かびんせいはいえん
過敏性肺炎
カビや化学物質などを繰り返し吸い込むことに対するアレルギー反応が関与した肺炎。
6人の医師がチェック 128回の改訂 最終更新: 2017.12.06

過敏性肺炎の基礎知識

POINT 過敏性肺炎とは

過敏性肺炎はカビや化学物質などを繰り返し吸い込むことに対するアレルギー反応が関与した肺炎です。原因物質(抗原)にさらされ続けると改善することはなく、むしろ状況が悪化します。 抗原を吸入してから数時間で発症する急性型と、数ヶ月から数年間かけて進行していく慢性型などがあります。主な症状は咳・痰・呼吸困難・発熱・身体のだるさなどです。 生活環境や症状、採血検査、画像検査から過敏性肺炎を疑い、気管支内視鏡を用いて肺胞洗浄液を採取したり肺生検を行ったりして診断します。手術をして肺の一部を採ってくるという外科的肺生検を行うこともあります。治療は抗原曝露を回避することが最優先になります。抗原回避しても改善がない場合は、ステロイド薬を用いて治療します。治療しても息苦しさが残ってしまうこともあり、低酸素状態になってしまう場合には場合は酸素投与を行います。過敏性肺炎が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科を受診して下さい。

過敏性肺炎について

  • 真菌(かび)や化学物質などを繰り返し吸い込むことで生じる肺炎
    • 通常は病気を引き起こすことのないカビや化学物質を繰り返し吸い込んでいるうちに、肺がアレルギーを起こすようになって発症する
  • 病気の原因となる物質は300種類以上ある
  • 代表的な過敏性肺炎のタイプ
    • 夏型過敏性肺炎
      ・家の中にいるトリコスポロン(真菌の一種)が主な原因
      ・夏に起こり、過敏性肺炎の約75%を占める
    • 農夫肺
      ・干し草のほこりに含まれる真菌が原因
    • 換気装置肺炎(空調肺、加湿器肺)
      ・エアコンや加湿器に生じたかびが原因
    • 鳥関連過敏性肺炎(鳥飼病)
      ・ハトやインコなどの鳥の糞に含まれる物質が原因
    • 職業性過敏性肺炎
      ・キノコの胞子やポリウレタンなどに含まれる化学物質が原因

過敏性肺炎の症状

  • 主な症状
    • 呼吸が苦しい
  • 症状が強い場合は、発熱や体のだるさなどのかぜのような症状が起こる

過敏性肺炎の検査・診断

  • 胸部レントゲンX線写真)検査、胸部CT検査
    • 肺炎の強さと肺の中での広がりを調べる
    • 特徴的な陰影を見ることで診断に近づく
  • 血液検査
    • 原因物質に対するアレルギー反応(抗体価)が起きているか調べる
    • 全身炎症の強さを確認する
  • 気管支肺胞洗浄液検査(BAL)
    • 血球の数や内訳の変化を調べる
    • 好中球・好酸球・リンパ球の比率が参考になる
    • リンパ球の中でもCD4陽性リンパ球とCD8陽性リンパ球の比率を見ることで原因を推定する
  • 呼吸機能検査
    • 肺にどういった障害が起きているかを調べる
  • 外科的肺生検
    • 肺の表面の一部を切り取って顕微鏡で観察する
    • 肺に炎症が起きている原因を調べる
    • ここまで検査を行っても、他の種類の間質性肺炎と見分けが難しいことがある

過敏性肺炎の治療法

  • 原因となる物質のある環境から離れる(入院や転居)
    • 数日以内に症状が治まる
    • 元の環境に戻るとまた悪化するので環境を変える必要がある
  • 症状が治まりにくい場合の治療
    • ステロイド薬炎症を抑える
      ・場合によってはステロイド薬を大量に用いる治療法(ステロイドパルス療法)を行う
    • 免疫抑制薬を使うこともある
      ・ステロイド薬の使用量を減らすことが期待できる
  • 慢性化して肺の機能低下が進んでしまう場合もあり、在宅酸素療法が必要となることもある

過敏性肺炎が含まれる病気

過敏性肺炎のタグ

過敏性肺炎に関わるからだの部位

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