かんせつりうまち

関節リウマチ

免疫の異常により関節の腫れや痛みが起こる病気

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14人の医師がチェック 138回の改訂 最終更新: 2017.10.11

関節リウマチの基礎知識

POINT関節リウマチとは

免疫の異常により関節の腫れや痛みが起こる病気です。関節の腫れや痛みは主に手の指、手首などの小さい関節を中心に複数箇所にあらわれます。30-50代の女性に多いです。関節の腫れや痛みは持続すると関節の変形を起こすため、診断がついたら早期に治療することが重要です。診断のためには血液検査、レントゲン検査、CT、MRI、超音波検査を行います。治療薬としてはメトトレキサートを中心とした免疫抑制薬、生物学的製剤などの薬剤を使用します。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科、整形外科を受診してください。

関節リウマチについて

  • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患の異常により関節の腫れや痛みが起こる病気
    • 主に手の指、手首などの小さい関節を中心に、同時に複数箇所(主に左右対称の位置)に症状が出ることが多い
  • 30-50代の女性に多く、頻度は100人に1人程度である
  • 関節の腫れが続くと、骨が壊されて変形してしまう
  • 血管炎症状を合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることした重症なものを悪性関節リウマチと呼ぶ
    • 「悪性」と言ってもがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるのことではない
  • シェーグレン症候群間質性肺炎などと一緒に起こることがある
  • アミロイドーシスの原因になることがある

関節リウマチの症状

  • 関節の腫れや痛み、こわばり(関節を曲げにくい感じ)
    • こわばりは朝に起こることが多い
    • 手の指の第1関節(PIP関節手の指にある2つの関節のうち、近い方の関節。第2関節)や手首、足の指の付け根などの関節から症状が出ることが多いが、肘や膝、足首などにも腫れや痛みが出ることがある
    • 手の指の第2関節(DIP関節手の指にある2つの関節のうち、遠い方の関節。第1関節)から症状が始まることはまれ
    • 手のDIP関節から始まるほかの病気にはへバーデン結節などがある
    • 症状は特に朝起きてすぐや、関節に負担のかかる動きをたくさんした後に悪くなることが多い
    • 関節の痛みやこわばりで握力が弱くなる
  • 関節の変形
    • 手の指が小指側に傾く(尺側偏位)
    • 手のPIP関節が普通と逆方向に曲がり、DIP関節が曲がった形になる(スワンネック変形)
    • 手のPIP関節が曲がった形になり、DIP関節が普通と逆方向に曲がる(ボタンホール変形)
    • 手の指を引っ張ると伸び縮みする(オペラグラス手)
    • 足の親指が人差し指側に傾く(外反母趾
    • 足の裏に痛みのある胼胝(たこ)ができる
    • 膝が内側や外側に曲がる
  • 関節を動かせる範囲が狭くなる
  • 首の骨の変形(環軸関節亜脱臼)
    • 変形した骨が脊髄脳から脊椎の中へ向かって通っている太い神経。脳と体の各部位を行き来する指令を伝える役割をもつを圧迫することにより首の痛みや手足のしびれが現れる
  • 骨粗鬆症(骨がもろくなる)
  • 腱鞘滑膜炎
    • 指の腱が断裂して動かせなくなることがある
  • 発熱(微熱のことが多い)
  • リウマトイド結節
    • 皮膚に大きさ数cmほどの硬い塊ができる
    • 痛みはない
    • 肘・後頭部・手などにできやすい
  • 目の炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出る強膜炎上強膜炎
    • 強膜とは白目の部分にある白い膜のこと
    • 痛み、充血など
  • 貧血
  • 関節リウマチはシェーグレン症候群(Sjögren症候群)と一緒に起こることがある
  • 関節リウマチは間質性肺炎と一緒に起こることがある
    • 症状は出ないことが多い
  • 関節リウマチはアミロイドーシスの原因になることがある
    • アミロイドーシスによるむくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じる消化管口から肛門までの食物の通り道で、消化、吸収を行う管の総称。胃や腸などを含むアミロイドーシスによる下痢などを起こす

関節リウマチの検査・診断

  • 診察:関節の腫れや痛みがあるかなどを調べる
  • 血液検査:炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起こっていないか、関節リウマチで出やすい特殊な物質がないかを調べる
    • 関節の炎症:CRP血液検査の項目の一つで、体内の炎症の程度を表す指標の一つ。感染症、腫瘍、外傷など、様々な原因で数値が上昇する血沈赤血球沈降速度の略。体内の炎症の程度を測定するための検査で、採血した血液を用いて測定する赤沈赤血球沈降速度の略。体内の炎症の程度を測定するための検査で、採血した血液を用いて測定するESR赤血球沈降速度の略。体内の炎症の程度を測定するための検査で、採血した血液を用いて測定する
    • 関節リウマチで出やすい物質:リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体白血球が作り出す、免疫の一部を担う物質。体内の病原体に付着して、他の免疫細胞の働きを助けたりする、MMP-3
  • 画像検査:骨の変化があるか、関節の滑膜という部分に炎症があるかなどを調べる
    • レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査X線X線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査写真)検査
    • 関節超音波検査空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができる
    • CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査

