せっしょくひふえん
接触皮膚炎(かぶれ)
刺激物やアレルゲンによって引き起こされる皮膚の炎症の総称。いわゆる「かぶれ」のこと
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最終更新: 2022.03.30
接触皮膚炎(かぶれ)の基礎知識
POINT 接触皮膚炎(かぶれ)とは
刺激物やアレルゲンが原因で起こる皮膚の炎症で、いわゆる「かぶれ」のことです。皮膚が赤くなる、ぼつぼつができるなどの症状が現れ、かゆみを伴うことがもあります。問診と視診(見た目の診察)で診断が行われます。予防や悪化を防ぐには原因物質との接触を避けることが重要になります。軽症の場合は自然と治りますが、重症の場合はステロイドが含まれた塗り薬や飲み薬(抗ヒスタミン薬)によって治療が行われます。接触性皮膚炎が心配な人は皮膚科を受診してください。
接触皮膚炎(かぶれ)について
- 刺激物や
アレルゲン によって引き起こされる皮膚の炎症 - いわゆる「かぶれ」のこと
- 原因物質によって、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎に分けられる
- 刺激性接触皮膚炎
- 原因物質によらず、繰り返しの摩擦により生じる
- 誰にでも起こる
- アレルギー性接触皮膚炎
アレルギー を持っている人だけに起こる
- 刺激性接触皮膚炎
- 特殊な接触皮膚炎
- 光接触皮膚炎(光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎)
- ある物質に触れた部分の皮膚に紫外線があたることで生じる
- 湿布薬などでよくみられる
- 全身性接触皮膚炎(自家感作性皮膚炎)
- アレルギー性接触皮膚炎のある人が、アレルゲンを口や注射などから体の中に取り込んだ結果、全身にアレルギーが起こった状態
- 皮膚症状が全身に広がる
- シイタケや水銀が有名
- 光接触皮膚炎(光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎)
接触皮膚炎(かぶれ)の症状
接触皮膚炎(かぶれ)の検査・診断
問診 と皮膚所見 の分布から、原因となった物質を推定することが最も重要であるパッチテスト (疑わしい物質を含んだものを皮膚に貼ってみる)を行うこともある- 見た目だけでは判断が難しいこともあり、経過をみることも重要
接触皮膚炎(かぶれ)の治療法
- 皮膚炎の原因として疑わしいものとの接触を避けることが基本
ステロイド の塗り薬- 約1週間で効果が出ることが多い
- 全身に広がった場合には抗
ヒスタミン 薬の飲み薬を同時に使う
接触皮膚炎(かぶれ)に関連する治療薬
ナイアシン製剤(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)
- 脂質の代謝や血管拡張、新陳代謝の改善などの作用によりニコチン酸欠乏によって生じる口内炎や耳鳴り、湿疹などの予防や治療に用いる薬
- ナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミン
- 脂質の代謝や血管拡張作用、皮膚などの新陳代謝の改善など様々な作用をもつ
- アルコール分解や活性酸素(過剰発生で細胞を傷つける物質)の除去などにも関与する
ビオチン製剤
- 体内にビオチン(ビタミンH)を補充し、湿疹や皮膚炎、にきびなどを改善する薬
- ビオチンは水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンであり体内で糖の再利用やアミノ酸の代謝などに関わる
- ビオチンが不足すると皮膚形成が損なわれ、アレルギーを起こす体内物質の排泄なども低下するとされる
- 本剤はビオチン製剤であり、体内にビオチンを補充することで、皮膚症状などを改善する
- ビオチンはビタミンB群の一種でビタミンHと呼ばれることもある(ビタミンB7とも呼ばれていた)
副腎皮質ホルモン(ステロイド外用塗布剤・噴霧薬など)
- 抗炎症作用や免疫抑制作用などにより、皮膚炎などにおける湿疹、痒み、赤みなどを和らげる薬
- アレルギー性の皮膚症状は何らかの原因によりアレルギー反応がおこり湿疹や痒みなどがあらわれる
- 副腎皮質ホルモンは抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などをもつ
- 本剤は副腎皮質ホルモンを元に造られたステロイド外用薬
- 乾癬などの免疫異常による皮膚症状の治療に使用される場合もある
- 本剤は作用の強さによって大きく5段階に分類される
- 作用の弱い順に、V群(ウィーク)、IV群(マイルド)、III群(ストロング)、II群(ベリーストロング)、I群(ストロンゲスト)に分けられる
- 本剤の剤形には、軟膏剤、クリーム剤、液剤などがあり薬剤によっては用途などに合わせた選択が可能な場合もある