2026.05.12 | コラム

【日焼け止め②】選び方について:学会の意見は?

SPF30以上でPA・耐水性の記載があるものがおすすめ
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前回の「【日焼け止め①】SPF・PAとは? 光老化や皮膚がんのリスクとなる紫外線UVAとUVBを防ぐ指標」では日焼け止めに関連したSPFやPAなど用語を中心に説明しました。

【前回のコラムのまとめ】

  • 日焼けは主に紫外線によるもので、なかでもUVAとUVBの2つが皮膚に影響する
  • UVAに対する防御指標がPAであり、4段階のうち++++が最も効果がある
  • UVBに対する防御指標がSPFであり、数値が高いほど日焼けを防ぐ
  • 水に触れても落ちづらいものは「UV耐水性」と表記される
  • 日焼け止めの成分には吸収剤と散乱剤があり、どちらも長所短所がある

今回のコラムでは「日焼け止めの選び方」を学会の見解を交えて説明していきます。

 

1. 米国皮膚科学会がお勧めする「日焼け止め」の基準は3つ

日焼け止め選びの基準は米国皮膚科学会の意見が参考になります。そこで述べられている基準は次の3つです。

 

【米国皮膚科学会による日焼け止めの3つの基準】

  • 広域スペクトラム(broad-spectrum)
  • SPF30以上
  • 耐水性

 

これらの基準を日本の製品や表記に合わせながら、一つひとつ説明します。

 

広域スペクトラム:PAにも注目

広域スペクトラムを簡単に言い換えると、「UVAとUVBの両方に対して効果がある」という意味です。UVAはしみ・しわ・たるみなどの光老化に関わり、UVBは赤みやひりつきなど、いわゆる日焼けに強く関わります。米国皮膚科学会では、この両方に対応できる日焼け止めを勧めています。

日本の商品では「広域スペクトラム」という言葉が前面に出ていないこともありますが、実際にはSPFとPAの両方が表示されているかを確認することで、近い意味で読み取ることができます。日焼け止めというとSPFに目が向きやすいのですが、UVA対策としてPAも確認してください。

 

SPF30以上

SPFは主にUVBに対する防御の目安です。数字が大きいほど防御効果は高くなり、米国皮膚科学会は日焼け止めとしてSPF30以上を勧めています。その一方で、日焼け止めは数字だけで選べばよいものでもありません。ベタつきや、白浮き、きしみなど使用感に不満があると、塗る量が減ったり続かなくなったりすることもあるからです。SPF50のものを無理に使うより、SPF30以上という基準を満たしたうえで、無理なく使い続けられるものを選ぶという考えの方が、効果を得やすいかもしれません。

 

耐水性

耐水性は水や汗でぬれた状態でも、一定時間は皮膚の上に残りやすいことを示す指標です。日本の製品では「UV耐水性」と表示されています。水に触れる活動をする時や汗をかきやすい日には、この表示があるものを選ぶと安心です。

 

2. 散乱剤と吸収剤、どちらがいいのか?

ここまでは、米国皮膚科学会が勧める日焼け止めの基準についてみてきました。こうした条件を満たす商品はいくつもあるため、実際には「結局どれを選べばよいのか?」あるいは「どれでも大差ないのか?」と迷うことがあるかもしれません。その際にはもう一つの判断材料として日焼け止めの成分に注目してみると良いかもしれません。

 

散乱剤と吸収剤について

日焼け止めに使われている成分は、散乱剤と吸収剤に分けられます。散乱剤は、主に酸化亜鉛や酸化チタンなどを用い、紫外線を反射・散乱しながら防ぎます。一方で、吸収剤は紫外線を吸収して肌への影響を減らします。最近は、両者を組み合わせた製品もあります。

 

米国皮膚科学会の見解は?

米国皮膚科学会は吸収剤と散乱剤に優劣をつけていません。吸収剤・散乱剤・両方を含む製品のいずれでも、広域スペクトラム、SPF30以上、耐水性を満たしていれば有効としています。その一方で、敏感肌の人や子どもでは散乱剤が選択肢になりやすい、という意見も出しています。

 

実際の使用感は?

吸収剤と散乱剤では使用感に違いがあります。散乱剤主体の日焼け止めは、白浮きのしやすさや、きしみなどの理由で使いにくさを感じることがあります。一方で、吸収剤は白浮きしにくく、伸びがよいため、見た目や使用感を重視する人では続けやすいかもしれません。

毎日の日差しを防ぐためには、日焼け止めを無理なく塗れて、毎日続けられるかどうかが重要です。結局のところ、どちらが絶対的に優れているかに注目するより、肌質、年齢、使う場面、使用感の好みに応じて選ぶ方が現実的です。具体的には、敏感肌の人や子どもでは散乱剤から考え、白浮きやきしみが気になる人では吸収剤や両方を含む製品も視野に入れる、という考えで良いと考えます。

*吸収剤を含まない製品は「ノンケミカル」や「紫外線吸収剤不使用」と表示されていることが多いです。

 

3. 筆者はどう選んでいるか

ここまでは、米国皮膚科学会の考え方をもとに日焼け止めの選び方を説明しました。ただ、実際に自分で選ぶとなると、自身の特性や好みに合わせた調整が必要になります。

私自身は次のような考えで日焼け止めを選んでいます。

【筆者が日焼け止めを選ぶ際のポイント】

  • SPF50+かつPA++++のものを使う
  • 散乱剤にこだわらない
  • 落としやすさも重視する

それぞれの理由について簡単に説明します。

■ SPF50+かつPA++++のものを使う
きっちりまんべんなく日焼け止めを塗れている自信がないため、できるだけ防御効果の高いSPF50+かつPA++++の製品を選んでいます。SPFは理屈の上では30以上がひとつの基準になりますが、実際には塗りムラが起こりうるので、高めのものを使っています。

■ 散乱剤にこだわらない
日焼け止めを塗っていることが目立ちにくいものを使いたいため、散乱剤単独のものにこだわらず、白浮きしにくい吸収剤を含む製品を選んでいます。日焼け止めは毎日使うものなので、効果だけでなく、見た目や使用感も無視できません。

■ 落としやすさも重視する 
耐水性はある程度ほしい一方で、洗い落とすときの手間はなるべく少ない方が助かります。そのため、毎回しっかりクレンジングが必要になるような重い製品より、できれば1回の洗顔で落としやすいものを選ぶようにしています。

 

肌との相性や使用感もとても大切です。実際に使ってみないと分からないものなので、気になる製品があれば、まずは試供品や小容量のものから試し、自分に合うものを見つけていくのがよいと思います。

 

今回のコラムでは、米国皮膚科学会の意見を参考にしながら、日焼け止めの選び方を実践的に説明しました。自分の肌質や生活スタイルに合った日焼け止めを見つけるきっかけになれば幸いです。

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。