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アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)
手足の神経(末梢神経)や自律神経にアミロイド(異常なタンパク質)が沈着する病気
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最終更新: 2022.02.25
アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)の基礎知識
POINT アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)とは
手足の神経や自律神経にアミロイドという異常なタンパク質が沈着する病気のことです。アミロイドニューロパチーにはいくつか種類があり、日本では家族性アミロイドニューロパチーが多いです。症状は足先のしびれや痛み、感覚障害などから、排尿や勃起の傷害など多様です。血液検査や病理検査(臓器の一部を切り取って調べる検査)が診断のために行われます。神経以外の影響として、肝臓の機能が低下することがあり、肝移植が必要になることがあります。根本的な治療はまだ確立されていないので、症状を和らげる治療が中心に行われます。アミロイドニューロパチーが疑われる人の診療は脳神経内科が中心になって行います。
アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)について
- 手足の神経(末梢神経)や
自律神経 にアミロイド(異常なタンパク質)が沈着する病気- 全身性アミロイドーシスの一種
- アミロイドニューロパチーは4種類に分類される
- その中でも日本では家族性アミロイドポリニューロパチーが多い
常染色体優性遺伝 で遺伝- 両親のどちらかが異常な遺伝子を持っている場合、子どもは50%の確率で
発症 する - 遺伝性の場合は20−40歳代で発症することが多い
- その中でも日本では家族性アミロイドポリニューロパチーが多い
- 末梢神経だけでなく、腎臓、心臓、肝臓などにも沈着し、障害を起こす
- 中枢神経(脳や
脊髄 )には沈着しないのが特徴
- 中枢神経(脳や
- 異型トランスサイレチン(TTR)という物質の存在がこの病気において問題となっている
アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)の症状
アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)の検査・診断
- 血液検査:血液成分に異常なタンパク質がないかや遺伝子に異常がないか調べる
- 胃や直腸、皮膚などの
生検 :アミロイドの沈着があるかを顕微鏡で検査 - 障害を受ける可能性のある臓器の検査
- 神経伝達速度:末梢神経の障害を調べる
心臓超音波検査 、心電図 :心臓の動きや不整脈を調べる
アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)の治療法
- 主には障害される臓器や
症状 に対する治療を行う - 必要に応じて肝臓の移植を行う
- この病気で問題となっている異型トランスサイレチン(TTR)という物質を肝臓で作らせないようにすることが狙い
- 根治療法となりうる
- 肝移植は
発症 早期に行うことが重要だが、移植を受けられる条件は厳しい
- 長期的な経過
- 症状は緩やかに進行する
- 肝臓移植を行わなければ、平均余命は約10年
- 2013年には、一部のFAPのみで、アミロイドの蓄積を抑制するタファミジスメグルミンの使用が認可された
アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)に関連する治療薬
ノルアドレナリン系作用薬
- 脳内の神経機能などを改善しパーキンソン病などにおける、すくみ足や立ちくらみ、ふらつきなどの症状を改善する薬
- パーキンソン病では脳内のドパミンが不足するが、ドパミンから変換されるノルアドレナリンも不足する傾向になる
- 本剤は脳内で不足しているノルアドレナリンを補うことで、すくみ足や立ちくらみなどの症状を改善する作用をあらわす
- パーキンソン病以外への使用
- 起立性低血圧などへ使用する場合もある
- 血液透析患者におけるめまいやふらつきなどの症状へ使用する場合もある
アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)のタグ
アミロイドニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)に関わるからだの部位
