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全身性エリテマトーデス(SLE)

本来なら体を守ってくれる免疫のシステムが自分自身を攻撃してしまい、全身に様々な症状を起こす病気

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13人の医師がチェック 117回の改訂 最終更新: 2016.09.02

全身性エリテマトーデス(SLE)の基礎知識

全身性エリテマトーデス(SLE)について

  • 本来なら細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効であるなどから体を守ってくれる免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患のシステムが、自分自身を攻撃してしまう病気(自己免疫本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう状態性疾患)
  • 発熱などの全身症状や、皮膚、肺、心臓、腎臓、神経系など体のいろいろな部位に障害が起きる
  • 頻度
    • 男女比は1:9と女性に多く、
    • 特に20~40代の女性に多い
    • 遺伝との関連性も指摘されている(必ず遺伝するわけではない)
  • 原因は不明である
    • 紫外線を多く浴びたり、何らかのウイルスに感染したことがきっかけとなって病気を発症症状や病気が発生する、または発生し始めることする可能性が考えられている

全身性エリテマトーデス(SLE)の症状

  • 全身のいろいろな部位に、様々な症状が起きる
    • 全身症状
      ・発熱
      ・だるさ
    • 皮膚症状
      ・両頬から鼻にできる赤い発疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称(蝶形紅斑皮膚にできる発疹を表す言葉の一種で、赤く、平坦な状態のものを指す
      ・円盤状の丸い発疹(ディスコイド疹)が特徴的
      ・日光に当たった部位の皮膚がすぐに赤くなったり水ぶくれができたりする(日光過敏症)
      ・指の血流が悪くなり指が白くなったり紫になる(レイノー現象
      ・体の一部分の毛が抜ける(脱毛)
    • 関節炎を起こす
      ・関節に腫れや痛みが出る
    • 腎障害(ループス腎炎
      ネフローゼ症候群や急性進行性糸球体腎炎による浮腫体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じるみや血尿尿に血液成分が混じった状態。尿の通り道に病気があると起こる。血尿といっても真っ赤とは限らず、見た目は普通で、検査をしないと血尿であることが分からない場合も多い
    • 神経症状
      ・うつ状態
      ・けいれん発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多い
      意識障害意識に異常が生じた状態の総称で、もうろうとした状態や、不適切な反応をする状態、一切の反応がない状態など多段階の症状が含まれる
    • 心臓や肺障害
      ・深呼吸すると胸が痛む
      ・すぐに息切れするなど
    • 血液の障害(汎血球減少
      ・歯茎などから出血しやすい
      貧血など
  • これらのうちのどのような症状がでるか、また症状の程度は個人差が大きい

全身性エリテマトーデス(SLE)の検査・診断

  • 血液検査:血液中の白血球血液の中にある血球の一種。免疫を担当しており、病原体が体内に入って来た時に、それと戦う役割を担う赤血球血液の中の血球の一種。酸素を肺から取り込んで、全身へ運ぶ役割をしている。血液が赤いのは赤血球が赤いことによる血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつが通常よりも少なくなっていないかなどを調べる
    • 抗核抗体自分の細胞にある細胞核を異物として認識してしまう場合に作られる免疫タンパク質(抗体)のこと。SLEなどの膠原病の患者で抗体が上昇することが多い、抗ds-DNA抗体白血球が作り出す、免疫の一部を担う物質。体内の病原体に付着して、他の免疫細胞の働きを助けたりするが陽性になることが多い
  • 尿検査:蛋白尿尿中にタンパク質が多く含まれること。病気による影響の場合と、正常な反応の場合があるや尿潜血が出ていないかなどを調べる
  • 腎臓や皮膚に症状が出ている時に、腎臓や皮膚の一部を切り取って顕微鏡で調べる検査(生検病気(病変)の一部を採取すること。また、それを顕微鏡で詳しく調べる検査のこと。病気の悪性度の確認や、他の検査では診断が難しい病気の診断のために行われる)をする場合がある
  • 画像検査:頭部や胸に炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起こっていないかなどを調べる
    • CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査
  • 神経症状がある場合は、髄液検査背中側から背骨の間に針を刺して、髄液と呼ばれる液体を採取する検査。脳や脊髄に異常がないかを確認するために行う脳波検査脳が発している微弱な電流を検知して、脳の状態を調べる検査。一般的な手法では、頭部に21本の電極を貼って計測するなどを行う

