かくちょうがたしんきんしょう

拡張型心筋症

心臓の筋肉が薄く伸びてしまい、血液を十分な力で全身に送り出せなくなってしまった状態

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12人の医師がチェック 151回の改訂 最終更新: 2017.07.21

拡張型心筋症の基礎知識

POINT拡張型心筋症とは

拡張型心筋症は心臓の筋肉(心筋)が薄く伸びてしまうことで、血液を十分な力で全身に送り出せなくなってしまう病気です。原因にはウイルス感染や免疫の異常などが考えられていますが、原因不明であることも多いです。病気の初期に症状が出ることは少ないですが、進行すると息切れ・疲れやすさ・食欲低下・むくみなどの症状が出てきます。 症状や身体診察に加えて、心電図検査・心臓エコー検査を行って診断します。また必要に応じて心臓カテーテル検査やシンチグラフィを行う場合もあります。根治目的の手術を行える場合は手術を行いますが、手術が難しい場合は薬物治療を行います。拡張型心筋症が心配な人や治療したい人は、循環器内科や心臓血管外科を受診して下さい。

拡張型心筋症について

  • 心臓の筋肉が薄く伸びてしまい、血液を十分な力で全身に送り出せなくった状態(伸びきったゴムのような状態)
    • 徐々に心臓の機能が悪くなっていき、心不全や突然死を引き起こす
    • 筋肉が薄く伸びて拡がることから「拡張型」と言われる
  • 遺伝やウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である感染、免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患の異常などと関連があることが分かっている
    • 特発性その病気や状態が引き起こされた原因が、未だ判明していないこと拡張型心筋症と呼ばれる原因不明の拡張型心筋症も多い
  • 10万人に14人程度の頻度で起こる
    • 男女比=2.6:1と男性に多い
  • 死因のほとんどが心不全不整脈と報告されている
    • 厚生労働省の調査では5年生存率診断、治療開始から5年経過後に生存している患者の割合。命に関わるがんなどの病気で用いられることが多い数値は76%と報告している
  • 特発性拡張型心筋症は難病指定疾患に指定されている

拡張型心筋症の症状

  • 病気の初期には症状が出ない
    • 無症状のまま健診で指摘されたりする
  • 心不全が起これば心不全症状が出る
    • 息切れ、疲れやすさ
    • 全身のだるさ、食欲低下
    • 呼吸困難
    • 足やすねのむくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じる
  • 心不全が重症になってくると、寝ているときに呼吸が苦しくなったり、突然死につながる危険な不整脈心室頻拍)が出るようになることがある

拡張型心筋症の検査・診断

  • 主な検査
    • 心電図検査心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査:異常な心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査波形がないかなどを調べる
    • 血液検査:心筋に損傷が起こった時に出る物質などを調べる
    • 画像検査:心臓が拡張しているかどうかなどを調べる
      胸部レントゲン X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われる検査(X線X線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査写真)
      心臓超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、心臓の状態を調べる検査
  • 必要に応じて行う検査
    • 心臓カテーテル細く長い管(カテーテル)を血管内に入れて、心臓の状態を詳しく調べる検査。心筋梗塞などの病気で行われることが多い検査(冠動脈造影検査心臓カテーテル検査の一環として、冠動脈の状態を確かめる検査):心臓の動きや冠動脈心臓の外側にある血管で、心臓自体に酸素を含んだ血液を送る血管のこと。ここが詰まると心筋梗塞を発症するのつまり(虚血性心疾患)の有無などを詳しく調べる
    • 胸部CT検査X線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多い造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること剤を使って、心臓の血管の状態などを調べる
    • 心筋シンチグラフィ放射線を出す物質を使って、心臓の筋肉である心筋が正常に働くことができているかを確認する検査:心筋に血液が辿り着いているかなどを調べる

拡張型心筋症の治療法

  • 主な治療
    • 治療は、根治を目標とした手術と心臓の負担を減らして病気の進行を遅らせるための治療に大きく分かれる
    • 手術
      ・左室部分切除術(バチスタ手術)
      ・心臓移植
       ・現時点ではごく一部の限られた医療機関でしか手術を行えない
    • 心臓の負担を減らすための治療は2つ
      ・日々の生活習慣から気をつけること
       ・激しい運動を避ける
       ・疲労をためない
       ・太りすぎない
       ・塩分・アルコールを控える
       ・たばこは吸わない
      ・薬による治療
  • 使われる主な薬剤
    • β遮断薬(降圧薬)
    • ACE阻害薬、ARB(降圧薬)
      ・心臓の筋肉の負担を保護する作用が期待できる(リモデリング予防)
    • 利尿薬
      ・利尿薬の中でもスピロノラクトンは心不全に対する成績が良いと言われれている
  • 症状が進行するとともに不整脈が出るようになったら、不整脈をコントロールをする薬を飲んだり、不整脈を起こりにくくするための手術をする
    • 不整脈を起こりにくくする手術:心臓再同期療法(CRT)、カテーテルアブレーションカテーテルを用いた不整脈の治療法で、心臓の筋肉の一部を電気で焼き切るもの(焼灼術)
  • 心臓移植や機械の補助人工心臓も治療法の1つ
  • 想定される経過
    • 診断されてからの5年生存率診断、治療開始から5年経過後に生存している患者の割合。命に関わるがんなどの病気で用いられることが多い数値は約76%と言われている

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