かくちょうがたしんきんしょう
拡張型心筋症
心臓の筋肉が薄く伸びてしまい、血液を十分な力で全身に送り出せなくなってしまった状態
12人の医師がチェック 151回の改訂 最終更新: 2017.12.06

拡張型心筋症の基礎知識

POINT 拡張型心筋症とは

拡張型心筋症は心臓の筋肉(心筋)が薄く伸びてしまうことで、血液を十分な力で全身に送り出せなくなってしまう病気です。原因にはウイルス感染や免疫の異常などが考えられていますが、原因不明であることも多いです。病気の初期に症状が出ることは少ないですが、進行すると息切れ・疲れやすさ・食欲低下・むくみなどの症状が出てきます。 症状や身体診察に加えて、心電図検査・心臓エコー検査を行って診断します。また必要に応じて心臓カテーテル検査やシンチグラフィを行う場合もあります。根治目的の手術を行える場合は手術を行いますが、手術が難しい場合は薬物治療を行います。拡張型心筋症が心配な人や治療したい人は、循環器内科や心臓血管外科を受診して下さい。

拡張型心筋症について

  • 心臓の筋肉が薄く伸びてしまい、血液を十分な力で全身に送り出せなくった状態(伸びきったゴムのような状態)
    • 徐々に心臓の機能が悪くなっていき、心不全や突然死を引き起こす
    • 筋肉が薄く伸びて拡がることから「拡張型」と言われる
  • 遺伝やウイルス感染、免疫の異常などと関連があることが分かっている
    • 特発性拡張型心筋症と呼ばれる原因不明の拡張型心筋症も多い
  • 10万人に14人程度の頻度で起こる
    • 男女比=2.6:1と男性に多い
  • 死因のほとんどが心不全不整脈と報告されている
    • 厚生労働省の調査では5年生存率は76%と報告している
  • 特発性拡張型心筋症は難病指定疾患に指定されている

拡張型心筋症の症状

  • 病気の初期には症状が出ない
    • 無症状のまま健診で指摘されたりする
  • 心不全が起これば心不全症状が出る
    • 息切れ、疲れやすさ
    • 全身のだるさ、食欲低下
    • 呼吸困難
    • 足やすねのむくみ
  • 心不全が重症になってくると、寝ているときに呼吸が苦しくなったり、突然死につながる危険な不整脈心室頻拍)が出るようになることがある

拡張型心筋症の検査・診断

  • 主な検査
    • 心電図検査:異常な心電図波形がないかなどを調べる
    • 血液検査:心筋に損傷が起こった時に出る物質などを調べる
    • 画像検査:心臓が拡張しているかどうかなどを調べる
      胸部レントゲン検査(X線写真)
      心臓超音波検査
  • 必要に応じて行う検査
    • 心臓カテーテル検査(冠動脈造影検査):心臓の動きや冠動脈のつまり(虚血性心疾患)の有無などを詳しく調べる
    • 胸部CT検査造影剤を使って、心臓の血管の状態などを調べる
    • 心筋シンチグラフィ:心筋に血液が辿り着いているかなどを調べる

拡張型心筋症の治療法

  • 主な治療
    • 治療は、根治を目標とした手術と心臓の負担を減らして病気の進行を遅らせるための治療に大きく分かれる
    • 手術
      ・左室部分切除術(バチスタ手術)
      ・心臓移植
       ・現時点ではごく一部の限られた医療機関でしか手術を行えない
    • 心臓の負担を減らすための治療は2つ
      ・日々の生活習慣から気をつけること
       ・激しい運動を避ける
       ・疲労をためない
       ・太りすぎない
       ・塩分・アルコールを控える
       ・たばこは吸わない
      ・薬による治療
  • 使われる主な薬剤
    • β遮断薬(降圧薬)
    • ACE阻害薬、ARB(降圧薬)
      ・心臓の筋肉の負担を保護する作用が期待できる(リモデリング予防)
    • 利尿薬
      ・利尿薬の中でもスピロノラクトンは心不全に対する成績が良いと言われれている
  • 症状が進行するとともに不整脈が出るようになったら、不整脈をコントロールをする薬を飲んだり、不整脈を起こりにくくするための手術をする
    • 不整脈を起こりにくくする手術:心臓再同期療法(CRT)、カテーテルアブレーション(焼灼術)
  • 心臓移植や機械の補助人工心臓も治療法の1つ
  • 想定される経過
    • 診断されてからの5年生存率は約76%と言われている

拡張型心筋症が含まれる病気

拡張型心筋症のタグ

拡張型心筋症に関わるからだの部位

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