しっしん(ひふえん)
湿疹(皮膚炎)
「かゆみや赤み」、「がさつき」、「ぶつぶつ」など炎症による皮膚の異常を表現した言葉
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最終更新: 2022.04.06
湿疹(皮膚炎)の基礎知識
POINT 湿疹(皮膚炎)とは
皮膚にかゆみや赤み、がさつきなどの症状が現れる病気の総称です。主な原因は薬や花粉、アレルギー、アトピーなどさまざまです。まれに小さな「みずぶくれ」ができることもありますが、皮膚の赤みや痒みが主な症状です。診断に特別な検査は必要ではありませんが、診断が難しい場合には、病理検査(病気の部分の一部を切り取り顕微鏡で観察する検査)を行うこともあります。治療にはステロイドが含まれた塗り薬や抗ヒスタミン作用が含まれた飲み薬を使います。湿疹が出て治療を考えている人は皮膚科を受診してください。
湿疹(皮膚炎)について
- 「かゆみや赤み」、「がさつき」、「ぶつぶつ」などを示す皮膚の異常
- 原因として、外的要因と内的要因に分けられ、それが合わさって湿疹を起こすと考えられている
- 外的要因の例
- 洗剤、石けん、汗、カビなど
- 内的要因の例
アレルギー やアトピーの体質、皮膚の乾燥など
- 外的要因の例
湿疹(皮膚炎)の症状
- 皮膚の赤み、痒み
- 痒みを伴うぶつぶつ(
丘疹 )ができる- ジュクジュクとした丘疹の場合もある
- 小さな水ぶくれや皮膚のただれ(
びらん )を起こすこともある
- 繰り返したり慢性化すると、皮膚が厚くなったり、がさつきが残ったり、跡がのこったりする
湿疹(皮膚炎)の検査・診断
- 湿疹は視診で判断する
- 必要に応じて皮膚の一部を採取し顕微鏡検査を行う
- ほかの皮膚の病気が隠れていないか調べるため
湿疹(皮膚炎)の治療法
- 治療の原則は
ステロイド薬 の使用で、有効な治療法は限られている- 湿疹の原因があれば取り除く
- ステロイド薬を必要な時期に適切に使用することが重要
- 痒みが強い場合は抗
アレルギー 薬や抗ヒスタミン 薬を内服することもある 症状 が続いたり、治った後に再発を繰り返すこともある
湿疹(皮膚炎)に関連する治療薬
ナイアシン製剤(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)
- 脂質の代謝や血管拡張、新陳代謝の改善などの作用によりニコチン酸欠乏によって生じる口内炎や耳鳴り、湿疹などの予防や治療に用いる薬
- ナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミン
- 脂質の代謝や血管拡張作用、皮膚などの新陳代謝の改善など様々な作用をもつ
- アルコール分解や活性酸素(過剰発生で細胞を傷つける物質)の除去などにも関与する
ビタミンB6製剤
- ビタミンB6を補い、口内炎や湿疹、貧血、手足のしびれなどを改善する薬
- ビタミンB6は水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンでタンパク質からアミノ酸への分解などを助ける働きがある
- ビタミンB6が不足すると皮膚、粘膜、神経の炎症や貧血などがおこりやすくなる
- ビタミンB6が不足すると中枢神経の異常興奮により痙攣などがおきやすくなる
- イソニアジド(主な商品名:イスコチン)の投与によるビタミンB6欠乏症に使用する場合もある
- 薬剤によってはてんかんの治療などに使用する場合もある
パントテン酸製剤
- 体内にパントテン酸を補充し、エネルギー代謝などに関与して、脂質異常症、湿疹、便秘などを改善する薬
- パントテン酸は水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンでエネルギー代謝などに関わっている
- エネルギー代謝に関わることで、コレステロール低下や血小板数改善するなどの作用をもつ
- 副腎皮質ホルモンの合成にも関与し、ストレスに対する防御機能を高めるとされる
- アミノグリコシド系抗菌薬による副作用の予防や治療に使用する場合もある
湿疹(皮膚炎)が含まれる病気
湿疹(皮膚炎)のタグ
湿疹(皮膚炎)に関わるからだの部位
