たはつせいきんえん、ひふきんえん

多発性筋炎、皮膚筋炎

筋肉の炎症(筋炎)により、筋肉に力が入りにくなったり、筋肉を動かすと痛くなる病気

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9人の医師がチェック 113回の改訂 最終更新: 2017.07.21

多発性筋炎、皮膚筋炎の基礎知識

POINT多発性筋炎、皮膚筋炎とは

免疫細胞の異常により、筋肉が破壊される病気です。筋肉の痛みや筋力低下を自覚します。特徴的な発疹が出ることもあり、発疹を伴わない場合を多発性筋炎、伴う場合を皮膚筋炎と呼びます。筋肉の症状以外にも息苦しさや咳を自覚することもあります。血液検査、CT、MRI、筋電図検査、筋生検検査(筋肉の一部を採取して顕微鏡で調べる)を行います。治療としては、ステロイド、免疫抑制薬などの薬剤を使用します。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。

多発性筋炎、皮膚筋炎について

  • 筋肉が炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出る(筋炎)により破壊され、筋肉に力が入りにくくなったり、筋肉を動かすと痛くなる病気
    • 筋炎の症状だけのときは多発性筋炎、筋炎に加えて特徴的な皮膚の症状もある場合は皮膚筋炎と呼ぶ
    • 一部に筋炎の症状がほとんど出ないパターンもあり、その場合は肺のダメージが出やすく注意が必要である
  • 男女比1:2と女性に多く発症症状や病気が発生する、または発生し始めることし、子どもから高齢者まで発症する
  • 自己免疫疾患本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう病気の総称の一種
    • 自己免疫疾患とは、免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患が異常に働いて、自分自身の体を攻撃してしまう病気のこと
  • 他の自己免疫疾患と一緒に起こることが多い
  • 皮膚筋炎がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあると一緒に発生することも多い
  • 多発性筋炎皮膚筋炎で筋力が低下すると、筋肉トレーニングを行っても筋力は戻らない
    • 筋力を戻すには原因となっている病気自体を治療する必要がある
  • 長年のうちに肺や心臓の異常を起こして死に至る場合もある

多発性筋炎、皮膚筋炎の症状

  • 筋肉の症状
    • 体の胴体に近い部位の筋肉(二の腕や太もも、首)の力が弱くなる
    • 左右対称に筋力が低下し、数週間から数か月でしだいに進行する
    • 筋肉が細くなる(筋萎縮筋肉や内臓などが、やせ衰えて小さくなること
    • 筋肉痛、筋肉に圧力をかけたときの痛み(圧痛)が出る
  • 筋肉の力が弱くなることで起きる症状
    • しゃがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるだ状態から立ち上がれなくなる
    • 腕を上に持ち上げるのが難しくなる
    • 首が下がる、飲み込みにくくなる(嚥下障害
    • 進行すると手先の動きもしにくくなる
    • 重症では呼吸の動作もしにくくなる
    • 顔の筋肉には症状が出にくい
  • 皮膚の症状
    • まぶたまぶたのこと。眼球の上下にある皮膚の部分を指し、それぞれを上眼瞼、下眼瞼と呼ぶが紫色に腫れる(ヘリオトロープ疹)
    • 指関節の背面や肘が赤くがさがさになる(ゴットロン徴候)
    • 赤い発疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称:顔・首・胸・背中・肩・肘・足首など
    • かゆみが出ることもある
    • 手のひらが荒れてひび割れができる
    • 皮膚の下に硬い塊(石灰化)ができる
  • その他の症状
  • 感覚の異常を自覚することはない
  • 間質性肺炎合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることすることがあり、その場合は今までと同じ動作でも息苦しさを感じたり、咳が出たりする

