きょうまくえん
胸膜炎
肺の周りの膜(胸膜)に炎症が起こっている状態の総称。原因は、細菌感染やウイルス感染、がん、膠原病など様々である。
10人の医師がチェック 144回の改訂 最終更新: 2018.01.10

胸膜炎の基礎知識

POINT 胸膜炎とは

肋骨や筋肉で覆われている胸の壁(胸壁)の中に、左右それぞれ1つずつ肺はあります。肺は胸壁の中に裸で存在する訳ではなく、胸壁内側の表面に1枚の膜が、肺の表面にもう1枚の膜があります。それぞれを壁側胸膜、臓側胸膜と呼びます。この胸膜があることによって肺はスムーズに膨らんでしぼむことができ、また空気漏れを起こさずにいます。この胸膜に炎症が起きている状態が胸膜炎です。肺には痛みを感じる神経が乏しいですが、胸膜には神経が通っているため、胸膜炎では胸の痛みを感じることが多いです。胸膜炎の原因は菌やウイルスによるもの、癌によるもの、膠原病(こうげんびょう)という免疫に関連するもの、など様々であり原因に依って治療は異なります。

胸膜炎について

  • 胸膜(肺や胸壁を覆っている膜)が炎症を起こした状態
  • 原因により分類される

胸膜炎の症状

  • 主な症状
    • 胸の痛み(特に大きく息を吸ったときに悪化する)
    • 呼吸困難(胸水が肺の周りに溜まるため)
    • 発熱

胸膜炎の検査・診断

  • 画像検査:胸膜に炎症があることを画像で直接確認するのは難しいので、炎症に伴って滲み出てくる水分(胸水)を確認する。画像検査で肺炎の有無を調べることもできる。
    • 胸部レントゲンX線写真)検査
    • 胸部CT検査
    • 超音波(エコー)検査
  • 細菌検査
    • 胸水に細菌結核菌が含まれているかを調べる
      胸水を採取するために、超音波で胸水の位置を確認しつつ胸に針を刺す(胸腔穿刺
  • 細胞診
    • 胸水にがん細胞が含まれていないか、どのようなタイプの白血球が多いかなどを調べる
  • 原因がどうしてもわからない場合は、胸腔鏡を使って胸の内部を直接観察して調べることがあるが、それでも診断が難しいケースも時折ある

胸膜炎の治療法

  • 2つの治療を並行して行う
    • 原因となっている病気の治療
    • 胸水が貯まらないようにする治療
        根本的な解決にはなりにくいので、原因となる病気の治療を優先する
  • 溜まった胸水が多ければドレナージ(胸水を身体の外に出す)を行う
    • 胸腔ドレーンという鉛筆~ボールペンくらいの太さのチューブを胸の表面から入れたままにしておき、溜まった胸水を身体の外に出す処置
  • 原因に対する治療は、各疾患情報を参照
  • 感染性の胸水が長期間に渡って存在すると膿胸となってしまい、根治するには手術が必要になることがある
  • 性胸膜炎で抗癌剤治療が効かないケースなど、胸水が貯まる原因をコントロールすることができず、胸水のせいで息苦しさが酷い場合には、壁側胸膜と臓側胸膜を人工的にくっつける治療(胸膜癒着術)を行うことがある

胸膜炎に関連する治療薬

非ステロイド性抗炎症薬(点眼薬)

  • 炎症を引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、炎症や痛みを抑えて結膜炎や眼手術時などに使用する薬
    • 体内で炎症や痛みなどを引き起こす物質にプロスタグランジン(PG)がある
    • PGはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素などにより生成される
    • 本剤はCOXを阻害しPG生成を抑えることで、抗炎症作用をあらわす

  • 症状や手術の前後(術後経過)などによって、1日の使用回数が異なってくる場合があるので医師の指示の下で適切に使用する
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胸膜炎に関わるからだの部位


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