いかいよう、じゅうにしちょうかいよう

胃潰瘍、十二指腸潰瘍

胃液によって胃や十二指腸の粘膜がダメージを受けた結果、壁がえぐれてしまった状態

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15人の医師がチェック 142回の改訂 最終更新: 2017.06.15

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の基礎知識

胃潰瘍、十二指腸潰瘍について

  • 胃液によって粘膜がダメージを受けた結果、胃や十二指腸の壁がえぐれてしまった状態
    • 胃や十二指腸の内側は、胃液によって傷つかないように丈夫な粘膜でコーティングがされている
    • 何らかの理由で胃粘膜のコーティングが壊れてしまうと胃液によって炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起こる
  • 主な原因
    • ヘリコバクター・ピロリ感染
    • 喫煙
    • ストレス
    • 痛み止め (NSAIDs炎症を抑える薬剤の総称(ただしステロイドを除く)で、鎮痛薬や解熱薬として頻用される。nonsteroidal anti-inflammatory drugsの略)の使いすぎ
  • えぐれがひどくなり壁に穴が開いた場合を「穿孔穴が開くこと。例えば胃や腸の粘膜にできた潰瘍が悪化すると、やがて穴が空いて穿孔に至る(せんこう)」といい、緊急手術が必要な状態になる(胃穿孔、十二指腸穿孔)

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の症状

  • 主な症状
    • みぞおちの痛み
      胃潰瘍は食事中、食後に痛みが起こることが多い
      十二指腸潰瘍は空腹時に痛みが起こることが多い
    • 血を吐く
      ・傷口から出血することで起こる
      ・出血量が多いと貧血になることがある
    • 真っ黒で不自然な色の便が出る
      ・傷口から出血した血液が混ざって変色する
  • 鉄分を補充する薬(貧血のときによく用いる)や、イカスミなどの食事を摂った場合に黒い便が出る
    • それらを摂取していないのに、黒い便が出ている状態は胃や十二指腸からの出血が疑わしい

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の検査・診断

  • 胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる上部消化管内視鏡検査口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる
    • 胃粘膜の様子だけでなく、ピロリ菌主に胃の中に存在する細菌で、胃潰瘍、胃がん、血液疾患などの原因となる菌に感染しているかも検査することができる

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療法

  • 主な治療
    • 痛み止め(NSAIDs炎症を抑える薬剤の総称(ただしステロイドを除く)で、鎮痛薬や解熱薬として頻用される。nonsteroidal anti-inflammatory drugsの略)を内服している場合は内服を中止する
    • H2遮断薬、プロトンポンプ阻害薬:胃酸の分泌を抑える
    • ヘリコバクター・ピロリ感染が見つかった場合は除菌を行う
      ・プロトンポンプ阻害薬、ペニシリン系抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がない、マクロライド系抗菌薬(またはメトロニダゾール)を同時に使って除菌する
      ・除菌を行うことで症状が改善し再発の危険を抑えることが可能
      ・除菌に失敗しても再度チャレンジすることができる
    • 傷口が小さい場合は胃薬を数週間飲み続けることで次第に治る
    • 傷口が大きく出血が多い場合は胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれるを使った治療を行う
  • 穿孔穴が開くこと。例えば胃や腸の粘膜にできた潰瘍が悪化すると、やがて穴が空いて穿孔に至るしている(穴が開いている)場合は手術が必要になる可能性がある

胃潰瘍、十二指腸潰瘍に関連する治療薬

酸中和薬

  • 消化管の攻撃因子である胃酸を中和し、消化性潰瘍や胃炎などの治療に用いる薬
    • 消化管に対し胃酸などの攻撃因子が胃粘膜などの防御因子を上回っている状態では消化性潰瘍や胃炎などがおこりやすい
    • 金属を含む薬剤の一部は酸(胃酸)を中和する作用をもつ
    • 本剤はアルミニウム、カルシウム、マグネシウムなどの金属を含み、酸を中和する薬剤である
  • 本剤の中には、粘膜保護作用や緩下(お腹を緩くする)作用をもつ薬剤もある
酸中和薬についてもっと詳しく

