赤ちゃんの呼吸が苦しくなる「細気管支炎」を食塩水で治療?

RSウイルスの感染などが原因で起こる細気管支炎は、乳幼児に多く、呼吸がしにくくなるなどの症状があります。RSウイルスを排除する薬はなく、対症療法が行われますが、その中で濃い食塩水を吸入する方法が知られています。
◆高張食塩水噴霧の効果を検討
この研究は、過去の研究から、急性細気管支炎が起こった乳児を対象に、濃い食塩水を霧状にして吸入する治療(高張食塩水噴霧)の効果を調べたものを集め、内容を吟味しました。
◆入院を防ぎ、退院を早くする
見つかった24件の研究報告から、次の結果が得られました。
高張食塩水噴霧で治療された入院患者は、0.9%食塩水または標準治療を受けた入院患者よりも、入院期間が
有意 に短かった(15件の研究、対象患者1,956人、平均差-0.45日、95%信頼区間-0.82から-0.08)。外来患者に対しては、高張食塩水噴霧によって、0.9%食塩水に比べて入院のリスクが20%減少した(7件の試験、患者951人、リスク比0.80、95%信頼区間0.67-0.96)。高張食塩水吸入に関連する有意な有害事象は報告されなかった。
入院した子どものうち、高張食塩水噴霧の治療を受けた子どもは、入院期間が平均0.45日短くなると見られました。外来で治療された子どもでは、高張食塩水噴霧の治療を受けたとき、入院するリスクが20%少なくなると見られました。明らかな副作用は見られませんでした。
細気管支炎は後遺症なく回復する場合がほとんどと言われていますが、悪化を防ぎ回復を促す治療法は限られています。こうした選択肢も検討されることで、役に立つ場面があるかもしれません。
執筆者
Nebulized Hypertonic Saline for Acute Bronchiolitis: A Systematic Review.
Pediatrics. 2015 Oct
[PMID: 26416925]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。