じんましん
じんましん(蕁麻疹)
皮膚が赤く腫れ、短時間で消える症状。原因はアレルギー、物理的刺激、発汗など。市販薬にもある抗ヒスタミン薬の飲み薬が有効。原因不明で長引く場合もある
16人の医師がチェック 245回の改訂 最終更新: 2024.03.08

じんましん(蕁麻疹)の基礎知識

POINT じんましん(蕁麻疹)とは

時間が経つと跡を残さずに消える赤い発疹のことです。かゆみをともないます。食べ物や薬のアレルギーや虫刺されでも起こりますが、原因が分からないものも多いです。顔のむくみや息苦しさがある場合はアナフィラキシーという重症なアレルギーの可能性もあるので注意が必要です。原因が分かっている場合には、原因物質との接触を避けることが大事です。抗アレルギー薬やステロイドなどで治療されます。アレルギー科や皮膚科を受診してください。息苦しさや顔面のむくみを伴う場合はアナフィラキシーに発展する可能性があるので救急科を受診してください。

じんましん(蕁麻疹)について

  • 皮膚の一部が突然赤く腫れ上がり、しばらくすると消えてなくなる症状
    • 血液中にヒスタミンという物質が作られて、血管内の水分が外に滲み出て皮膚が腫れ上がる
  • じんましんの7割が原因が特定できない特発性で、はっきりと原因がわからないことも多い
    • アレルギー
      • 食物(そば、エビなど)
      • 薬剤(抗菌薬、解熱薬などが多いが、全ての薬で生じうる)
      • 植物や昆虫(ハチなど)
    • アレルギーではないが、原因、悪化因子がわかるもの
  • 特殊なタイプのじんましんじんましんの仲間の病気)として、じんましん血管炎や血管性浮腫がある
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じんましん(蕁麻疹)の症状

  • 主な症状
    • 皮膚に赤い膨らみができる(大きさは数mm程度の小さな斑点状のものから、それらがつながって手のひら以上の大きさにまとまることもある)
    • 症状の場所が数時間から半日後には別の場所に移っていて、元の場所は何もなかったかのように跡を残さず消えるということが特徴
    • 跡が残る場合は別の病気を考える
  • 身体に合わない食べ物や薬のアレルギーとしてじんましんが起こることがあり、この場合は比較的症状が重くなる
    • 喘息のような呼吸症状や腹痛、下痢など皮膚以外の症状を伴うこともある
症状の詳細

じんましん(蕁麻疹)の検査・診断

  • 放っておいても1日以内に改善するのがじんましんの特徴
    • 繰り返したりしない限り、あえて検査は行わないことがほとんど
  • 確定できる検査はないが、以下の検査で診断できる
    • アレルギー性のものは血液検査及び皮膚検査(皮内アレルギーテストプリックテスト)で判定できる
    • 非アレルギー性のものに関しては発生する原因の刺激を与え、その反応をみることで判定する
    • 薬に関しては普段の1000分の1の量など極めて微量の薬を飲み、その反応を見ることがある
  • 自己判断でテストを行うことは極めて危険であり、強いアレルギー反応はアナフィラキシーショックといって命の危険につながることがあるため、勝手に行ってはならない
検査・診断の詳細

じんましん(蕁麻疹)の治療法

  • アレルギーが原因であれば原因を避けることが重要。 多くを占める特発性じんましんでは抗ヒスタミン薬の飲み薬が治療の基本
    • 抗ヒスタミン薬(飲み薬)
      • いわゆるかゆみ止めの薬で花粉症でも用いるアレルギーを抑える薬(一部は抗アレルギー薬ともいう)
  • 塗り薬などの外用薬は基本的には効果がない
  • 重症例では免疫抑制薬(飲み薬)やステロイドの飲み薬を使う
  • また、2024年2月にデュピルマブ(デュピクセント®)という生物学的製剤が蕁麻疹の治療薬として承認され、12歳以上で既存治療で効果が得られなかった人に使えるようになりました
治療法の詳細

