ふせいみゃく

不整脈

心臓が、正常の一定のリズムで脈を打つのではなく、速くなったり、遅くなったり、リズムがおかしくなったりすること

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11人の医師がチェック 120回の改訂 最終更新: 2017.07.21

不整脈の基礎知識

POINT不整脈とは

心臓の鼓動は一定のリズムで打たれていますが、何らかの原因でリズムが乱れた状態を不整脈と言います。心臓を動かすのに必要である電気回路が正しく動いていない時に不整脈が起こりますが、その原因は様々です。主な症状は脈が飛ぶ感覚・動悸・冷や汗・吐き気・めまい・意識消失などになります。 症状や身体診察に加えて、心電図検査を行って診断します。一時的に起こる不整脈(発作性不整脈)の場合は、検査した時にたまたま不整脈が出ないことがあります。その場合は24時間装着型の心電図検査(ホルター心電図)を行うことがあります。治療には脈を抑える薬や脈のリズムを整える薬を用います。また、非常に重症である場合は電気的除細動を行います。不整脈が心配な人や治療したい人は、循環器内科を受診して下さい。

不整脈について

  • 心臓は普段は一定のリズムで脈を打つが、何らかの原因で、脈が速くなったり、遅くなったり、リズムがおかしくなったりすることがある
    • こういった状況をまとめて「不整脈」と言う
  • 不整脈の原因
    • 心臓の脈は、心臓の中を電気信号が規則正しく走ることで一定に保たれているが、その電気信号の流れに変化が起こることで不整脈が起こる
    • 多くの場合は体質や、疲労、ストレス、加齢なども間接的に影響しており、必ずしも心臓の明らかな病気があって起こるわけではない
    • 一部には、心筋梗塞心不全などの心臓が悪くなってしまう病気が原因になることで起こる不整脈もある
  • 不整脈にはたくさんの種類があり、危険な不整脈と、そうでない不整脈がある
  • 不整脈の分類(詳細はそれぞれの疾患を参照)
  • リスクの高い不整脈としては、次のようなものがある
    • 不整脈が起こると意識が遠のくもの(極端に脈が遅くなっているか早くなっている可能性)
    • 脈が遅くなり、息切れを感じるもの(心不全を起こしている可能性)
    • 心房細動(珍しい不整脈ではないが、脳梗塞に繋がり得る)

不整脈の症状

  • 症状は、不整脈の種類や程度によって変わる
  • 本人は何も気づいていなくても、健康診断の心電図検査心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査で不整脈があるといわれることも多い
  • 脈が飛ぶタイプ(期外収縮など)の代表的症状
    • 脈が飛んだり抜けたりしたような感覚がある
    • ドクンという強い脈を感じる
  • 代表的な症状
    • 動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる
    • 冷や汗
    • 吐き気
    • めまい
    • 息切れ
    • 意識が遠のく

不整脈の検査・診断

  • 心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査:最も有効な検査で、心臓の電気の流れに異常がないかを調べる
  • ホルター心電図首からかけられるサイズの心電図計を丸一日間着用して、心臓の状態を調べる検査。通常の心電図検査よりも情報量が多い:24時間、心電図を調べ、一時的な検査ではわからない心臓の状態などを調べる
  • 運動負荷心電図心電図を装着したまま、エアロバイクなどを用いて、運動中の心臓の状態を調べる検査:運動して心臓に負担がかかった時の心電図を調べる
  • 画像検査:心臓の動きや大きさなどを調べる
    • 胸部レントゲン X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われる
    • 心臓超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、心臓の状態を調べる検査
  • 血液検査:不整脈の原因となる病気の有無を調べる

不整脈の治療法

  • 主な治療
    • 不整脈の種類と程度によって変わる
    • 症状がなく、危険ではない不整脈に関しては様子を見ることが多い
    • 症状が辛かったり、治療するべきタイプの不整脈に関しては治療を行う
      ・ほとんどの場合、薬による治療を行う
      ・必要であれば、ペースメーカー不整脈の治療に用いる小型の機械。心臓に電気刺激を与えて、脈を一定にコントロールするを埋め込んだり、余計な電気信号が流れなくするような手術(カテーテルアブレーションカテーテルを用いた不整脈の治療法で、心臓の筋肉の一部を電気で焼き切るもの)を行うことがある
    • 血圧が下がったり意識が遠のいたりする場合には、電気的除細動不整脈の原因となる心室細動や心房細動を抑えて、正常な調律に戻す方法を行う
      ・心臓に強力な電気を通してリズムをリセットする
  • 薬剤による治療
    • 抗不整脈薬
      ・脈を遅くする薬
      ・脈のリズムを整える薬
    • 心房細動に対して、脳梗塞を防ぐ目的の薬剤
      抗凝固薬血液を固まりにくくする薬。不整脈に対して、血栓ができるのを予防する目的で用いられることが多い

不整脈に関連する治療薬

FXa阻害薬(抗凝固薬)

  • 体内の血液が固まる作用の途中を阻害し、血栓の形成を抑え脳梗塞や心筋梗塞などを予防する薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 血液凝固(血液が固まること)には血液を固める要因になる物質(血液凝固因子)が必要である
    • 本剤は血液凝固因子の因子Xa(FXa)を阻害し、抗凝固作用をあらわす
FXa阻害薬(抗凝固薬)についてもっと詳しく

