きょうまくえん
胸膜炎
肺を覆う膜(胸膜)に炎症が起きた状態の総称。原因は感染症、がん、膠原病など様々である
10人の医師がチェック 145回の改訂 最終更新: 2018.06.16

胸膜炎の基礎知識

POINT 胸膜炎とは

肋骨や筋肉で覆われている胸の壁(胸壁)の中に、左右それぞれ1つずつ肺はあります。肺は胸壁の中に裸で存在する訳ではなく、胸壁内側の表面に1枚の膜が、肺の表面にもう1枚の膜があります。それぞれを壁側胸膜、臓側胸膜と呼びます。この胸膜があることによって肺はスムーズに膨らんでしぼむことができ、また空気漏れを起こさずにいます。この胸膜に炎症が起きている状態が胸膜炎です。肺には痛みを感じる神経が乏しいですが、胸膜には神経が通っているため、胸膜炎では胸の痛みを感じることが多いです。胸膜炎の原因は菌やウイルスによるもの、癌によるもの、膠原病(こうげんびょう)という免疫に関連するもの、など様々であり原因によって治療は異なります。一般的には呼吸器内科が最も専門としている診療科になります。

胸膜炎について

  • 胸膜(肺や胸壁を覆っている膜)が炎症を起こした状態
  • 原因により分類される

胸膜炎の症状

  • 主な症状
    • 胸の痛み(特に大きく息を吸ったときに悪化する)
    • 呼吸困難(胸水が肺の周りに溜まるため)
    • 発熱

胸膜炎の検査・診断

  • 画像検査:胸膜に炎症があることを画像で直接確認するのは難しいので、炎症に伴って滲み出てくる水分(胸水)を確認する。画像検査で肺炎の有無を調べることもできる。
    • 胸部レントゲンX線)検査
    • 胸部CT検査
    • 超音波(エコー)検査
  • 細菌検査
    • 胸水に細菌結核菌が含まれているかを調べる
      胸水を採取するために、超音波で胸水の位置を確認しつつ胸に針を刺す(胸腔穿刺
  • 細胞診
    • 胸水にがん細胞が含まれていないか、どのようなタイプの白血球が多いかなどを調べる
  • 原因がどうしてもわからない場合は、胸腔鏡を使って胸の内部を直接観察して調べることがあるが、それでも診断が難しいケースも時折ある

胸膜炎の治療法

  • 2つの治療を並行して行う
    • 原因となっている病気の治療
    • 胸水が貯まらないようにする治療
        根本的な解決にはなりにくいので、原因となる病気の治療を優先する
  • 溜まった胸水が多ければドレナージ(胸水を身体の外に出す)を行う
    • 胸腔ドレーンという鉛筆~ボールペンくらいの太さのチューブを胸の表面から入れたままにしておき、溜まった胸水を身体の外に出す処置
  • 原因に対する治療は、各疾患情報を参照
  • 感染性の胸水が長期間に渡って存在すると膿胸となってしまい、根治するには手術が必要になることがある
  • 性胸膜炎で抗癌剤治療が効かないケースなど、胸水が貯まる原因をコントロールすることができず、胸水のせいで息苦しさが酷い場合には、壁側胸膜と臓側胸膜を人工的にくっつける治療(胸膜癒着術)を行うことがある

胸膜炎のタグ

胸膜炎に関わるからだの部位

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