2026.05.27 | コラム

【日焼け止め③】適切な使い方について:失敗しない塗り方、塗るタイミング、塗った方がいい人など

米国皮膚科学会の推奨を中心に、医師の経験をふまえて解説します
【日焼け止め③】適切な使い方について:失敗しない塗り方、塗るタイミング、塗った方がいい人などの写真
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前回のコラムでは、日焼け止めを上手に選ぶポイントをお伝えしましたが、使い方は選び方と同じくらい大切です。今回のコラムでは日焼け止めを選んだあとにどう使っていくかについて解説します。

1. 日焼け止めの適切な使い方

日焼け止めを使う際には次のことに気を配ると、より効果を得やすくなります。

 

日焼け止め使用時のポイント】

  • 塗るタイミング
  • 塗る量
  • 塗る部位
  • 塗り直し

 

米国皮膚科学会の説明をの意見を参考にしながら、順に説明していきます。

 

日焼け止めを塗るタイミングについて:外出のどれくらい前に塗ればよい?

米国皮膚科学会は日焼け止めは外出の15分前に乾いた皮膚に塗るのが適切だとしています。これは、日焼け止めを塗った直後よりも、少し時間をかけて皮膚の表面に日焼け止めがなじんでからのほうが効果を発揮しやすいと考えられているからです。実際、日焼け止めの効果を調べる試験でも、日焼け止めを塗ってから15分以上の間隔を開けて紫外線を照射しています。

 

日焼け止めを塗る量について:適量はどのくらい?

日焼け止めは必要な量を使ってはじめて、十分な効果を得られます。しかし、多くの人が必要量の20%から50%程度しか塗れていないという報告もあります。日焼け止めをどのくらい塗ればいいのかということは分かりづらいのですが、具体的な数字や、身近な目安を知っておくと役に立ちます。

■顔に塗る量の目安

顔に塗る量の目安は小さじ1杯(5mL)程度です。大まかには、人差し指と中指の2本にのるくらいの量にあたります。クリームやミルクタイプなら指や手の甲に出して量を調整できますし、ローションタイプでも同じくらいの量を意識してみてください。人差し指と中指に日焼け止めを出して顔に塗るのもいいですし、手の甲に出してから塗っても良いです。

顔に塗る日焼け止めの適量

■顔以外の露出部に塗る量の目安

米国皮膚科学会では、露出している部位全体に塗る量の目安を約30mL(1オンス)程度としています。ただし、これは全員に一律で必要な量という意味ではありません。顔に比べて体幹や四肢の表面積は個人差が大きいことに加え、服装によって露出部分の面積も変わってしまうからです。たとえば、体の大きな人が水着になる際にはもっと多い量が必要になりますし、反対に体の小さな人が長袖で外出する際にはより少ない量で済みます。 そのため、数字にこだわるよりも、露出している部分に十分な厚みでムラなく塗ることを意識するほうが実用的です。指2本分を顔に塗った時の日焼け止めの感覚を参考にして、他の露出部にも同じように塗るようにしてください。

 

日焼け止めを塗る範囲について:露出部にくまなく塗るのが望ましい

日焼けを防ぐには、服で覆われていない部分すべてに日焼け止めを塗るのが望ましいです。顔や腕と比べて、塗り忘れしやすいのは次の部位です。 【塗り忘れしやすい主な部位】

  • 手の甲
  • 足の甲

塗り忘れ防止として、塗る順番を決めておくのが助けになります。上から「顔→耳→首→・・・」と塗るなど、毎回同じ流れで塗るようにしてみてください。

 

日焼け止めの塗り直しについて

米国皮膚科学会では屋外では2時間ごとの塗り直しを勧めており、日焼け止めの販売元も2時間から3時間での塗り直しを推奨しています。特に、泳いだ後や、汗をかいた後、タオルで拭いた後には早めに塗り直すことが大切です。 出先では塗り直しの時間が取りづらいことが多いかもしれません。その際には、スプレー式の日焼け止めのような手間がかからないタイプを使うのも良いかもしれません。

 

2. 日焼け止めが必要なのはどんな人?

結論を先に述べると日焼け対策は基本的に誰でも必要です。そのうえで、子どもや、高齢者、敏感肌の人では日焼け止めを使う際に気をつける点が少しずつ異なります。

 

子ども

生後6か月未満では、日焼け止めを使うよりも、日陰や衣類、帽子などで紫外線から守ることを優先してください。日陰や衣類で十分に守れない場合には、露出している小さな範囲に限って、SPF30以上で耐水性のある日焼け止めを最小限使うことがあります。 生後6か月以上では、酸化亜鉛や酸化チタンを含む日焼け止めが、敏感な皮膚を刺激しにくい選択肢になります。「赤ちゃんから使える」「ノンケミカル」「吸収剤不使用」などと表示されている製品が参考になります。 子どもに向いた日焼け止めの成分については「【日焼け止め①】SPF・PAとは?」や「【日焼け止め②】選び方について」も参考にしてください。

