Beta 関節リウマチのQ&A
関節リウマチの原因、メカニズムについて教えて下さい。
私たちの体を細菌やウイルスなどから守る働きをする免疫のシステムが、誤って自分自身の関節を攻撃してしまうために関節に炎症がおき、痛みや腫れが起こる病気です。遺伝的な要素、喫煙、歯周病などが病気の発症に関連していることが明らかになっています。
関節リウマチは、遺伝する病気ですか?
遺伝的な要素もありますが、必ず遺伝するわけではありません。逆に親や兄弟に関節リウマチの人がいなくても、関節リウマチを発症することもあります。
関節リウマチは、どんな症状で発症するのですか?
朝起きた後や昼寝をした後に、手指のこわばり(ぎゅっと握れない感じ)がある、足の指の付け根が腫れぼったくなる感じがあるなどの症状から発症することが多いです。 指の第2関節や指の付け根、手首、足の指の付け根などの関節が腫れたり痛くなったりすることが多いです。
関節リウマチの、その他の症状について教えて下さい。
手指、手首、足指、足首などの痛みや腫れが起こることが多いですが、肘や膝、肩にも痛みや腫れが起こります。関節以外の症状として、肺が固くなる間質性肺炎が起こることもありますが、自覚症状がでないこともあるため、胸部X線写真などで検査します。
関節リウマチは、指が変形したりしてしまいますか?
関節が腫れた状態が続いてしまうと、骨を壊す成分がつくられて、徐々に骨が壊されて変形してしまいます。一度骨が変形してしまうと、内服薬で治すことは難しく、外科手術などが必要になってきます。関節の変形を予防するには、しっかりと治療を行って関節の腫れが1つもない状態にすることが大事です。
関節リウマチは、どのように診断するのですか?
関節の触診、採血、手指のX線写真や関節エコーなどで総合的に診断します。採血項目では、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が診断に有用ですが、これらの項目が陽性でも関節リウマチでない人もいますし、逆に陰性でも関節リウマチと診断される人もいます。6週間以上にわたって関節の腫れが継続しているという症状があるかどうかが、診断において重要になります。
関節リウマチの治療法について教えて下さい。
関節リウマチの治療薬には大きく分けて内服薬(抗リウマチ薬)と注射・点滴薬(生物学的製剤)があります。患者さんの関節の腫れがどの程度か、他に病気があるかによってどの薬を使うかは変わってきますが、まずは内服薬のメトトレキサートでの治療を開始することが多いです。メトトレキサートは副作用や効果を見ながら少しずつ増量していきます。メトトレキサートだけでは腫れや痛みが良くならない場合は、他の抗リウマチ薬も一緒に内服したり、生物学的製剤の注射や点滴を併用したりします。
関節リウマチの治療にステロイドを処方されることはありますか。
関節の腫れや痛みがとても強い場合は、ステロイドの内服薬を使用します。ステロイドは炎症をとる効果が大きいので、比較的すぐに関節の腫れや痛みが良くなります。しかし長期間内服すると骨粗鬆症などの副作用があります。抗リウマチ薬や生物学的製剤をしっかり使って関節の腫れをコントロールし、ステロイドの内服量は徐々に減らしていく必要があります。
関節リウマチの薬は、免疫を抑えるお薬とのことですが、風邪をひきやすくなりますか。
関節リウマチは、免疫系が関節を攻撃してしまう病気なので、残念ながら治療薬は免疫を抑える薬ばかりです。しかし、薬でどの程度免疫が抑えられるかは、患者さんのもともとの体力や、薬の量などで大きく変わってくるので、必要以上に怖がることはありません。うがい手洗いや、人ごみではマスクをするなど通常の対策をして、気になる症状があるときは早めに病院を受診するようにしましょう。
関節リウマチに関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。
処方された薬は決められた量を飲むようにしましょう。早く良くなりたいからと多く内服しても、副作用を気にして内服しないのもいけません。不安な症状などがでてきたら早めに医師に相談しましょう。関節が痛くない範囲での運動(平地でのウォーキングなど)はしていただいて構いません。手首や手指を多く使う家事や仕事はなるべく避け、関節をひねらないように注意しましょう。一般的に健康的といわれているバランスの良い食事をしましょう。ストレスや疲れをためると腫れが悪くなるので、前向きに穏やかに生活しましょう。
関節リウマチの薬は、生涯飲み続けることになるのですか?
関節リウマチは高血圧などと同じく、一度発症すると生涯つきあっていく病気です。症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返しますが、しっかりと薬を使ってコントロールすれば、関節破壊を予防することが出来ます。