じょうしつせいひんぱく
上室性頻拍
突然脈拍数が速くなり動悸が出現する不整脈で、頻度は高く繰り返すことが多い。心臓の中でも心房という部位が原因の不整脈
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最終更新: 2020.04.25
上室性頻拍の基礎知識
POINT 上室性頻拍とは
上室性頻拍は心臓の中でも心房という部位に原因があるタイプの頻脈です。発作的に頻脈が起こって一旦は治まっても、再び頻脈が起こることが多いです。主な症状は動悸・息切れ・めまい・ふらつき・冷や汗などですが、症状が強くなると失神することもあります。 症状や身体診察に加えて、心電図検査や心臓エコー検査を用いて診断します。場合によっては、カテーテルを用いて電気生理学的検査を行うこともあります。治療は薬物治療やカテーテルアブレーションを行います。上室性頻拍が心配な人や治療したい人は、循環器内科を受診して下さい。
上室性頻拍について
- 突然心拍数がはやくなり、
動悸 を伴う不整脈 - 正常な状態の心臓では、洞結節という部位から電気信号が発信されてそれが心臓全体に拡がり、心臓が収縮して脈を打つ
上室性頻拍の症状
動悸 や胸部違和感、不快感が現れる- 突然始まって突然終わるのが特徴
- 頻拍により血圧が下がった場合の
症状 - ふらつき
- 目の前が暗くなる、気が遠くなる
- 冷や汗
- ほてり、熱感
- まれに起こる症状
- 血圧が低下することで
失神 することがある - 頻拍が長時間続くと、心機能が低下して
うっ血性心不全 の状態になり、息切れなどの心不全徴候が起こる
- 血圧が低下することで
上室性頻拍の検査・診断
上室性頻拍の治療法
症状 がなかったり、上室性頻拍が短時間で止まる場合、治療は必ずしも必要でない- 一生のうち何回か
発作 を経験しながら、そのまま差し支えなく生活している人も多い - 一方で発作が長期間はげしく続くと心不全を引き起こすことがあるので、次の場合には特に注意が必要
- 長時間(数十分以上)経過しても発作が止まらない
失神 する、息が苦しくて動けない、胸が痛いなどの症状
- 一生のうち何回か
- 主な治療法
- 発作の予防
- 予防目的で
内服薬 が用いられることがある
- 予防目的で
上室性頻拍に関連する治療薬
ジギタリス製剤
- 心筋の収縮力を強くし、速くなりすぎた脈を整え、心不全などの治療に使用される薬
- 心不全では心臓や血管の異常により、全身に十分な血液を送り出せていない
- 心筋は細胞内のカルシウムイオンの濃度が高まると収縮力が増大する
- 本剤は心筋細胞内のカルシウムイオン濃度を高め、心臓の拍動を強め、強心作用をあらわす
- 治療有効域が狭い薬とされる
- 薬が治療に役立つ薬物濃度の有効域が狭く、中毒域と有効域が接近している薬
- 薬が適切に効いているかなどを血液中の薬の濃度を測定して観察していく必要がある
- 体の状態の変化や併用薬などによっても副作用がおこる場合がある
上室性頻拍が含まれる病気
上室性頻拍のタグ
上室性頻拍に関わるからだの部位


