【日焼け止め①】SPF・PAとは? 光老化や皮膚がんのリスクとなる紫外線UVAとUVBを防ぐ指標
日差しが気になる季節。日焼け止めを購入する際に目に入るのが「SPF35」や「PA++」といったマークです。詳しい意味を知らなくても、数字が大きくて+が多いほうが日焼け止め効果が高そうだ、と察しがつくかもしれません。
このように何となく日焼け止めを選んでも困らないこともありますが、これらの用語の意味が分かると、自分に合った日焼け止めを選びやすくなります。今回のコラムでは日焼け止めの用語を掘り下げていきます。
1. 「日焼け」と紫外線の関係について
日光には紫外線・可視光線・赤外線などが含まれています。皮膚が赤くなったり黒くなったりする、いわゆる日焼けは主に紫外線の影響によるものです。紫外線はUVAとUVBの2つに大別され、それぞれで皮膚への影響が異なります(UVCも存在しますが、オゾン層により吸収されるので、地上にはほとんど届きません)。
【UVAとUVBの主な皮膚への影響】
| UVA | UVB |
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加齢により起こる生理的な老化に対し、日光を長年浴びることで起こる皮膚の変化を「光老化」ともいいます。なお、先ほど説明したUVAとUVBは、どちらも皮膚の老化や皮膚がんの発生に関わるため、紫外線対策では両方を意識する必要があります。
2. PA:UVAに対する防御効果の指標
PAは主にシミやシワなどの光老化に関わるUVAに対する防御効果の目安です。PAの強さは+で表現され、+から++++までの4段階があり、+の数が多いほど、UVAに対する防御効果が高いことを示しています。
3. SPF:UVBに対する防御効果の指標
SPFは主に赤みや、ひりつき、痛みなどに関わるUVBに対する防御効果の目安です。PAより目立つ形で表示されていることがあるので、目にしたことがある人は多いかもしれません。SPFの強さは数字で表現され、その数値が大きいほどUVBに対する防御効果が高いことを示しています。
SPFの数値が示すもの
SPFの数値は日焼け止めを使わない場合と比べて、
ただし、SPFの値は理想的な使用方法と環境下で測定されたものです。実生活では汗や皮脂、衣服による摩擦などの影響を受けて、理論上より大きく効果が低下します。そのため、十分な効果を得るには、2時間から3時間毎に日焼け止めを塗り直す必要があります。
4. UV耐水性
UV耐水性は日焼け止めが水に接触してもSPFがどの程度保たれるかを示した表示です。海やプール、汗をかきやすい環境で使う際の参考になります。日本では現在、「UV耐水性★(または☆)」「UV耐水性★★(または☆☆)」という表示が用いられており、★★の方が水と接触しても落ちにくいです。ウォータープルーフも同じようなニュアンスを含みますが、必ずしも十分な水への強さを備えているとは言えないため、UV耐水性の表記に注目してください。
5. 散乱剤と吸収剤の違い
ここまでは日焼け止めの効果や機能についての用語を説明しましたが、最後に日焼け止めの成分について説明します。日焼け止めの主要成分には、散乱剤と吸収剤があり、それぞれを単独で用いている製品もあれば、組み合わせて用いている製品もあります。 散乱剤は主に紫外線を反射・散乱させて肌への影響を減らすのに対して、吸収剤は紫外線を吸収して肌への影響を減らします。
| 散乱剤 | 吸収剤 | |
| 紫外線防御の仕組み |
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| 使用感 |
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| 肌への負担 |
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散乱剤と吸収剤のどちらも長所と短所があり、優劣があるわけではありません。子どもや敏感肌の人、肌への優しさを重視したい人には散乱剤が向いています。一方で、白浮きが気になったり、伸びの良さや使用感を重視する人には吸収剤が使いやすいことがあります。両方の長所を取り入れる目的で、どちらも含まれた製品を選ぶ考えもあります。 なお、「ノンケミカル」「吸収剤不使用」と表示されているものは、散乱剤だけでつくられた製品であることが多く、子どもや肌が荒れやすい人は検討しやすいタイプです。
今回のコラムでは日焼け止めにまつわる用語を説明しました。みなさんの日焼け止め選びに役立てていただけると幸いです。 より詳しい日焼け止めの選び方や、日焼け止めの使い方については別のコラムで説明します。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。