2017.10.07 | ニュース

全身性エリテマトーデスの薬ほか、新薬5製品はどんな薬?

添付文書を中心に

全身性エリテマトーデスの薬ほか、新薬5製品はどんな薬?の写真

9月27日に厚生労働省が新薬15製品を承認しました。そのうちベンリスタ、ケブザラ、ルパフィン、シダキュア、レクタブルの効能・効果などを紹介します。

ベンリスタとは?

ベンリスタ®(一般名ベリムマブ)は、「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果とする薬剤です。注射または点滴で使います。添付文書には3件の臨床試験の結果が記載されています。

いずれも疾患活動性(現在現れている症状などがあるか、またその程度)の指標が偽薬に比べて改善する結果となりました。

主な副作用は感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称などでした。

 

ケブザラとは?

ケブザラ®(一般名サリルマブ)は、関節リウマチの治療薬です。使用上の注意で「過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること。」とされています。

サリルマブは抗IL-6受容体抗体白血球が作り出す、免疫の一部を担う物質。体内の病原体に付着して、他の免疫細胞の働きを助けたりするに分類されます。ほかの抗IL-6受容体抗体としては、トシリズマブ(商品名アクテムラ®)がすでに関節リウマチに対して使用可能となっています。

サリルマブの臨床試験の結果2件が添付文書に記載されています。どちらも以前にメトトレキサート(代表的な関節リウマチ治療薬)を使ったが効果が不十分だった人を対象として、メトトレキサートに加えてサリルマブを使うか使わないかで比較しています。

1件の試験では、24週時点で一定基準以上の改善(ACR20)があった人の割合がサリルマブありのグループでは57.5%から67.9%、サリルマブなしのグループでは14.8%となりました。

もう1件の試験では、24週でのACR20の割合はサリルマブありのグループで58.0%から66.4%、サリルマブなしのグループで33.4%でした。

主な副作用は鼻咽頭炎好中球減少症などでした。

 

ルパフィンとは?

ルパフィン®(一般名ルパタジン)は抗ヒスタミンアレルギー症状の原因となる物質の一つ。炎症により血液中のヒスタミンが増加して、かゆみなどを引き起こす薬に分類されます。効能・効果は「アレルギー性鼻炎」「蕁麻疹」「皮膚疾患(湿疹皮膚炎皮膚そう痒症)に伴うそう痒」の3点とされています。そう痒(そうよう)とはかゆみのことです。

抗ヒスタミン薬は蕁麻疹じんましん)などに関わるヒスタミンという物質の作用を抑えます。ヒスタミンによりかゆみなどの症状が現れます。

 

アレルギー性鼻炎とルパフィン

季節性アレルギー性鼻炎についての臨床試験では、偽薬とルパタジン10mg、ルパタジン20mgを比較しました。くしゃみ・鼻水・鼻閉のスコアを合計した総合鼻症状スコアで評価しました。

治療開始時からの総合鼻症状スコアの変化量は、偽薬に比べてルパタジン10mgで平均1.09、ルパタジン20mgで平均1.42の改善がありました。

通年性アレルギー性鼻炎の臨床試験では、ルパタジンを使う治療により、2週後と52週後に総合鼻症状スコアの改善がありました。ルパタジンを使わなかった場合との比較はされていません。

 

蕁麻疹とルパフィン

蕁麻疹についての臨床試験では、ルパタジン10mg、ルパタジン20mg、偽薬を比較して、治療開始から2週後までの総そう痒スコアの変化量で評価しました。

偽薬に比べてルパタジン10mgで平均1.96、ルパタジン20mgで平均2.12の改善がありました。

関連記事:蕁麻疹(じんましん)の症状を抑え、子どもの生活を楽にするルパタジンの効果

 

かゆみとルパフィン

「皮膚疾患(湿疹皮膚炎皮膚そう痒症)に伴うそう痒」についての臨床試験では、ルパタジンを使う治療により、2週後と52週後にかゆみの改善がありました。ルパタジンを使わなかった場合との比較はされていません。

 

ルパフィンの副作用

臨床試験で現れた主な副作用は眠気などでした。

 

シダキュアとは?

シダキュア®スギ花粉舌下錠は、スギ花粉の抽出物です。「スギ花粉症(減感作生体がある物質と接触した時に、その物質を生体へのアレルゲン(抗原)として認識するようになること。アレルギーが起きる前に必ず必要な準備段階療法)」を効能・効果としています。同様の薬剤にシダトレン®スギ花粉舌下液や治療用標準化アレルゲンアレルギー反応を起こす原因になる物質のこと。代表的なものは、ダニ、ハウスダスト、花粉、そば、卵、金属などエキス皮下注「トリイ」スギ花粉があります。舌下錠は室温保存が可能な点などが違います。

臨床試験では、シダキュアまたは偽薬を1日1回舌下に投与し、最長43週間続け、スギ花粉の季節の症状の重さを記録しました。評価にはくしゃみ・鼻水・鼻閉・ほかの治療薬使用をそれぞれ採点して合計する、総合鼻症状薬物スコアを使いました。

症状のピークがあった2015年3月15日から3月31日のスコアを比較すると、シダキュアを使ったグループは4.74、偽薬のグループは6.98(数字が大きいほうが重症)となり、シダキュアを使ったほうが症状や薬剤使用が少なくなりました。

主な副作用は口の中が腫れる、のどの刺激感、耳のかゆみなどでした。

 

レクタブルとは?

レクタブル®2mg注腸フォーム14回(一般名ブデソニド)は、肛門から腸の中に注入して使うステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているです。効能・効果は「潰瘍性大腸炎(重症を除く)」とされています。

ブデソニドは吸入剤やカプセル剤としてほかの病気の治療にも使われている物質です。

臨床試験では、レクタブルを1日2回注入する治療を偽薬と比較したところ、6週間後の粘膜治癒病気が、それ以上の治療を必要としない状態になること。完治とほぼ同じ意味率が偽薬では3.2%、レクタブルでは32.8%でした。

主な副作用として、血中コルチゾール減少が41.1%、血中コルチコトロピン減少が35.4%の人に現れました。ステロイド薬はもともと体内にあるコルチゾールと同様の作用を持つ物質です。コルチコトロピンはコルチゾールの分泌を促す物質です。ステロイド薬の使用により体内のコルチゾール分泌(または生成)などが減る現象はよく知られ、治療時に念頭に置くべき点と考えられています。

 

まとめ

新薬が加わることにより、保険診療として新しい治療法が使えるようになります。効能・効果や副作用に対応して報告されているデータを参考に、従来の治療法と比較することで、ひとりひとりに合わせた治療選択の幅を広げることができます。

なお同日に承認されたほかの新薬5製品については別の記事でも紹介しています。

関連記事:乳がんの抗がん剤ほか、新薬5製品はどんな薬?

残る5製品についても別に紹介する予定です。
 

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

ベンリスタ点滴静注用120mg/ベンリスタ点滴静注用400mg 添付文書、ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター/ベンリスタ皮下注200mgシリンジ 添付文書、ケブザラ皮下注150mgシリンジ/ケブザラ皮下注200mgシリンジ 添付文書、ルパフィン錠10mg 添付文書、シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU/シダキュアスギ花粉舌下錠5,000JAU 添付文書、レクタブル2mg注腸フォーム14回 添付文書

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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