かんしつせいはいえん

間質性肺炎

肺の中の空気の通り道ではなく、肺胞や気管支の壁などに炎症が起きた状態

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17人の医師がチェック 208回の改訂 最終更新: 2017.06.15

間質性肺炎の基礎知識

間質性肺炎について

  • 肺の間質と呼ばれる部分(空気が通る気管支呼吸をする際の空気の通り道の一つ。口から吸い込んだ空気は、気管と気管支を通り、肺へ至る肺胞肺全体を構成している小さな袋状の構造。吸い込んだ空気は肺胞に入り、血液中の二酸化炭素と肺胞の中の酸素が交換されるではなく、その周りの壁や肺胞同士の間を埋めて、固定している組織)が炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを起こした状態
    • 炎症が起こると肺胞の壁が壊れてしまい、硬くなったり厚くなったりする
    • その結果、十分な空気を吸えず、また吸った空気から酸素を体に十分に取り込めなくなってしまう状態になる
    • 進行すると、酸素が吸いにくくなるだけでなく身体から二酸化炭素も出せない状態になる
  • 間質性肺炎には、原因の明らかなものと明らかでないものがある
    • 原因の明らかでないものを特発間質性肺炎(IIPs)と言い、肺の組織の顕微鏡検査やCTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査の結果を見ながら治療の方針を決めることになる
      特発性その病気や状態が引き起こされた原因が、未だ判明していないこと肺線維症(IPF)
      ・非特異性間質性肺炎(NSIP)
      ・特発性器質化肺炎(COP)
      ・呼吸細気管支炎―間質性肺疾患(RB-ILB)
      ・剥離性間質性肺炎(DIP手の指にある2つの関節のうち、遠い方の関節。第1関節
      リンパ球血液中にある白血球の一種で、免疫の役割を担っている。B細胞、T細胞、NK細胞に分かれ、それぞれ働き方が異なる性間質性肺炎(LIP)
      ・急性間質性肺炎(AIP)
    • 以下が間質性肺炎の原因になりやすい
      ・薬剤(薬剤性薬が原因となって病気が引き起こされたり症状が現れたりすること肺炎
      ・放射線(放射線肺臓炎放射線性肺炎
      膠原病複数の臓器に炎症がみられる病気の総称。有名なものとしては関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどがある(膠原病肺)
  • 間質性肺炎は、何らかのきっかけで炎症が一気に悪化することがある(急性増悪元々病状が悪い状態から、さらに急に症状が悪化することと言う)
    • 感染
    • 薬剤
    • 放射線療法主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法
    • ARDS
  • 間質性肺炎は、一般的な肺炎よりも治療が難しく、一生病気と付き合っていくことになることが多い
    • 特に特発性肺線維症 (IPF) と呼ばれるタイプは非常に進行が早く、一部のがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるよりも経過が悪くなくなることも多い
  • 原因は特定できないことが多いが、薬や放射線の副作用、自己免疫疾患本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう病気の総称(膠原病)で間質性肺炎を発症症状や病気が発生する、または発生し始めることする場合もある
  • 特発性間質性肺炎は難病指定疾患であるので、病状が進行すると治療補助を申請することができる

間質性肺炎の症状

  • 主な症状
    • 呼吸困難や息切れ
      ・病気になった最初は特に症状がないことが多いが、段々と息切れを自覚するようになる
      ・最初は動いた時に息切れを自覚することから始まり、病気が進行するとともに動かなくても息苦しくなる
    • 咳(痰の少ない咳)
    • ばち指爪の根本の凹んでいる部分が膨れ上がった状態。チアノーゼや肺の病気などが慢性的にあると生じる(指先がふくらんで、爪のつけ根が盛り上がった状態)

