しっしん(ひふえん)
湿疹(皮膚炎)
「かゆみや赤み」、「がさつき」、「ぶつぶつ」など炎症による皮膚の異常を表現した言葉
10人の医師がチェック 190回の改訂 最終更新: 2022.04.06

湿疹(皮膚炎)の治療について:スキンケア、薬物療法

湿疹の対処法としては皮膚を清潔な状態に保つ、保湿を行うといったスキンケアが有効です。炎症を抑えるためにステロイドの塗り薬を使ったり、かゆみ止めとして抗ヒスタミン薬を使うことがあります。

1. 湿疹の対処法:皮膚の清潔と保湿

汗や汚れ、乾燥は湿疹を悪化させる一因になります。そのため、皮膚を清潔な状態に保つことや保湿を行うことは湿疹の対処法として重要です。

例えば、湿疹が「あせも」である場合には、汗をかいた後に放置をせずにシャワーを浴びるといった方法が有効です。

保湿の方法としては、肌の乾燥している場所にワセリンや保湿クリームを塗るようにしてください。赤ちゃんに使用する場合には、ベビー用ワセリンなどのように「赤ちゃんにも使える」と表記されているものを選ぶようにしてください。

2. 医療機関で処方される薬とは

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湿疹の薬物療法としては以下があります。

  • ステロイドの塗り薬
  • 抗ヒスタミン薬の塗り薬、飲み薬

以下で詳しく説明していきます。

ステロイドの塗り薬

ステロイド薬は皮膚の炎症を抑える作用があり、皮膚の赤み、痒みなどの症状を改善します。湿疹ではステロイドの塗り薬(外用薬)が使われます。ステロイドの塗り薬は効果の強さに合わせて下記のように5段階に分類されており、症状の強さや湿疹が起きた場所に応じて使い分けられています。I群(ストロンゲスト)が最も強く、V群(ウィーク)が最も弱いです。

【ステロイド外用薬の強さ】

ステロイドの塗り薬は内服薬に比べて副作用が少ないですが、全くないというわけではありません。具体的には皮膚の色素消失(白く色が抜ける)や感染症などに注意が必要です。もし、ステロイドの塗り薬を使用中に気になる変化があれば、お医者さんに相談するようにしてください。

抗ヒスタミン薬の塗り薬、飲み薬

湿疹のかゆみ症状を緩和するために抗ヒスタミン薬が使われることがあります。

ヒスタミンはかゆみを引き起こす原因物質です。抗ヒスタミン薬はヒスタミンの作用を抑えることで効果を発揮します。副作用として、飲み薬では眠気や倦怠感などが出ることがあるので、使用中は車の運転は控えるようにしてください。

3. 湿疹に効果のある市販薬はあるか

湿疹は症状が軽いようであれば、市販薬で対応することが可能です。市販薬の中には医療機関で出される薬と同様、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬を含んだものもあります。具体的にはオイラックスAやベトネベートクリームSなどです。

薬の強さは市販薬ごとに異なるので、どの薬があっているかは薬局・ドラッグストアの薬剤師さんに相談してみることをお勧めします。ただし、症状が強い場合やみが出ている場合は、お医者さんの診察をつけたほうが良いので、医療機関を受診するようにしてください。