しんふぜん
心不全
心臓が弱ってしまい、血液をしっかり送り出せない状態。さまざまな心臓の病気が原因となり起こる
18人の医師がチェック 96回の改訂 最終更新: 2018.02.12

心不全の基礎知識

POINT 心不全とは

心不全とは心臓の機能が低下している状態を指します。急に心機能が低下した場合(急性心不全)と普段から持続的に心機能が低下している場合(慢性心不全)の2つに大別できます。心不全になる原因は心筋梗塞・不整脈・弁膜症など多くのものがあります。主な症状は息切れ・身体のだるさ・食欲低下・呼吸困難感・むくみなどになります。 症状と身体所見に加えて、画像検査・血液検査・心電図検査・心臓エコー検査を用いて診断します。心不全の原因によって治療方法は異なります。心臓カテーテルを用いた治療を行ったり薬物治療を行ったりします。心不全が心配な人や治療したい人は、循環器内科を受診して下さい。

心不全について

  • 心臓の機能や血管に異常が起こり、十分な血液を送り出せない状態
  • さまざまな心臓の病気が原因で心臓が弱ってしまった結果起こる
  • 2つのタイプに分けられる(詳細はそれぞれの疾患を参照)
    • 急性心不全:何らかの原因で急激に心臓の機能が低下した状態
    • 慢性心不全:普段から心臓の機能が低下している状態
  • 十分な血液を送り出せないと、送り出される前の血液が溜まり「うっ血」を起こす
    • 高速道路の料金所が順調に車を通過させないと、料金所の前に渋滞ができるのと同じ
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心不全の症状

  • 心不全の主な症状
    • 息切れ、疲れやすさ
    • 全身のだるさ、食欲低下
    • 呼吸困難
    • 足やすねのむくみ
症状の詳細

心不全の検査・診断

  • 診察:症状の程度と様子から、診断する
  • 心電図:心臓を動かす電気信号に異常がないかなどを調べる
  • 血液検査:心臓の負担の程度(BNPという値)などを調べる
  • 画像検査:心臓の大きさや動きに異常がないかなどを調べる
    • 胸部レントゲン検査
    • 心臓超音波検査
  • 冠動脈造影検査:心カテーテルを使って、心臓の機能を詳しく調べる
検査・診断の詳細

心不全の治療法

  • 治療の原則は「まず症状を改善し、その上で心臓にかかる負担を減らす」こと
  • 心臓にかかる負担の減らし方は
    • 心臓がこなさなければならない仕事量を減らす
      ・安静にする
    • 全身の血管を緩めて、心臓が弱っていても血液が流れやすい状態にする(血管拡張薬)
      ・降圧薬(カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬)が使われることがある
    • 心臓に流れ込む血液の量を減らし、うっ血を防ぐ(利尿薬)
       など
  • 心臓の動き自体を頑張らせるような薬もあるが、心不全の治療に慣れた医師の元で行うとより安全である
  • 詳細な治療は、急性心不全慢性心不全で異なる
治療法の詳細

心不全に関連する治療薬

ループ利尿薬

  • 尿による水分排泄を増やし体の過剰な水分や塩分を排泄し、むくみなどを改善する薬
    • 腎臓の尿細管という管のヘンレループという水分吸収に関わるところで血管へ水分が吸収される
    • 本剤はヘンレループでの水分移動を阻害し体内の水の量を減らし、尿として水分を体外へ排泄する
    • 体の水の量が減るとむくみが減り、血圧が下がる
  • 薬剤によっては高血圧症などへ使用する場合もある
ループ利尿薬についてもっと詳しく

カリウム保持性利尿薬

  • 尿として体内の過剰な水分などを排出し、むくみや血圧などを改善する薬
    • 腎臓における尿細管という場所では尿から血管へ水分などの吸収(再吸収)が行われる
    • 本剤は尿から血管への水分吸収などを阻害し、尿量を増やして体内のむくみを減らし血圧などを改善する作用をあらわす
    • 本剤は体内からカリウムイオンが排泄されるのを抑える作用もあらわす
  • 他の種類の利尿薬(ループ利尿薬 など)との併用される場合もある
    • 他の利尿薬によるカリウム排泄を抑えることで、体のつりやこむら返りなどを抑える効果も期待できる
  • 心性浮腫、腎性浮腫の他、薬剤によっては栄養失調性の浮腫などにも使用する
カリウム保持性利尿薬についてもっと詳しく

ジギタリス製剤

  • 心筋の収縮力を強くし、速くなりすぎた脈を整え、心不全などの治療に使用される薬
    • 心不全では心臓や血管の異常により、全身に十分な血液を送り出せていない
    • 心筋は細胞内のカルシウムイオンの濃度が高まると収縮力が増大する
    • 本剤は心筋細胞内のカルシウムイオン濃度を高め、心臓の拍動を強め、強心作用をあらわす
  • 治療有効域が狭い薬とされる
    • 薬が治療に役立つ薬物濃度の有効域が狭く、中毒域と有効域が接近している薬
    • 薬が適切に効いているかなどを血液中の薬の濃度を測定して観察していく必要がある
    • 体の状態の変化や併用薬などによっても副作用がおこる場合がある
ジギタリス製剤についてもっと詳しく

心不全の経過と病院探しのポイント

心不全が心配な方

心不全は、病名というよりも状態を表す言葉です。心臓の働きは全身へ血液を送り出すことで、この役目が十分にこなせていない状態を心不全と呼びます。心臓そのものに異常があって心臓の収縮力が低下してしまうのも原因の一つですし、心臓の隣りにある肺(の血管)が原因だったり、肺に限らず全身の血管の動脈硬化や血管内の水分が多すぎることが原因となったりします。

このようなことが原因となって心不全に至ると、全身のむくみや息切れが生じます。数時間から数日の経過で急に心不全に至った場合には急性心不全と呼び、元々心臓の機能が低下した状態が続いていることを慢性心不全と呼びます。

息切れやむくみが生じている場合には、心不全の可能性があります。どちらか一方だけであれば心不全以外の原因のことも多いのですが、息切れとむくみが両方揃うと心不全の可能性は高まってきます。そのような症状があって心配になった時には、もしかかりつけの内科クリニックがあれば、まずはそこで相談してみることをお勧めします。特に普段かかっている病院がなければ、一般内科、もしくは循環器科クリニックの受診も良いでしょう。

急性心不全慢性心不全では対応が変わってきますので、治療法や対応についてはそれぞれのページもご参考になさってください。

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