関節リウマチの治療法

  • 治療の目標は、腫れている関節をゼロにして、関節が破壊されるのを防ぐこと
    • 効果のある治療薬が多く開発され、関節の腫れや痛みのない状態(寛解)を持続できるようになり、関節が壊れることを防げるようになってきた
    • 一部の患者ではあるが、治療薬の減量、中止をしても寛解を維持できる方がいることが分かってきている
  • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患を抑える飲み薬(DMARDs)
    • サラゾスルファピリジン(商品名アザルフィジンなど)
    • ペニシラミン(商品名メタルカプターゼ)
    • ブシラミン(商品名リマチルなど)
    • イグラチモド(商品名ケアラム、コルベット)
    • メトトレキサート(商品名リウマトレックスなど)
      ・副作用予防のため葉酸を一緒に飲むことがある
    • タクロリムス(商品名プログラフなど)
    • ミゾリビン(商品名ブレディニンなど)
    • レフルノミド(商品名アラバ)
  • 生物学的製剤(注射や点滴)
    • TNFα阻害薬
      ・インフリキシマブ(商品名レミケードなど)
      ・アダリムマブ(商品名ヒュミラ)
      ・エタネルセプト(商品名エンブレル)
      ・ゴリムマブ(商品名シンポニー)
      ・セルトリズマブぺゴル(商品名シムジア)
    • JAK阻害薬
      ・トファシチニブ(商品名ゼルヤンツ)
      ・バリシチニブ(商品名オルミエント)
    • IL-6阻害薬
      ・トシリズマブ(商品名アクテムラ)
      ・サリルマブ(商品名ケブザラ)
    • T細胞阻害薬
      ・アバタセプト(商品名オレンシア)
  • 状況に応じてステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているNSAIDs炎症を抑える薬剤の総称(ただしステロイドを除く)で、鎮痛薬や解熱薬として頻用される。nonsteroidal anti-inflammatory drugsの略(一般的な痛み止め)の内服薬飲み薬のことを用いることもある
  • 薬の副作用や費用、投与方法(経口、自己注射、点滴注射)などを踏まえて、治療を選ぶことが重要
  • 妊娠の希望がある場合には薬の選択が限られるので、主治医としっかり相談する必要がある
  • 骨が壊れてしまった関節に関しては、手術を行う場合がある
    • 足の指の中足骨頭切除術
    • 手首などの関節固定術
    • 股関節・膝関節などの人工関節全置換術
    • 脊髄脳から脊椎の中へ向かって通っている太い神経。脳と体の各部位を行き来する指令を伝える役割をもつ除圧術
  • リハビリテーションで日常生活動作(ADL)を維持する
    • 動かせる範囲を広げる(関節可動域訓練)
    • 筋力訓練
    • 歩行訓練
    • 作業療法
  • 炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出る期のリハビリテーションの具体策:痛みを抑え、関節の変形の予防を目的とする
    • 関節を固定するための装具をつける
    • 関節をやさしく動かす:痛みが残らない程度に行う
    • 筋力を落とさない:関節を動かさずに筋肉に力を入れる(等尺性収縮運動とよばれる)
  • 非炎症期のリハビリテーションの具体策:痛みの少ないときに、関節の動きをよくし、筋力の回復を目的とする
    • 関節を動かす:入浴後や関節を温めて行うと効果的
    • 体操を行う:全身の運動(リウマチ体操など)を行う
    • プールで運動する:水の中では関節に負担を少なく運動ができる
  • 日常生活上手に過ごすための工夫点
    • 自助具、装具の利用:ものをつかむリーチャー、レバーハンドル式の水道水栓、にぎりやすいスプーン、ボタンが楽にかけられるボタンエイド、オーダーメイドの靴など
    • 杖の利用:脚への負担を減らす
    • 同じ関節を長時間使わない、小さな関節より大きい関節を使う:バッグは指先で持たず、肩にかけて持つなど
  • しっかり病気を理解し、無理な動きはしないなど、日々の生活に気を付ける

関節リウマチに関連する治療薬

JAK阻害剤(抗リウマチ薬)

