けっかく(はいけっかく)

結核(肺結核)

結核菌を吸い込むことによって発症する肺の感染症であり、せき、たん、血痰、喀血, 発熱、体重減少などを起こす病気

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13人の医師がチェック 114回の改訂 最終更新: 2017.10.11

結核(肺結核)の基礎知識

POINT結核(肺結核)とは

結核菌による感染が肺に起こった病気です。主な症状は微熱・咳・痰・倦怠感・食欲低下・体重減少・寝汗などですが、病状が進行すると息苦しさ・血痰・喀血・胸痛などが出てきます。 結核の診断は体内(痰や胃液やリンパ液、髄液など)で結核菌の存在を証明することです。しかし、結核であるのに結核菌がなかなか見つからないことも少なくありません。その場合の補助的な検査として、血液検査(IGRAs:T-SPOT、クオンティフェロン)を行います。治療には抗結核薬を複数用います。結核が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科や感染症内科を受診して下さい。

結核(肺結核)について

  • 結核菌結核の原因となる菌。通常の抗菌薬が効きづらく、結核に対する抗菌薬は抗結核薬と呼ばれることもあるという細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつの感染よって発症症状や病気が発生する、または発生し始めることする肺の感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称であり、せき、たん、血痰血液が混じった痰。肺の病気で起こる喀血肺や気管支からの出血が、口から出てくること。食道や胃、十二指腸からの出血である「吐血」とは区別されるを起こす病気
    • 特に発展途上国では依然として大きな問題となっている
    • 日本でも毎年約2万人が発症しており、先進国の中ではかなり多い
  • 結核菌の感染、免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患力の低下が原因で起こる
    • 肺結核空気感染空気中の病原体を吸い込んで生じる感染。飛沫核感染ともいう。空気感染する主な疾患には、麻疹、結核、水痘がある飛沫核感染空気中の病原体を吸い込んで生じる感染。飛沫核感染ともいう。空気感染する主な疾患には、麻疹、結核、水痘がある)する
    • 通常のマスクでは感染を防ぐことはできない
  • 感染しているということと発症(発病)することは別の状態である
    • 結核菌に感染していても症状が出ない場合も多い
    • 日本では結核の予防接種(BCG)が義務化されている影響もあって、結核菌を吸い込んでも5%から10%程度しか感染しないと考えられている
    • 結核菌に感染しても多くの場合は免疫力が結核菌を押さえ込むことで発病しない(結核菌が体内で冬眠したような状態になる)
  • 発症しない場合も体内に菌が潜んでいる可能性がある
    • 高齢になったり、免疫を抑える薬(ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている抗癌剤悪性腫瘍(がん)に効果を発揮する薬剤。ただし、がん以外の良性疾患に用いられることもあるなど)を使ったり、AIDSエイズ)になったりした場合は、体内に潜んでいた結核菌が身体で再び感染を起こすことがある
  • HIV身体の免疫にかかわる白血球に感染するウイルスで、エイズの原因となるもの感染によって免疫力の低下(細胞性免疫不全)が起こると結核菌感染を起こしやすくなる
    • 特に若い人で結核感染を見つけたらHIVの検査を行う必要がある

結核(肺結核)の症状

  • 起こりうる症状
    • 発熱
    • 倦怠感だるさのこと
    • 体重減少
    • ひどい寝汗
    • 食欲の低下
  • 進行すると起こりやすい症状
    • 息苦しさ
    • 血痰血液が混じった痰。肺の病気で起こる
    • 喀血肺や気管支からの出血が、口から出てくること。食道や胃、十二指腸からの出血である「吐血」とは区別される
    • 胸の痛み

結核(肺結核)の検査・診断

  • 細菌検査病気を引き起こしている細菌の、種類を特定するための検査:痰の菌の種類を調べる
    • 結核菌結核の原因となる菌。通常の抗菌薬が効きづらく、結核に対する抗菌薬は抗結核薬と呼ばれることもあるの感染が疑われた場合は、周囲への感染防止のための特別な部屋(陰圧管理できる部屋)に入院する必要がある
    • 痰を顕微鏡で調べて、痰の中に結核菌がいないと証明された場合には特別な部屋から出ることができる(多くの場合は3回痰の検査を行う)
    • 痰から結核菌が検出できず、なかなか診断がつけられない場合には気管支鏡口もしくは鼻から、細い内視鏡(ファイバースコープ)を肺の気管支まで入れて、気管や気管支の内側の状態を調べる検査検査を行うことがある
  • 血液検査
    • T-SPOTやクオンティフェロンといった血液検査(IGRAs)で感染の有無を確認できる
      ・現在の感染なのか過去の感染なのかは判定できない
    • ツベルクリン反応は、BCGの影響を受けることによって、実際には結核に感染していなくても陽性という結果になる(偽陽性病気をもっていないにもかかわらず、検査の結果が陽性(病気がある)と、誤って判定されること)ことが多い
  • 画像検査
    • 胸部レントゲン X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われるX線X線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査写真)検査
    • 胸部CT検査X線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多い

結核(肺結核)の治療法

  • 一般的に6か月から9ヶ月の抗結核薬治療が必要
    • イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトール、ストレプトマイシンから複数を組み合わせて使う
    • 4剤併用療法
      ・イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトール(エタンブトールをストレプトマイシンに変更できる)
    • 3剤併用療法
      ・イソニアジド、リファンピシン、エタンブトール(エタンブトールをストレプトマイシンに変更できる)
  • BCGを接種することで結核発症症状や病気が発生する、または発生し始めること率を減らすことが可能である

結核(肺結核)に関連する治療薬

アミノグリコシド系抗菌薬

  • 細菌のタンパク質合成を阻害し殺菌的に抗菌作用をあらわす薬
    • 細菌の生命維持や増殖にはタンパク質合成が必要となる
    • タンパク質合成はリボソームという器官で行われる
    • 本剤は細菌のリボソームにおけるタンパク質合成を阻害して抗菌作用をあらわす
  • 薬剤によって抗菌作用の範囲に違いがあり、淋菌(淋菌感染症の原因菌)やMRSA(MRSA感染症の原因菌)などに抗菌作用をもつ薬剤もある
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