Naチャネル遮断薬(I群抗不整脈薬)

  • 脈に関与する電気信号の一つであるNa(ナトリウム)イオンの通り道を塞ぎ、乱れた脈(主に頻脈)を整える薬
    • 不整脈は何らかの原因で脈が速くなったり、遅くなったり、リズムが乱れる
    • 脈(脈拍)はNaやK(カリウム)などの金属イオンの心筋細胞への出入りによる電気信号(活動電位)によりおこる
    • 本剤はNaイオンの通り道であるNaチャネルを遮断し、脈の乱れを整える作用をあらわす
  • 抗不整脈薬はその作用などによって、I~IV群に分類される
    • 本剤はI群に属する薬剤となる
  • 本剤はNaチャネル遮断作用以外の作用や特徴によりさらにIa群、Ib群、Ic群に分けられる(薬剤の中には複数の作用をもつものもある)
    • Ia群は活動電位がおさまるまでの時間を延長する
    • Ib群は活動電位がおさまるまでの時間を短縮する
    • Ic群は活動電位がおさまるまでの時間を変えない
Naチャネル遮断薬(I群抗不整脈薬)についてもっと詳しく

心抑制型カルシウム拮抗薬(ジルチアゼム、ベラパミル)

  • 血管や心筋の細胞内へのカルシウムイオンの流入を阻害し、血管を広げ、心臓の負担を軽減する薬
    • 狭心症では血管が狭くなることで心臓に十分な酸素などが届かなくなっており、胸のしめつけや息苦しさなどがあらわれる
    • 血管の収縮や心臓の拍動はカルシウム(Ca)イオンの細胞内への流入が関与する
    • 本剤は血管や心筋でのCaイオンの流入を阻害する作用をあらわす
  • 薬剤によっては、頻脈性の不整脈や高血圧などへ使用するものもある
心抑制型カルシウム拮抗薬(ジルチアゼム、ベラパミル)についてもっと詳しく

不整脈の経過と病院探しのポイント

不整脈かなと感じている方

不整脈とは心臓内の電気信号の流れが乱れ、適切に脈を打つことができない状態です。期外収縮といって健康な人にも常日頃から瞬間的に生じているものもあれば、心室細動といって数秒間で意識を失い、除細動不整脈の原因となる心室細動や心房細動を抑えて、正常な調律に戻す方法を行わないと数分以内に死に至る危険な不整脈もあります。このように安全なものから危険なものまでを全て含めて不整脈と呼びます。

健康診断で不整脈を指摘されたり、ご自身で胸の動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる(ドキドキする感覚)に気づいたような場合には、もしかかりつけの内科クリニックがあれば、まずはそこで相談してみることをお勧めします。特に普段かかっている病院がなければ、一般内科、もしくは循環器科クリニックの受診も良いでしょう。

不整脈を診断する上で最も基本的かつ重要な検査は心電図検査心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査です。内科のクリニックでも心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査計を置いているところは多いですし、循環器科クリニックではほぼ必ずあるでしょう。受診前には心電図計があるかどうかを事前にお問い合わせされるのも良いかもしれません。

心電図計では、不整脈が発生しているその瞬間に計測を行わないと不整脈の診断をつけることができません。そのため、一時的もしくは瞬間的にしか出ない不整脈の場合には、それを心電図で捉えるのが難しいことが多いというのが難点です。このようなケースではホルター心電図首からかけられるサイズの心電図計を丸一日間着用して、心臓の状態を調べる検査。通常の心電図検査よりも情報量が多いといってウェアラブルで装着したまま1日過ごせる小型の心電図計を使用します。連続で1-2日ほど装着していれば、その間のどこかで不整脈が発生する可能性が高いという考え方です。実際のところは不整脈の様子(どのくらい速いテンポになるのか、何秒何分続くのか、脈のリズムは一定かランダムか)から不整脈の危険度が分かることもありますので、ホルター心電図の検査が必要かどうかを含めて、お近くの内科で見てもらうのが良いでしょう。

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不整脈でお困りの方

不整脈の中には特に治療が必要ないものもあります。「時々胸がどきどきするがいつも自然と治まる」という場合には、危険なものでなければ治療を行わずに様子を見るのが最も良い場合もあるのです。不整脈の発生を抑える薬というのもありますが、効果が確実ではない一方で、中には薬によってかえって不整脈がひどくなってしまう人もいるため、「熱に解熱剤」といったような感覚でとりあえず「不整脈には抗不整脈薬」というわけにはいかないという問題があります。

特に治療が必要な不整脈や、症状が強い不整脈の場合にはカテーテルを用いた治療があります。この治療では不整脈の再発が完全に抑えられる可能性もある一方で、ごくまれに心臓の壁に小さな穴が空いてしまったり、別の種類の不整脈が出現してしまったりするリスクがあります。この治療を行うかどうかはリスクと期待される効果のバランスによりますので、循環器内科の医師から詳しい説明を受けた上で一緒に治療を選ばれるのが良いでしょう。

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