  • JAKという酵素を阻害し免疫反応に関わるサイトカインの働きを抑えて関節リウマチの症状を和らげる薬
    • 関節リウマチでは免疫の異常によって炎症がおこり関節の腫れや痛みなどがあらわれる
    • 体内で免疫異常による炎症反応には炎症性サイトカインという物質などが関わる
    • 本剤は炎症性サイトカインの伝達に必要なJAKという酵素を阻害する作用をもつ
  • 通常、他の抗リウマチ薬などで効果不十分な関節リウマチの治療に使用される
JAK阻害剤(抗リウマチ薬)についてもっと詳しく

免疫調節薬(DMARDs)

  • 異常な免疫反応を調整し炎症を引き起こす物質などの産生を抑えることで関節リウマチの症状を和らげる薬
    • 関節リウマチでは免疫の異常によって炎症がおこり関節の腫れや痛みなどがあらわれる
    • 免疫グロブリンやサイトカインという物質が異常産生されると免疫異常の亢進や炎症がおこる要因となる
    • 本剤は異常な免疫反応を調整し免疫グロブリンやサイトカインなどの産生を抑えて抗リウマチ作用をあらわす
  • 薬剤の効果に関して
    • 薬剤の投与開始から効果があらわれるまで、数週間〜数ヶ月かかる場合がある
    • 薬剤の効果に個人差が出たり長期投与で効果の減弱が生じる場合もある
免疫調節薬(DMARDs)についてもっと詳しく

非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)(内服薬・注射剤)

  • 体内で炎症などを引きおこすプロスタグランジンの生成を抑え、炎症や痛みなどを抑え、熱を下げる薬
    • 体内で炎症や痛み、熱などを引き起こす物質にプロスタグランジン(PG)がある
    • PGは体内でCOXという酵素などによって生成される
    • 本剤はCOXを阻害することでPGの生成を抑え、痛みや炎症、熱などを抑える作用をあらわす
  • 薬剤によっては喘息患者へ使用できない場合がある
    • COX阻害作用により体内の気管支収縮を引きおこす物質が多くなる場合がある
    • 気管支収縮がおきやすくなることよって喘息発作がおこる可能性がある
非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)(内服薬・注射剤)についてもっと詳しく

関節リウマチの経過と病院探しのポイント

関節リウマチかなと感じている方

関節リウマチでは、指や手首、股関節の腫れや痛みが特徴的です。身体のさまざまな関節が痛くなったり、朝起きた時に症状が強かったりします。

ご自身が関節リウマチでないかと心配になった時、もしかかりつけの内科や整形外科があれば、一度そちらの受診をお勧めします。膠原病複数の臓器に炎症がみられる病気の総称。有名なものとしては関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどがあるや整形外科の病気ではなくても関節の痛みが出ることがあるためです。そこで関節リウマチの可能性があると判断されたら、リウマチ科、膠原病科、整形外科の病院やクリニックへ紹介を受けるという流れが一般的です。関節リウマチを診断する上で普段の様子やその他の病気の有無、検査結果はとても参考になりますので、診療情報提供書前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。俗に「紹介状」と呼ばれているものを指す紹介状前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。正式名称は「診療情報提供書」)をもらった上で受診されてください。

関節リウマチの診断は問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すことと診察、血液検査、そしてレントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査エコー空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができるで行われます。これらを行っても診断が紛らわしい場合には、関節のMRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査もしばしば行われます。また特殊な医療機関としては、リウマチセンターを開設している病院もあります。これらの医療機関では、リウマチを専門とする医師やその他スタッフが多く、重症度が高かったり、他の病気と似ていて診断の確定が難しいような方に適しています。

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関節リウマチでお困りの方

関節リウマチと診断された場合、内服薬飲み薬のことと注射薬による治療が主体となります。多くの方にとって、治療のために入院が必要となる病気ではありませんが、逆に簡単に完治が望める病気でもありません(症状が取れたり、薬の内服が必要なくなったりすることはあります)ので、継続的に通院を続ける必要があります。

関節リウマチで入院が必要となるのは、関節リウマチが重症化して関節の手術が必要になったような場合や、関節リウマチに関連した他の病気(間質性肺炎など)が悪化した場合です。そのようなことを事前に予防できるよう、通院しながら内服薬を調整し、症状と病気の勢いをコントロールしていくこととなります。

リウマチ専門医は二種類の医師に分かれます。内科系の医師と整形外科系の医師です。それぞれがリウマチの専門家ではあるのですが、関節の変形が進行して手術が必要になるタイミングの判断や、実際に手術を行うのは整形外科です。それに対して、リウマチに伴うその他の病気(間質性肺炎)の治療を行ったり、細かなリウマチ薬の使い分けをしたりするのは内科医の方が得意としている医師の割合が多いです。ある程度以上の進行度になった時には、一つの総合病院内科、外科、小児科、産婦人科など主要な科が揃っている病院のこと。現在、明確な定義はないで、内科と整形外科両方のかかりつけ医師の診療を定期的に受けることもあります。

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