じんましん(蕁麻疹)に関連する治療薬

抗ヒスタミン薬(外用塗布薬)

  • 抗ヒスタミン作用により、痒みや赤み、膨らみなどの皮膚症状を和らげる薬
    • 湿疹は様々な要因により体内のアレルギー反応を引き起こす物質により、皮膚の痒みや赤みなどが生じる
    • 体内のアレルギー反応を引き起こす物質にヒスタミンがある
    • 本剤は抗ヒスタミン作用をあらわす成分を含む外用塗布薬
  • 本剤に使われる主な成分にジフェンヒドラミンがある
抗ヒスタミン薬(外用塗布薬)についてもっと詳しく

抗ヒスタミン薬(内服薬・注射剤・貼付剤)

  • 神経伝達物質ヒスタミンの働きを抑えることでアレルギー反応を抑え蕁麻疹、花粉症、喘息などによる、皮膚の腫れや痒み、鼻炎(くしゃみや鼻みずなど)、咳などの症状を改善する薬
    • 蕁麻疹、皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息などでは何らかの原因によって体内でアレルギー反応が起こり症状があらわれる
    • 神経伝達物質のヒスタミンはアレルギー反応を引き起こす体内物質のひとつ
    • 本剤はヒスタミンの働きを抑える作用(抗ヒスタミン作用)をあらわす
  • 抗ヒスタミン作用に加え、ほかの作用によってもアレルギー反応を抑える薬剤もある
抗ヒスタミン薬(内服薬・注射剤・貼付剤)についてもっと詳しく

じんましん(蕁麻疹)の経過と病院探しのポイント

じんましん(蕁麻疹)が心配な方

じんましん蕁麻疹)は、見た目上、ぷっくりと赤く皮膚が膨れている状態(膨疹)で、かゆみを持つという特徴があり、見た目と症状から診断することが多いです。

上記のような症状に該当してご心配な方はじんましんは、皮膚科、アレルギー科、内科クリニックの受診をお勧めします。食べ物や花粉などの一般的なものではなく、特殊な原因によるじんましんの場合は、皮膚科やアレルギー科の専門医を受診するのが良いでしょう。息苦しさや立ちくらみ、吐き気、腹痛などもある場合は、アナフィラキシーショックに進行していることもあるため、救急車の利用による総合病院の受診が望ましいです。

検査をする場合は、血液検査や皮膚検査(原因の可能性がある物質をごく少量皮膚につけて反応を確かめる検査)などを行います。基本的には皮膚科で専門的に行われることが多いですが、総合病院でないクリニックでも皮膚科であれば実施可能なところがほとんどです。ただし、じんましんを何回も繰り返したりしない限りは、あえて検査は行わないことが多いです。

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じんましん(蕁麻疹)でお困りの方

放っておいても1日以内に改善するのがじんましんの特徴です。1日以上症状が継続したり、かゆみで辛い時は抗ヒスタミン薬やステロイド薬の塗り薬、内服薬を使用します。

じんましんだけでなく、息苦しさや立ちくらみ、吐き気、腹痛なども認められる場合はアナフィラキシーショックに至っている可能性があります。アナフィラキシーに関する詳細は別記載のページに譲りますが、アドレナリンという注射薬を太ももに打つことで症状が改善します。また、症状改善後に再度症状が起こることが知られており、1泊入院して、症状が起こらないか確認することが多いです。

じんましんの原因は不明なことが多くありますが、原因がアレルギーとわかれば、原因物質を避けることが重要になります。

慢性的にじんましんが出てくる場合は、定期的に皮膚科に通院し、詳しく検査し、原因を特定することが望ましいです。その場合も、アナフィラキシーショックに至っていないようなじんましんであれば、基本的にクリニックでの診療が可能です。

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