H2受容体拮抗薬

  • 胃内において胃酸分泌を抑え、胃潰瘍などを治療し逆流性食道炎に伴う痛みや胸やけなどを和らげる薬
    • 体内で胃酸が過多に放出されると胃粘膜や食道の粘膜などを壊し、胃潰瘍や逆流性食道炎などがおこりやすくなる
    • 胃内に胃酸分泌の促進に関わるH2受容体というものがある
    • 本剤は胃内のH2受容体に拮抗的に作用し、胃酸分泌を抑える作用をあらわす
  • 本剤とプロトンポンプ阻害薬(PPI)の胃酸分泌抑制作用の比較
    • 通常は、本剤よりPPIの方が胃酸分泌抑制作用が強い
  • 消化器疾患以外にも薬剤によっては、蕁麻疹治療における補助的治療薬などで使われる場合もある
H2受容体拮抗薬についてもっと詳しく

防御因子増強薬(消化性潰瘍治療薬)

  • 消化性潰瘍などに対して、胃粘液などの防御因子を増強することで胃腸粘膜保護作用などをあらわす薬
    • 消化性潰瘍では消化管に対して胃酸などの攻撃因子が、胃粘液などの防御因子を上回っている状態にある。
    • 消化性潰瘍の治療には攻撃因子を抑える他に、「胃粘液を増やす」「胃粘膜の血流を高める」など防御因子を高める方法がある
    • 本剤は薬剤ごとそれぞれの作用により防御因子を高める作用をあらわす
防御因子増強薬(消化性潰瘍治療薬)についてもっと詳しく

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の経過と病院探しのポイント

胃潰瘍、十二指腸潰瘍かなと感じている方

胃潰瘍十二指腸潰瘍は胃の強い痛みが特徴です。症状が持続すると便に血液がまじりますが、赤い便ではなく真っ黒な便となることが多いです。胃酸と血液が反応して血液が黒色に変化するためです。

上記のような症状に該当してご心配な方は胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる上部消化管内視鏡口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる)の検査が行えるクリニックや病院の受診をお勧めします。消化器内科が専門の診療科です。重症の胃潰瘍十二指腸潰瘍の場合には手術を行うことがあり、その時には消化器外科、腹部外科、一般外科などが対応することになります。

吐血食道や胃、十二指腸からの出血が、口から出てくること。肺や気管支からの出血である「喀血」とは区別されるが生じたりなど症状が強い胃潰瘍(または十二指腸潰瘍)の場合には、救急車を呼んでの受診が良いでしょう。

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胃潰瘍、十二指腸潰瘍でお困りの方

胃潰瘍十二指腸潰瘍の治療は重症度で変わります。重症で出血し続けている場合などは、緊急で胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれるの治療を行います。そのような場合の胃カメラ治療は、その場で緊急で行われることが多いです。平日の日中であれば良いのですが、土日祝日や夜間は院内に残っているスタッフが少ないため、緊急で胃カメラを行える病院と、そうでない病院があります。ある程度の規模の病院や、普段からの胃カメラの実施件数が多い病院の方が、時間外の治療により迅速に対応できるところが多いと言えます。

その時点では出血が止まっている胃潰瘍十二指腸潰瘍の場合は、胃薬の内服で経過を見ることになります。また、長期的にはピロリ菌主に胃の中に存在する細菌で、胃潰瘍、胃がん、血液疾患などの原因となる菌の除菌治療も重要です。一定期間抗生物質微生物が産生する細胞の増殖や機能を阻害する物質。抗菌薬・抗ウィルス薬・抗がん薬を含むを内服することで、胃にピロリ菌がいる方は、菌を退治することができます。ピロリ菌を除菌することによって胃がんの発生リスクを低下させることが治療の目的です。

ピロリ菌の除菌は、消化器内科のクリニックや、内科のある病院であればほとんどの医療機関で受けることができます。除菌を受けた上で、1年に1回など定期的な胃透視X線(レントゲン)を使って、体の中を撮影しながらリアルタイムに動画で確認すること(バリウムによる検査)や胃カメラで経過を見ていくのが良いでしょう。

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