 

高齢者

高齢者にも日焼け止めの使用をお勧めします。紫外線はしみやしわだけでなく、皮膚がん発症にも関わるため、年齢を重ねてからでも対策する意味があります。外に出る前には、少なくとも顔や首、手の甲などの露出部に日焼け止めを使っておくと安心です。

 

敏感肌の人

敏感肌の人でも日焼け止めを使うことができます。米国皮膚科学会は、敏感肌の人には酸化亜鉛や酸化チタンを含む日焼け止めを選ぶことを勧めています。これらは紫外線散乱剤と呼ばれるタイプで、肌への刺激が少ない一方、白浮きやきしみが気になることもあります。使用感と肌に対する負担のバランスを考えながら、自分に合った製品を探してみてください。

 

3. 日焼け止めはいつ必要か?

外に出る日は日焼け止めを使ったほうが無難です。ただ、曇りの日や、冬、屋内中心で過ごす日など、「今日は本当に必要なのか」と迷った経験もあるかと思います。

 

曇りの日も日焼け止めは必要?

紫外線は曇りの日でも地表に届きます。気象庁によると薄曇りの日では快晴時の8-9割、曇りの日でも6割の紫外線が届くとされています。そのため、曇っているからといって紫外線対策が不要になるわけではありません。 雨の日には紫外線量は少なくなりますが、ゼロになるわけではありません。屋外で過ごす時間がある程度ある場合には、天候だけで判断せず、日焼け止めの使用を考えてよいです。

 

日焼け止めは1年中必要?

紫外線の量は季節によって変わりますが、日焼け対策は1年中意識したほうがよいです。ただし、真夏の屋外活動と冬の短時間外出とでは紫外線の量が違うので、日焼け止めの使用に工夫の余地があります。たとえば、紫外線量の少ない時期に、SPFが低いものを使うのは理にかなっています。 なお、筆者は性格的に一回一回考えなくて済むほうがが継続しやすいので、季節や天気に関係なく同じ日焼け止めを毎日使うようにしています。

 

屋内で過ごすことが多い人にも必要?

窓際で長く過ごす日や、車を運転する日であっても、日焼け止めを使う意義があります。紫外線のうちUVAは窓を通過するため、屋内でも窓の近くにいるなら日焼け止めの使用が重要だとしています。一方で、ほとんど窓のない室内で過ごす人にとっては日焼け止めの必要性は低いかもしれません。日焼け止めを使うかどうかは、屋外に出る時間、窓際で過ごす時間、車の運転時間などを目安に考えるとよいです。

 

通勤や買い物程度でも塗ったほうがよい?

短時間でも外に出る機会が毎日積み重なると紫外線による皮膚へのダメージは無視できません。特に顔、首、手の甲などは季節問わず露出しているため紫外線を受けやすい部位です。長時間の屋外活動ほどではなくても、通勤や買い物があるなら日焼け止めを使う意味は十分あると考えます。 筆者の経験ではありますが、日焼け止めを使わなければ良かったと感じたことよりも、使っておけば良かったと後悔することが多かったように思います。

 

4. 日焼け止め以外の対策も大事

ここまで、日焼け止めの使い方について説明してきました。しかし、紫外線対策は日焼け止めだけで完結するものではありません。米国皮膚科学会も、日陰を探す、帽子をかぶる、衣類で肌を覆う、UVカットのサングラスを使うなど、複数の方法を組み合わせることを勧めています。

特に日差しの強い時間帯には、日陰で過ごすことも基本的な対策になります。日焼け止めは大切ですが、「日焼け止めを塗ったから長時間日差しを浴びても大丈夫」というものではありません。日焼け止めは、日陰、衣類、帽子、サングラスなどと組み合わせて使うものと考えてください。

私自身は日焼け止め以外の対策として、日傘を愛用しています。 晴雨兼用(全天候型)の傘であれば、日差しの強い日だけでなく急な雨にも対応できるため、持ち歩くことに面倒さはあまり感じません。日焼け止めだけで何とかしようとするより、日傘、帽子、長袖、日陰の利用などもあわせて取り入れるほうがより効果的な日焼け対策になると考えています。

 

5. まとめ

日焼け止めは、子どもから高齢者まで、誰にでも有意義な紫外線対策です。また、真夏の晴天時だけでなく、曇りの日や日常の外出でも意味があり、次のことを意識して使うとより高い効果が期待できます。

日焼け止めの使い方のポイント】

  • 外出の15分前に塗る
  • 露出部すべてをカバーする
  • 十分な量を使う
  • 必要に応じて塗り直す

そのうえで、日焼け止めだけに頼るのではなく、日陰や、帽子、衣類、サングラス、日傘なども組み合わせると、効果的な紫外線対策が実現できます。 今回のコラムが、日焼け止めをより上手に使うための参考になれば幸いです。

 

<日焼け止めシリーズ>

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。