全身性エリテマトーデス(SLE)の治療法

  • 症状の程度は様々
    • 治療に関しても入院が必要になる場合や、通院での治療でよい場合がある
  • どの部位に障害があるかによっても、使われる治療薬が異なる
  • ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているによる治療が基本
    • ステロイドの点滴薬や飲み薬
    • 症状が強いときはしっかりとステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを抑えて、状態が改善してきたら徐々に薬の量を減らしていく
    • 多い量のステロイドを長期に内服することで、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症など様々な副作用が問題となる
    • そのためステロイドに加え免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制薬を一緒に使い、ステロイド使用量が極力増えないようにする
    • ステロイドや免疫抑制薬の副作用を予防するための薬も最初から併用して内服することも多い
  • 使われることがある薬剤(ステロイド以外)
    • 抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がない:免疫が抑えられることによる感染の予防
    • ビスホスホネート、ビタミンD脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムやリンの量を体内で適切に調整する働きを持つ。外部から摂取する他に、紫外線を浴びることで体内でも合成される:ステロイド薬による骨粗しょう症の予防
    • ACE阻害薬、ARB:ステロイド薬による高血圧の治療
    • スタチン:ステロイド薬による高脂血症の治療
    • 抗血小板薬血小板が血栓を作る作用を抑えるための薬。脳梗塞などの予防に使用される抗凝固薬血液を固まりにくくする薬。不整脈に対して、血栓ができるのを予防する目的で用いられることが多い、血管拡張薬:SLE合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることする虚血性心疾患の予防
    • プロトンポンプ阻害薬:ステロイド薬による胃潰瘍の予防
    • 免疫抑制/調節薬(エンドキサン、イムラン、プログラフ、セルセプト、プラケニルなど):ステロイド使用量を減らす、再発予防
  • SLEは症状が軽くなったり重くなったりを繰り返すので症状が出やすい要素を避けることも重要
    • 不必要に日光を浴びることを避ける
    • なるべくストレスを避ける
  • 病気が安定している状態が続いていれば、妊娠・出産も可能

全身性エリテマトーデス(SLE)に関連する治療薬

副腎皮質ホルモン(ステロイド内服薬・注射薬)

  • 抗炎症作用、免疫抑制作用などにより、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、血液疾患などに効果をあらわす薬
    • 副腎皮質ホルモンの一つのコルチゾールは抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などをもつ
    • 本剤はコルチゾールを元に造られたステロイド薬
  • 本剤は薬剤のもつ作用持続時間によって、(作用の短い順に)短時間作用型、中間型、長時間作用型に分けられる
  • 本剤は多くの有益の作用をもつ反面、副作用などに注意が必要となる
    • 副作用の軽減目的のため、抗菌薬や胃薬などを併用する場合もある
副腎皮質ホルモン(ステロイド内服薬・注射薬)についてもっと詳しく

全身性エリテマトーデス(SLE)の経過と病院探しのポイント

全身性エリテマトーデス(SLE)かなと感じている方

全身性エリテマトーデスSLE)では、発熱や皮膚の赤み、関節の腫れ、痛みといった症状が典型的です。

ご自身がSLEでないかと心配になった時、最初に受診するのは膠原病複数の臓器に炎症がみられる病気の総称。有名なものとしては関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどがある科かリウマチ科の病院が適しています。専門の医師はリウマチ専門医になりますが、リウマチ専門医は内科系のものと整形外科系のものと2種類あるため区別が必要です(両者を認定しているのは同じ学会です)。専門医資格としては同じリウマチ専門医という名称なので区別ができませんが、その医師が内科に所属しているのか、整形外科に所属しているのかが分かれば判断がつくかと思います。SLEを診療するのは内科系のリウマチ専門医になります。

