の状態を見守ることが重要

慢性心不全に関連する治療薬

ループ利尿薬

  • 尿による水分排泄を増やし体の過剰な水分や塩分を排泄し、むくみなどを改善する薬
    • 腎臓の尿細管という管のヘンレループという水分吸収に関わるところで血管へ水分が吸収される
    • 本剤はヘンレループでの水分移動を阻害し体内の水の量を減らし、尿として水分を体外へ排泄する
    • 体の水の量が減るとむくみが減り、血圧が下がる
  • 薬剤によっては高血圧症などへ使用する場合もある
ループ利尿薬についてもっと詳しく

カリウム保持性利尿薬

  • 尿として体内の過剰な水分などを排出し、むくみや血圧などを改善する薬
    • 腎臓における尿細管という場所では尿から血管へ水分などの吸収(再吸収)が行われる
    • 本剤は尿から血管への水分吸収などを阻害し、尿量を増やして体内のむくみを減らし血圧などを改善する作用をあらわす
    • 本剤は体内からカリウムイオンが排泄されるのを抑える作用もあらわす
  • 他の種類の利尿薬(ループ利尿薬 など)との併用される場合もある
    • 他の利尿薬によるカリウム排泄を抑えることで、体のつりやこむら返りなどを抑える効果も期待できる
  • 心性浮腫、腎性浮腫の他、薬剤によっては栄養失調性の浮腫などにも使用する
カリウム保持性利尿薬についてもっと詳しく

ジギタリス製剤

  • 心筋の収縮力を強くし、速くなりすぎた脈を整え、心不全などの治療に使用される薬
    • 心不全では心臓や血管の異常により、全身に十分な血液を送り出せていない
    • 心筋は細胞内のカルシウムイオンの濃度が高まると収縮力が増大する
    • 本剤は心筋細胞内のカルシウムイオン濃度を高め、心臓の拍動を強め、強心作用をあらわす
  • 治療有効域が狭い薬とされる
    • 薬が治療に役立つ薬物濃度の有効域が狭く、中毒域と有効域が接近している薬
    • 薬が適切に効いているかなどを血液中の薬の濃度を測定して観察していく必要がある
    • 体の状態の変化や併用薬などによっても副作用がおこる場合がある
ジギタリス製剤についてもっと詳しく

慢性心不全が含まれる病気

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