ひふがん
皮膚がん
皮膚に生じるがんの総称
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最終更新: 2023.09.11
皮膚がんの基礎知識
POINT 皮膚がんとは
皮膚にできた悪性腫瘍の総称です。代表的なものとして「基底細胞がん」や「有棘細胞がん」、「悪性黒色腫」があります。腫瘍のタイプによって症状は異なりますが、一般的には痛みやしこり、出血が多いです。組織診(がんが疑われる部分を取り出して顕微鏡で確認する検査)によって診断が確定されます。手術や放射線、抗がん剤によって治療し、腫瘍の種類やステージ、患者さんの身体の状態によって効果が最も高い方法が選ばれます。皮膚がんが心配な人は皮膚科を受診してください。
皮膚がんについて
- 皮膚に生じる
がん の総称 - 年間24,000人ほどが罹患して、年間1,700人ほどが亡くなっている
- 年間罹患者は男性約12,391人、女性11,688人(2018年)である
- 年間死亡者は男性848人、女性854人(2019年)である
- 皮膚がんの中でも起こる場所によって以下の種類がある
- 主な皮膚がんの例
皮膚がんの症状
- 皮膚に
腫瘍 ができる - 部位や種類によって、痛みや出血など様々な症状が出現する
皮膚がんの検査・診断
- 視診:外見を丹念に観察する診察法
組織診 :腫瘍 が良性 か悪性か調べる- 腫瘍の一部を採取して顕微鏡で確認する
- 画像診断:
がん の広がりや転移 の有無を調べる
皮膚がんの治療法
- 手術で切除することが基本
化学療法 (抗がん剤治療 )を行う場合もある
皮膚がんに関連する治療薬
その他の抗がん性抗生物質
- 細胞の増殖に必要なDNAの合成を阻害するなどにより抗腫瘍効果をあらわす薬
- がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
- 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAやRNAの合成が必要となる
- 本剤はDNAに作用しDNAの複製を阻害するなどして抗腫瘍効果をあらわす
- 本剤は土壌などに含まれるカビなどの微生物由来の薬剤であり抗がん性抗生物質と呼ばれる
分子標的薬(ニボルマブ〔ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体〕)
- がん細胞を攻撃するリンパ球T細胞を回復・活性化させ、がん細胞に対する免疫反応を亢進させることで抗腫瘍効果をあらわす薬
- がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
- 通常であれば、がん細胞は体内で異物とされリンパ球のT細胞によって攻撃を受けるが、がん細胞が作るPD-1リガンドという物質はリンパ球の活性化を阻害する
- 本剤はPD-1リガンドによるリンパ球の活性化阻害作用を阻害することで、T細胞のがん細胞へ攻撃する作用を高める
- 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(BRAF阻害薬:ベムラフェニブなど)
- 異常な細胞増殖の因子となる変異型BRAFというタンパク質キナーゼの活性を阻害し抗腫瘍効果をあらわす薬
- がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで正常な細胞を障害し組織を壊す
- 細胞増殖のシグナル伝達における重要な因子にBRAFというタンパク質キナーゼがあり、このBRAFに変異がおこると細胞増殖が異常に亢進する
- 悪性黒色腫などのがんではBRAF変異がみられる場合がある
- 本剤は活性化変異型のBRAFキナーゼを阻害することで抗腫瘍効果をあらわす
- 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定の分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる