しっしん(ひふえん)
湿疹(皮膚炎)
「かゆみや赤み」、「がさつき」、「ぶつぶつ」など炎症による皮膚の異常を表現した言葉
10人の医師がチェック 190回の改訂 最終更新: 2022.04.06

湿疹(皮膚炎)とは? 症状、原因、検査、治療など

湿疹は皮膚に赤み、かゆみ、ぶつぶつができる病気です。洗剤や石けん、汗、カビ、乾燥などが原因になります。湿疹の診断には発疹の見た目が重要で、特別な検査は必要ないことが多いです。皮膚の保湿やステロイドの塗り薬、抗ヒスタミン薬で治療を行います。

1. 湿疹とはどのようなものか

湿疹(皮膚炎)は皮膚に炎症が起きることで、皮膚にかゆみやぶつぶつができた状態です。湿疹は非常に頻度の多い皮膚の病気で、手にできる「手湿疹」や、おむつによる「おむつ皮膚炎」のように、その特徴に応じて、より細かく分類されます。

【湿疹に含まれる病気の一例】

お医者さんが「湿疹」という言葉を使う場合には、これらの病気のどれかを指していることもありますし、皮膚にかゆみやぶつぶつができていて湿疹の特徴を有しているけども、どの病気とも言い難いという時にも使われます。

2. 湿疹の症状について

湿疹では以下のような症状があらわれます。

  • 皮膚が赤くなる
  • 皮膚がかゆくなる
  • 皮膚がぶつぶつする
  • 皮膚に水ぶくれができる

これらの症状は手、肘の内側、膝裏などに現れやすいです。また湿疹は放置すると皮膚の黒ずみやがさつきの原因になるので、症状が続く場合には、皮膚科のお医者さんに相談することをお勧めします。

また、赤ちゃんに湿疹ができた場合には、いつもより機嫌が悪い、痒そうに身をよじるなどの様子から発見されることがあります。おむつの中など見えにくい場所にできることもありますので、赤ちゃんが普段と様子違うと感じる場合には、湿疹がないか探してみると良いかもしれません。

3. 湿疹の原因について

湿疹は刺激物質などが皮膚につくことで引き起こされます。私たちの身体の中には、免疫といって外敵や異物を駆除するシステムがあります。刺激物質などが皮膚につくと、皮膚の免疫により刺激物質や細菌を駆除しようとします。この時、免疫により駆除しようとする過程で、皮膚のかゆみやぶつぶつの原因となる物質が生成され、湿疹の症状が現れます。

こちらのページではどういった物質が湿疹を引き起こすかより詳しく説明しています。

4. 湿疹の検査について

湿疹の診断は問診、身体診察で行います。問診とは医師などの質問に答える形で身体の状態や生活背景を伝えることをいいます。症状のあらわれたきっかけや経過から、湿疹と診断して良いか、疑わしい原因物質がないかを判断していきます。身体診察では発疹の特徴や発疹ができた場所を丹念に見ていきます。

湿疹は特別な検査が必要ない場合が多いです。ただ、治りが悪い場合には、他の皮膚の病気の可能性がないかを調べるために皮膚生検が行われることがあります。皮膚生検では皮膚の一部をとり、何が起こっているかを顕微鏡で確認します。皮膚生検について詳しくはこちらのページで説明しています。

5. 湿疹の治療について

湿疹の治療法としては以下の対処法や薬物療法が有効です。

  • 湿疹の対処法
    • 皮膚を清潔に保つ
    • 皮膚の保湿
  • 湿疹の薬物療法
    • ステロイドの塗り薬
    • 抗ヒスタミン薬

皮膚に汗や汚れが付着した状態は湿疹の悪化につながるため、清潔に保つようにしてください。また、乾燥は湿疹の原因になるため、皮膚の保湿は湿疹の対策として重要です。ステロイドの塗り薬、飲み薬、抗ヒスタミン薬は皮膚のかゆみや炎症をとる効果があります。湿疹の治療について詳しくはこちらのページで説明していきます。

6. 湿疹のセルフケアについて

湿疹になると自分でできることがないかと考えるかもしれません。湿疹の治療においてセルフケアは大事な要素です。湿疹のセルフケアでは以下のポイントに注意しながら行うと良いです。

  • 皮膚を清潔な状態に保つ(汗をかいたらシャワーを浴びるなど)
  • 皮膚が乾燥している時は保湿を行う
  • 痒くてもかかないようにする
  • 偏った食事にならないようにする

かきむしると悪化したり、傷口から感染を起こしたりして、治療が難しくなることがあります。また偏った食事はビタミン不足を招き、湿疹が悪化する可能性があります。

湿疹は適切なケアをすれば1週間程度で良くなっていくことが多いです。1週間経過しても発疹がよくならない場合には、他の皮膚に病気の可能性もあるので、皮膚科のお医者さんと相談するようにしてください。

こちらのページでは、「保湿の方法」や「サプリメントについて」も紹介しています。