けっかく(はいけっかく)
結核(肺結核)
結核菌を吸い込むことによって発症する肺の感染症であり、せき、たん、血痰、喀血, 発熱、体重減少などを起こす病気
13人の医師がチェック 115回の改訂 最終更新: 2018.04.24

Beta 結核(肺結核)のQ&A

    肺結核の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    肺結核は結核菌と呼ばれる細菌の感染によって発症します。初感染の30%程度は、自分の免疫で完全に治癒します。残り70%は体内に菌が残りますが、症状はなくなるため自分ではどちらかわかりません。健康な状態であれば、結核菌の活動を押さえ込んだまま一生を終えることが可能ですが、免疫力が低下したり高齢になると、結核菌が再活性化し肺炎などを引き起こします。

    肺結核は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    日本の結核発症率は、欧米先進国と比較して高いのが現状です。内訳は、60歳以上が71.2%と高齢者に多く、人口の減少に伴い全体数は減少傾向です。しかし、近年は若年者の割合が増加しつつあり、その多くは海外出生者や海外渡航時の感染と言われています。また、大阪・東京などの大都市で患者数が高く、特に路上生活者の間で蔓延していることが社会問題になっています。

    肺結核と肺外結核の違いについて教えて下さい

    肺炎など引き起こすのが肺結核で、気管支結核・喉頭結核といった他の部位に症状が出るものも見られます。これらは気道感染であり、結核菌を体外に排菌している可能性があるため、他人にうつす可能性があります。一方で、肺以外の臓器にも結核菌は感染しやすく、リンパ節・腸・腎臓など様々な臓器で結核の感染が認められています。これらはおもに血流にのって感染するため、一般的には他者に感染することはありません。

    肺結核を発症しやすくなる人の特徴を教えてください。

    肺結核はかつて日本で蔓延した病気であり、高齢の方は若い時に感染した可能性が高いと言われています。そのため、高齢になり免疫が低下した際に再活性化した結核菌によって発症する可能性があります。若い方でも諸外国では感染するリスクが高いため、海外生活歴のある方も注意が必要です。また、何らかの疾患で免疫抑制薬を使用されている方や、AIDSを発症された方は肺結核の発症リスクがあります。

    肺結核は、どんな症状で発症するのですか?

    初期の症状は風邪と似ていますが、咳・痰、微熱が長く続くのが特徴です。目安として1か月以上持続するような風邪症状の場合は結核を疑います。

    肺結核の、その他の症状と重症化した場合の症状について教えてください。

    咳・痰・微熱以外にも、体重減少、食欲低下、寝汗、だるさなどの症状もあります。進行すると血痰や喀血(血を吐くこと)などを引き起こし、呼吸困難を起こし死に至ることもあります。

    肺結核は、どのように診断するのですか?

    胸部レントゲンと採血、喀痰検査が基本になります。多くの場合に胸部レントゲンで肺に影が認められますが、これは通常の肺炎でも同様です。次に採血で結核菌に感染したことがあるか検  査(IGRA:T-SPOT、QTFなど)します。しかし、高齢者の場合は過去に結核にかかった可能性が高く、この検査だけでは判断できない場合もあります。最終的には痰の中に結核菌がいるか顕微鏡で確認します。もしも存在が確認されれば排菌していることになり、人にうつす危険性があるため隔離の対象になります。

    肺結核の、その他の検査について教えて下さい。

    詳細な評価のため胸部CTを行います。痰に結核菌が出てこない場合は、人にうつす可能性は低いです。しかし、診断確定には至らないので、気管支鏡というスコープで肺の組織を採取し顕微鏡で検査する場合もあります。

    肺結核と診断が紛らわしい病気はありますか?

    画像だけでは結核以外の肺炎と区別がつきません。一般的な肺炎と考え治療を開始したものの、改善しないため精査したところ結核と診断されるケースもあります。また、結核菌は分類上、抗酸菌というグループに入ります。抗酸菌には結核菌と非結核菌(非定型抗酸菌)があり、これらは初期の喀痰検査でも区別がつかずより詳細な検査が必要となります。非定型抗酸菌症は中年以降の女性に多く認められ、土壌・水などに生息する菌によって感染しますが、多くの場合無症状で他人にはうつりません。そのため多くの場合経過観察しますが、息切れなどの症状がある場合や若年者の場合は治療する場合もあります。

    肺結核の治療法について教えて下さい。

    治療は、年齢や体格など考慮して3~4種類の内服薬で治療を開始します。近年、特に海外で感染した結核菌は耐性化(薬が効きづらい)が進んでおり、治療法がいまだに無い多剤耐性結核菌も認められています。

    肺結核の薬は、生涯飲み続けることになるのですか?

    結核治療薬の服用期間は、基本的に6か月ですが、個人の病状や経過によって長くなることがあります。それらは主治医とご相談ください

    肺結核では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?

    肺結核は空気感染するため、排菌している場合は法律で治療が義務付けられます。隔離機能をもった病室に入り、排菌が消失するまで(喀痰の顕微鏡検査や培養検査で3回連続菌が検出されない)入院が必要です。

    肺結核は、再発を予防できる病気ですか?後遺症は?

    100%再発を予防するのは困難です。結核菌の特性上、治療後も体内に潜伏している可能性が高く、完治は難しいのが現状です。しかし、決められた内服・治療期間を守ることで再発する可能性を低下させることができます。治療を自己中断したり、内服を守らない場合は、より薬の効きにくい耐性結核菌になり治療が困難になる場合があります。

    以前は、手術治療もおこなわれていたため肺を切除し呼吸機能が低下することもありましたが、近年は内服のみで治療可能になっており後遺症はほとんどありません。

    肺結核に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    肺結核特有の症状はなく、早期発見が難しい病気の一つです。もしも、長引く咳や痰、微熱、体重減少などがあれば医療機関で検査してもらいましょう。治療中は、内服を忘れずに行うことが大切です。また薬の副作用も比較的多く、定期的な受診を心がけましょう。

    どこで肺結核にかかったのでしょうか?

    残念ながら特定は困難です。知らない間にどこかでかかり、免疫が落ちた時に再活性化している場合がほとんどです。

    肺結核を家族にうつしていないか心配ですが大丈夫でしょうか?

    空気感染するため心配だと思われますが、同じ世帯でも接触した時間・距離によっては感染しない場合もあります。発症した場合には、最寄りの保健所が周囲への感染状況を調べ、適切に対応します。

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