多発性筋炎、皮膚筋炎の検査・診断

  • 診断においては、薬によるものや、内分泌疾患(ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるの異常)、遺伝性筋疾患(生まれつき筋肉が壊れやすい病気)などと区別することが重要
  • 皮膚症状の診察
    • 皮膚筋炎に特徴的な皮膚の症状がないかなどを調べる
  • 筋力測定:筋力低下がないかを調べる
  • 身体診察
    • 神経の異常による症状が出ていないかを調べる
    • 多発性筋炎皮膚筋炎では神経に異常はないが、神経の病気で筋力低下が出る場合もあるので区別が必要
  • 血液検査
    • 筋肉が壊れたときに上昇するCKやアルドラーゼの値をチェックする
    • 多発性筋炎皮膚筋炎で特徴的に陽性になる自己抗体本来は外敵を倒すための働きをする抗体(免疫物質の一つ)のうち、何らかの異常によって自分自身の臓器や器官に向かってしまうもの(抗RNP抗体白血球が作り出す、免疫の一部を担う物質。体内の病原体に付着して、他の免疫細胞の働きを助けたりするや抗Jo-1抗体など)を調べる
  • 画像検査:悪性腫瘍無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある)を合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることしていることもあるため、体にがんがないかなどを調べる
    • 超音波検査空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができる
    • 胸部CT検査X線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多い間質性肺炎肺がんを合併していないかを調べる
    • 腹部CT検査X線(放射線)を用いて腹部の状態を調べる検査。肝臓や腸などの内蔵から骨や筋肉まで、様々な組織の状態を確認することができる:お腹の臓器(肝臓・胃・膵臓など)にがんがないかを調べる
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査:筋肉に炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るがないかの特定にも有用である
  • 筋電図筋肉に針を刺し、筋肉が発する電気を感知することで、筋肉や神経の異常を調べる検査:筋炎に特徴的な異常がないかを調べる
  • 生検病気(病変)の一部を採取すること。また、それを顕微鏡で詳しく調べる検査のこと。病気の悪性度の確認や、他の検査では診断が難しい病気の診断のために行われる:筋肉、皮膚にリンパ球血液中にある白血球の一種で、免疫の役割を担っている。B細胞、T細胞、NK細胞に分かれ、それぞれ働き方が異なるの浸潤がないか調べる
    • 筋肉の一部または皮膚の一部を切り取ってきて顕微鏡で詳しく調べる

多発性筋炎、皮膚筋炎の治療法

  • 入院して安静とし、ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている(プレドニゾロンなど)内服による治療が基本となる
    • 症状にもよるが、最初は多い量を1か月ほど内服し、徐々に内服量を減らしていく
    • ステロイド薬を減らしていく過程で、免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制薬の内服も併用することがある
    • ステロイド薬を長期内服すると副作用が多いので、副作用に対処する薬などを使う
    • ステロイド薬とあわせて使われることがある薬剤
      ビタミンD脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムやリンの量を体内で適切に調整する働きを持つ。外部から摂取する他に、紫外線を浴びることで体内でも合成される、ビスホスホネート:ステロイド薬による骨粗しょう症の予防
      ・プロトンポンプ阻害薬:ステロイド薬による胃潰瘍の予防
      抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がない:免疫を抑えることによる感染の予防
  • 使われる免疫抑制薬の例
    • アザチオプリン(商品名イムランなど)
    • メトトレキサート(商品名リウマトレックスなど)
    • シクロフォスファミド(商品名エンドキサンなど)
  • 薬の治療で症状の改善が期待できるが、筋力低下が残る場合や再発する場合も多い
  • 間質性肺炎合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることしている場合は、より強く免疫を抑える治療が必要となることが多い
  • 悪性腫瘍無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある)が合併していることがわかった場合は、がんに対する治療を行う

多発性筋炎、皮膚筋炎の経過と病院探しのポイント

多発性筋炎、皮膚筋炎かなと感じている方

多発性筋炎皮膚筋炎では、手足の筋力が弱くなったり、全身のだるさや、まぶたまぶたのこと。眼球の上下にある皮膚の部分を指し、それぞれを上眼瞼、下眼瞼と呼ぶや手の皮膚の変化(色や質感の変化)が出現します。

ご自身が多発性筋炎皮膚筋炎でないかと心配になった時、最初に受診するのは膠原病複数の臓器に炎症がみられる病気の総称。有名なものとしては関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどがある科かリウマチ科の病院が適しています。専門の医師はリウマチ専門医になりますが、リウマチ専門医には内科系の医師と整形外科系の医師がいるため区別が必要です(両者を認定しているのは同じ学会です)。その医師が内科に所属しているのか、整形外科に所属しているのかが分かれば判断がつくかと思いますが、多発性筋炎皮膚筋炎を診療するのは内科系のリウマチ専門医になります。