間質性肺炎の検査・診断

  • 血液検査:完成つ性肺炎の原因や炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るの程度などを調べる
    • 肺の間質へのダメージを調べる:KL-6、SP-D、SP-A、LDH、CRP血液検査の項目の一つで、体内の炎症の程度を表す指標の一つ。感染症、腫瘍、外傷など、様々な原因で数値が上昇するなど
  • 画像検査:肺の炎症の有無や肺の壁の壊れ具合などを調べる
    • 胸部レントゲン X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われるX線X線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査写真)検査
    • 胸部CT検査X線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多い:肺の影の形や濃度や位置で原因と治療法を推定する
  • 呼吸機能検査空気を吸う力と吐く力を測定する検査。スパイロメトリーと呼ばれる機械を使用する:肺の働きなどを調べ、どれくらい病気が進行しているのかを判断する
  • 気管支鏡口もしくは鼻から、細い内視鏡(ファイバースコープ)を肺の気管支まで入れて、気管や気管支の内側の状態を調べる検査気管支内視鏡口もしくは鼻から、細い内視鏡(ファイバースコープ)を肺の気管支まで入れて、気管や気管支の内側の状態を調べる検査検査):肺の組織を採ってきて、顕微鏡で肺の炎症の強さや線維化臓器が機能を失ってしまうこと。それに伴って臓器は弾力を失い、本来の細胞が線維細胞と呼ばれる機能をもたない細胞に置き換わってしまうの程度などを調べる
    • 胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる上部消化管内視鏡検査口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる)のように気管支鏡というカメラ自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途があるを口から入れて行う
    • 胃カメラはカメラの先端が胃に向かうが、気管支鏡ではカメラの先端は肺に向かう
    • カメラの先から鉗子と呼ばれる肺の組織を噛み取ってくる機材を出して、肺の組織を取ってくる
      ・肺の組織を噛み取ってくるため、一定確率で肺が破綻して気胸や肺出血が起こってしまう
      ・しかし、組織を見ることで原因や治療法が見えてくることもあるので、病状次第では気胸や肺出血のリスクが負ってでも行うべき検査である
  • ビデオアシスト下胸部手術(VATS):胸腔鏡胸に小さな穴を開けて、そこから挿入したカメラで肺や胸膜の状態を調べる検査を使った手術をして肺の一部を切除して間質性肺炎のタイプなどを調べる
    • 手術をして肺の一部を切り取るほどしなければ診断がつかないくらい、原因がなかなか判明しない場合がある

間質性肺炎の治療法

  • 間質性肺炎の原因がある場合にはそれを避けること
    • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患の異常が原因の場合には免疫を抑える薬を使用する
      ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている
      ・免疫抑制薬
      特発性その病気や状態が引き起こされた原因が、未だ判明していないこと肺線維症というタイプには、肺が硬く(線維化臓器が機能を失ってしまうこと。それに伴って臓器は弾力を失い、本来の細胞が線維細胞と呼ばれる機能をもたない細胞に置き換わってしまう)なっていってしまうのを遅らせる薬(ピルフェニドンやニンテダニブ)を使用する
    • 酸素が足りなく苦しい時は酸素吸入を行う
    • 酸素吸入では足りないくらい酸素と二酸化炭素の交換ができない場合は、人工呼吸器を使うことがある
    • 呼吸のトレーニングや下半身の筋力強化(呼吸リハビリテーション)を行う
  • 喫煙は肺の病気を進行させるので、禁煙は非常に重要
  • 薬の副作用で起こっている場合もあるので、間質性肺炎が起こった時に使っていた薬をよく調べ、原因となりそうな薬を変更したりやめたりすることも必要な場合がある
  • かぜ急性上気道炎)や肺炎がおこると重症になってしまうことが多いので、風邪を引かないように予防することが非常に重要
    • 手洗い・うがいを徹底する
    • 肺炎球菌細菌の一種。肺炎、髄膜炎、中耳炎など、様々な感染症の原因となり、唾液などを通じて飛沫感染をするワクチンやインフルエンザウイルスのどや気管、気管支、肺などに感染し、発熱や咳、鼻水などの症状を起こすウイルスワクチンの接種も非常に重要

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