さいきかんしえん
細気管支炎
主にウイルスが原因となって生じる、細気管支という気管支の末端部分の炎症。特に乳幼児で多い
8人の医師がチェック 117回の改訂 最終更新: 2017.11.30

細気管支炎の基礎知識

POINT 細気管支炎とは

空気の通り道の中でも細気管支と呼ばれる部位で起こる感染のことです。ウイルス感染が原因となることが多く、ほとんどが2歳以下の子どもで問題になります。主な症状は、鼻水・くしゃみ・咳・呼吸困難・頻脈・一生懸命努力して行う呼吸などになります。 レントゲン検査を行ったり、RSウイルスの迅速検査を行ったりして診断します。特効薬はありませんが、酸素吸入したり痰を出しやすくする薬を使ったりして治療します。ウイルス感染に抗菌薬は無効です。細気管支炎が心配な人や治療したい人は、小児科・呼吸器内科・感染症内科を受診して下さい。

細気管支炎について

  • 乳幼児でよくみられる細気管支(空気の通り道の末端部分)の炎症
  • 2歳までにほとんどの小児が感染する
    • 特に生後1-3ヶ月では症状が重くなることがあるため注意が必要
  • ウイルス感染が原因となる
    • 分泌物やむくみなどにより細気管支が部分的に狭くなり、呼吸困難を引き起こすことがある
  • 50%以上はRSウイルスが原因
    • その他ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルスアデノウイルスマイコプラズマの感染も原因となる
  • 生後数週-数ヶ月の新生児や乳児、免疫不全や基礎疾患がある場合には重症化しやすい
  • 特殊な細気管支炎として以下のような病気もある(本ページでは感染に伴うものを主に解説)

細気管支炎の症状

  • かぜをひいている人と接触してから1週間以内に症状がでる
    • 鼻みずやくしゃみ 
    • つらそうな呼吸
      • 多呼吸
      • 努力呼吸
    • 頻脈
    • 激しい咳
    • 呼吸困難
  • まれに発熱を伴う
  • 乳幼児が発症した場合、最初の48〜72時間で急速な呼吸困難を引き起こすことがある
    • 呼吸困難が続くと、口周りの皮膚にチアノーゼが現れることもある
  • 気管支喘息と症状は似ているが、発症時の月齢や流行状況、かぜ症状の有無によって判断する
    • 実際には成長とともに経過を追う必要があり、初めての発症では正確な診断は難しいこともある

細気管支炎の検査・診断

  • RSウイルスの迅速検査(子どもの場合)
  • 胸部X線レントゲン)検査:肺炎の可能性が高い場合に考慮する

細気管支炎の治療法

  • 特別な治療はなく、対症療法(症状を和らげる治療)が中心
  • 高張食塩水の吸入は効果があると言われている
  • それ以外の治療の効果については諸説あるが、症状にあわせて使い分ける
    • ステロイドアドレナリン吸入
      • アドレナリンには、脈が早くなったり、頭痛や吐き気を覚えたりする副作用があるので注意
    • 痰をきる飲み薬(去痰薬)
    • 鼻吸引
    • 抗菌薬は基本的に必要ない 
  • 予後は良好で、多くの場合3-5日で後遺症なく回復する

細気管支炎が含まれる病気

細気管支炎のタグ

細気管支炎に関わるからだの部位