多発性筋炎皮膚筋炎の診断は問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すことと診察、血液検査、そして筋電図筋肉に針を刺し、筋肉が発する電気を感知することで、筋肉や神経の異常を調べる検査や筋生検病気(病変)の一部を採取すること。また、それを顕微鏡で詳しく調べる検査のこと。病気の悪性度の確認や、他の検査では診断が難しい病気の診断のために行われるといった特殊な検査で行います。血液検査では一般内科で測定しない特殊な項目も確認しますので、内科のクリニックを受診してその日のうちに診断がつく、というような病気ではありません。筋電図や筋生検は必須ではありませんが、他の検査だけで診断がつかない場合に行われます。地域の中核病院その地域の中心となる総合病院のことで、診療所やクリニックではできないような検査や治療を請け負う役割を担っているや大学病院でなければ受けられないような検査です。

特殊な医療機関としては、リウマチセンターを開設している病院もあります。これらの医療機関では、多発性筋炎皮膚筋炎を専門とする医師やその他スタッフが多く、重症度が高かったり、他の病気と似ていて診断の確定に難渋しているような方に適しています。なお、俗に「リウマチ」とだけ言うと医学的には関節リウマチを指すことが多いですが、「リウマチ系疾患」、「リウマチセンター」というような場合については、関節リウマチに限らず、その他の関節や全身の痛みを伴う疾患(膠原病疾患と重なります)をまとめて指します。多発性筋炎皮膚筋炎もこの中に含まれる疾患の一つです。

もしかかりつけの内科医師がすでにいるようであれば、いずれの場合でもそこから診療情報提供書前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。俗に「紹介状」と呼ばれているものを指す紹介状前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。正式名称は「診療情報提供書」)をもらった上でより専門的な病院を受診することをお勧めします。多発性筋炎皮膚筋炎を診断する上で普段の様子やその他の病気の有無、検査結果はとても参考になりますし、診療情報提供書がないと基本的な検査を一からやり直すことになってしまうためです。

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多発性筋炎、皮膚筋炎でお困りの方

多発性筋炎皮膚筋炎自己免疫疾患本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう病気の総称といって、免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患細胞(白血球血液の中にある血球の一種。免疫を担当しており、病原体が体内に入って来た時に、それと戦う役割を担う)が不適切に活動してしまうことが原因の病気です。したがって治療は、免疫細胞の働きを抑えるような内服薬飲み薬のことや注射薬になります。

患者さんによって効果的な薬が異なることと、同じ薬でもどの程度の量で効果があるかが異なることから、通院しながら少しずつ薬を調整して、その人に合った処方を探します。治療のために必ず入院しなければならないというような病気ではありませんが、完治が簡単に望める病気でもないため(症状が取れたり、薬の内服が必要なくなったりすることはあります)、継続的に通院を続ける必要があります。

多発性筋炎皮膚筋炎で入院が必要となるのは、最初の診断確定の検査で入院が必要な場合、そして多発性筋炎皮膚筋炎で生じやすい間質性肺炎や各種腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるの治療を行う場合です。

膠原病複数の臓器に炎症がみられる病気の総称。有名なものとしては関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどがあるは専門性の高い分野ですので、膠原病科(あるいはリウマチ科)の医師の中でも、専門とする分野が分かれていることが多いです。多発性筋炎皮膚筋炎のような自己抗体本来は外敵を倒すための働きをする抗体(免疫物質の一つ)のうち、何らかの異常によって自分自身の臓器や器官に向かってしまうもの関連疾患(関節リウマチ全身性エリテマトーデスなど)を中心で診ている人もいれば、脊椎背骨のこと。頚椎、胸椎、腰椎に分かれる関節炎(強直性脊椎炎など)や血管炎顕微鏡的多発血管炎など)などを専門に見ている人もいます。小さな病院では膠原病が専門の医師がそもそもおらず、診療が難しい場合もあるでしょう。膠原病科のある総合病院内科、外科、小児科、産婦人科など主要な科が揃っている病院のこと。現在、明確な定義はないであれば、それぞれの分野の専門家がいるでしょうから、適切な医師が担当となったり、院内で連携相談しながら治療に当たってくれることが多いです。他の科の病気と比べると、適切に診療できる経験をもった医師が少ないのが膠原病でもありますが、長く付き合っていく病気であるため、信頼できる主治医を見つけることが大切です。

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