膠原病科の医師の中でも、専門とする分野が分かれていることが多いです。SLEのような自己抗体本来は外敵を倒すための働きをする抗体(免疫物質の一つ)のうち、何らかの異常によって自分自身の臓器や器官に向かってしまうもの関連疾患(関節リウマチ多発性筋炎など)を中心で診ている人もいれば、脊椎背骨のこと。頚椎、胸椎、腰椎に分かれる関節炎(強直性脊椎炎など)や血管炎(顕微鏡的多発血管炎など)を中心で診ている人もいます。小さな病院では膠原病が専門の医師があまりいないため、必ずしもご自分の病気と医師の専門が合致するとは限りません。膠原病科のある総合病院内科、外科、小児科、産婦人科など主要な科が揃っている病院のこと。現在、明確な定義はないであれば、それぞれの分野の専門家がいるでしょうから、医師の割り当ても適切に行われたり、院内で連携相談しながら治療に当たってくれることが多いです。他の科の病気と比べると、適切に診療できる経験をもった医師が少ないのが膠原病でもありますが、長く付き合っていく病気であるため、信頼できる主治医を見つけることが大切です。

もしかかりつけの内科医師がすでにいるようであれば、そこから診療情報提供書前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。俗に「紹介状」と呼ばれているものを指す紹介状前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。正式名称は「診療情報提供書」)をもらった上で受診することをお勧めします。SLEを診断する上で普段の様子やその他の病気の有無、検査結果はとても参考になりますし、診療情報提供書がないと基本的な検査を一からやり直すことになってしまうためです。

SLEの診断は問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すことと診察、血液検査、尿検査で行います。これらに加えて補助的に用いられるのがレントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査エコー空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができるMRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査です。血液検査は一般内科では測定しない特殊な項目も確認しますので、内科のクリニックを受診してその日のうちに診断がつく、というような病気ではありません。

特殊な医療機関としては、リウマチセンターを開設している病院もあります。これらの医療機関では、SLEを専門とする医師やその他スタッフが多く、重症度が高かったり、他の病気と似ていて診断の確定に難渋しているような方に適しています。なお、俗に「リウマチ」とだけ言うと医学的には関節リウマチと呼ばれる疾患を指すことが多いですが、「リウマチ系疾患」、「リウマチセンター」などと言う場合には、関節リウマチに似た関節や全身の痛みを伴う疾患(膠原病疾患と重なります)をまとめて指します。SLEもこの中に含まれる疾患の一つです。

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全身性エリテマトーデス(SLE)でお困りの方

SLE自己免疫疾患本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう病気の総称といって、免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患細胞(白血球血液の中にある血球の一種。免疫を担当しており、病原体が体内に入って来た時に、それと戦う役割を担う)が過敏に活動し過ぎてしまうことが原因の病気です。したがって治療は、免疫細胞の働きを抑えるような内服薬飲み薬のこと、注射薬になります。

患者さんによって効果的な薬が異なること、同じ薬でもどの程度の量で効果があるかが異なることから、通院しながら少しずつ薬を調整して、その人に合った処方を探します。多くの方にとって、治療のために必ず入院しなければならないというような病気ではありませんが、完治が簡単に望める病気でもないため(症状が取れたり、薬の内服が必要なくなったりすることはあります)、継続的に通院を続ける必要があります。

SLEで入院が必要となるのは、SLEが重症化して肺や腎臓、脳神経の症状が出てきた場合(間質性肺炎腎機能腎臓の機能。腎臓がどれだけ血液をろ過してきれいにできるかを示す。血液検査でクレアチニンの値を元に判断されるの悪化、中枢神経ループスなど)、そして元々SLEがあるところに何かしらの感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称が合わさったした場合などです。そのようなことを出来る限り事前に予防できるよう、通院しながら内服薬を調整し、症状と病気の勢いをコントロールしていくこととなります。

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