2018.10.26 | コラム

1類、2類で何が違う? ガスター10®、ロキソニン®Sなど「OTC医薬品」のリスク分類について詳しく解説

大衆・家庭・一般用・・・“身近”にある医薬品に関して
1類、2類で何が違う? ガスター10®、ロキソニン®Sなど「OTC医薬品」のリスク分類について詳しく解説の写真
(c)Halfpoint-iStock.com

コマーシャル等でよく耳にする「OTC医薬品」。いわゆる市販されている薬をあらわす言葉として使われていますが「OTC」とはどのような意味をもつのでしょうか?。今回はこの「OTC医薬品」とそのリスク分類(区分)を中心に解説していきます。

1. OTC医薬品の「OTC」とは?

薬(医薬品)には、主に医師が処方する医療用医薬品(処方薬)と、薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬が存在します。市販薬の多くは、法的には「一般用医薬品」として分類される薬ですが、他に大衆薬、家庭薬などの色々な名称で呼ばれることもあります。これら色々な市販薬の呼び方を変更・統一した名称が「OTC医薬品」であり、OTCとは「Over The Counter」の略で、カウンター越しに薬を販売することに由来します。

 

2. 要指導・1類・2類・3類の違いとは?:OTC医薬品のリスク分類

繰り返しになりますが、医薬品は大きく医療用医薬品と一般用医薬品に分かれ、OTC医薬品の多くは一般用医薬品に含まれます(OTC医薬品には一般用医薬品の他、後ほど登場する要指導医薬品も含まれます)。医療用医薬品は主に医療機関に受診を経て、医師の処方のもと出される薬です(医療用医薬品以外の薬局医薬品として薬局製剤販売医薬品といって医師の処方なしで購入できるものもあります)。一方、OTC医薬品は患者自身(場合によっては家族など)が症状を考察し、薬局やドラッグストアなどで薬の専門家に相談などをした上で購入する薬となります。ひとえにOTC医薬品といっても薬の成分や身体への効果などによってリスク分類(区分)がされており、販売方法や薬局などでの取り扱い、販売に関して対応する専門家などが異なってきます。以下に挙げたのはリスク毎に分けられた医薬品名称と規定内容などの要点をまとめたものです。(なお、本記事に登場する薬剤に関して、株式会社メドレーは特定の製薬企業やその関係団体との利害関係はありません。)

 

◎要指導医薬品(販売に関して対応する専門家:薬剤師)

OTC医薬品としては初めて市場に登場した薬などで、その取り扱いなどに関して十分な注意を要するため、販売にあたっては薬剤師が需要者(購入希望者)からの情報を聞くとともに書面による当該医薬品に関する説明を行うことが原則であり特定販売(インターネット等での販売)ができない医薬品です。店舗での保管方法も購入希望者がすぐには手が届かない場所へ陳列しなくてはならない、販売記録の作成・保存の義務があるなど管理もより厳格なものになっています。厚生労働省の指定等の趣旨では一般用医薬品とは異なる「医療用医薬品に準じたカテゴリーの医薬品」となり、医療用医薬品からOTC医薬品へ移行して間もないためOTC医薬品としてのリスクが確定していない薬や劇薬などが該当します。

 

◎第1類医薬品(販売に関して対応する専門家:薬剤師)

副作用、相互作用などの項目で安全上、注意を要するとされる薬で、薬剤師の説明を聞かずに購入することがないように、すぐには手の届かない場所に陳列しなくてはならない等の規定があります。また店頭で販売する場合には情報提供場所において対面でかつ書面による情報提供が必要で、販売記録の作成・保存なども義務付けられています。保健所へ届出を行い許可を受けた薬局やドラッグストアなどでは、特定販売といってインターネットなどを介しての販売も可能です。コマーシャルなどでもよくみかけるガスター10®をはじめとする胃薬のH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬)や痛み止めとして広く使われているロキソプロフェンナトリウムの内服薬(主な商品名:ロキソニン®S)などがこの第1類医薬品に該当します。

 

◎第2類医薬品(販売に関して対応する専門家:薬剤師又は登録販売者)

副作用、相互作用などの項目で安全上、注意を要するとされる薬で薬剤師や登録販売員からの情報提供や販売記録の作成・保存は努力義務となっています。風邪薬(総合感冒薬)、解熱鎮痛薬など日常生活の中でよく使用される薬が多く属する区分です。第2類医薬品の中でも特に注意すべき成分(小児や妊婦が禁忌とされる成分や相互作用や習慣性・依存性がある成分などで厚生労働省が指定した成分)を含む医薬品に関しては「指定第2類医薬品」という通常の第2類よりも厳格な管理などが必要な医薬品もあります。通常の第2類との違いは成分だけでなく「医薬品の直接の容器・被包の2の数字を○や□で囲った表記(表示例:第②類医薬品)とする」や「情報提供場所から7m以内の範囲に陳列する」等の規定も加わります。第2類医薬品も許可を受けた薬局やドラッグストアなどでは特定販売(インターネットなどを介した販売)が可能です。バファリンAノーシンパブロンエースAX微粒新コンタック®600プラスなど多くの薬がこの第2類医薬品に含まれます。

 

◎第3類医薬品(販売に関して対応する専門家:薬剤師又は登録販売者)

副作用、相互作用などの項目で、第1類や第2類医薬品に相当するもの以外の一般用医薬品です。情報提供に関しては、購入者からの相談があった場合には他のリスク区分の薬同様、薬剤師や登録販売者による応答義務があり、販売記録の作成・保存は努力義務となっています。疲れ目(眼精疲労)用の目薬や消毒薬などが主に属する区分になります。許可を受けた薬局やドラッグストアなどでは特定販売(インターネットなどを介した販売)が可能です。

 

3. スイッチOTCなどを活用したセルフメディケーションとは?

OTC医薬品をあらわす用語にはリスク分類(区分)の他、スイッチOTCダイレクトOTCなどといったものもあります。スイッチOTCとは医療用医薬品としての有効性、安全性などが評価され、薬局やドラッグストアなどで購入できるように転用(スイッチ)された薬で、一般的にスイッチ直後は要指導医薬品として発売され、一定の期間(原則、3年)を経て一般用医薬品(第1類〜第3類)に移行されます。ダイレクトOTCは「医療用医薬品も含めて初めての有効成分を含有するOTC医薬品」です。すなわち、それまで医療用医薬品としても発売されていなく、直接OTC医薬品として登場した薬になります。主なダイレクトOTCとしてリアップシリーズ(主な商品名:リアップX5プラスローション)やアンチスタックス®などがあります。

現在、超高齢社会へと一歩ずつ近づき、慢性疾患の患者数増加、医療費高騰など多くの課題を抱える日本では、特定健診や特定保健指導の実施によるメタボリックシンドロームの予防、ジェネリック医薬品の推進による医療費削減など様々な対策がとられています。詳しくは割愛させて頂きますが、日頃から自分自身で健康管理を行うことは、単に健康を維持するというだけでなく、健康寿命をのばしたり高騰する医療費の抑制などにも繋がるのではないか・・・とも考えられています。

最近は国も積極的にセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすることなど)を推進していて、現在(2018年時点)では、いくつかの条件を満たせばスイッチOTCを購入した代金に対しても医療控除(医療費控除の特例)が受けられるようにもなりました。

薬局やドラッグストアなどでは薬剤師や登録販売者といった薬の専門家が、日々薬の相談に応じています。今だけでなくこの先の健康を考え、OTC医薬品を活用した健康管理などを薬の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。