ぜんしんせいあみろいどーしす
全身性アミロイドーシス
アミロイドというタンパク質が全身の臓器に沈着し、それぞれの臓器の機能を低下させる病気
6人の医師がチェック 142回の改訂 最終更新: 2022.03.25

全身性アミロイドーシスの基礎知識

POINT 全身性アミロイドーシスとは

アミロイドと呼ばれるナイロンに似た異常なタンパク質が全身の臓器にたまってしまうことにより、臓器機能が障害される病気の総称です。一部の臓器だけがダメージを受ける限局性アミロイドーシスと、複数の臓器がダメージを受ける全身性アミロイドーシスがあります。全身性アミロイドーシスの中にも多くのタイプがあります。アミロイドが沈着した臓器によって症状は異なりますが、例えば不整脈や心不全、腎臓の機能障害、手足の痺れ、舌の腫れ、便秘や下痢などが見られます。診断方法はアミロイドーシスの種類によって異なりますが、アミロイドが沈着した臓器の一部分を採取して顕微鏡で確認することが基本となります。治療もアミロイドーシスの種類によって異なりますが、症状の緩和だけを行う場合や、抗がん剤を使う場合、骨髄移植を行う場合などがあります。全身性アミロイドーシスが心配な方や治療したい方は、かかりつけの医療機関や血液内科を受診してください。

全身性アミロイドーシスについて

全身性アミロイドーシスの症状

全身性アミロイドーシスの検査・診断

  • 組織診病変部を切り取って顕微鏡で観察し、アミロイドの沈着の有無を調べる
  • 血液検査:沈着した臓器に異常がないか調べる
  • その他、障害されている可能性のある臓器(心臓、腎臓など)について必要に応じて検査をする
    • 心臓超音波検査腹部超音波検査CT検査などの画像検査

全身性アミロイドーシスの治療法

  • 従来は対症療法(症状を和らげる治療法)が中心であったが、近年アミロイドーシスに対する治療法が出てきつつある
    • 原発性アミロイドーシス抗がん剤ステロイドを使ったり、全身状態によっては骨髄移植を併用した化学療法を行う
    • DCyBorD療法:ダラスツマブ、シクロフォスファミド、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンを併用した治療
    • 家族性アミロイドポリニューロパチー:肝移植や、トランスサイレチン型というタイプではタファミジスメグルミンという薬剤の使用
  • 障害された臓器の症状に対応した対症療法も重要
    • 心不全不整脈に対して薬物療法、ペースメーカーなどを行う
    • 腎不全に対して薬物療法、透析などを行う
      • ARB(降圧薬)
      • カルシウム拮抗薬(降圧薬)
      • 利尿薬   など
    • 血液透析を行っている場合、透析に使用する器具の精度が改善され、透析アミロイドーシスになるのを遅らせることができるようになってきている(透析については「慢性腎臓病」を参考)
  • 心臓や腎臓にアミロイドの沈着が起きた場合、予後は不良である

全身性アミロイドーシスが含まれる病気

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