あとぴーせいひふえん

アトピー性皮膚炎

アレルギーが原因の皮膚の病気。強い痒みのある湿疹が良くなったり悪くなったりしながら慢性的に出現する

病気に関連する診療科の病院を探す
24人の医師がチェック 191回の改訂 最終更新: 2017.10.13

アトピー性皮膚炎の基礎知識

アトピー性皮膚炎について

  • 良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹
    • 通称「アトピー」と呼ばれる 
    • アトピー素因(アレルギー免疫反応によって、体が過剰な防御反応を起こして悪影響が生じてしまう状態を起こしやすい素因)をもつ人に多い
      ・小児では気管支喘息アレルギー性鼻炎など成長と共にアレルギー症状が変化することがあり、長期的に管理が必要になることもある(アレルギーマーチ)
      ・家族歴も重要
  • 皮膚の機能異常(バリア機能の破綻)・アレルギー性炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出る・かゆみがアトピー性皮膚炎の発症症状や病気が発生する、または発生し始めることに深く関わっている
  • 国内では人口の約10%にみられるが、うち7-8割は軽症
  • 乳児期前半の発症が多い
    • 思春期までに改善する場合と成人期以降も治療が必要な場合がある
  • アトピー性皮膚炎を起こす、または悪くする原因の代表例
    • アレルゲンアレルギー反応を起こす原因になる物質のこと。代表的なものは、ダニ、ハウスダスト、花粉、そば、卵、金属など
      ・アレルギー反応を起こす食べ物(鶏卵、牛乳、小麦、大豆など):特に小児期に重要
      ・環境(ダニ、ホコリ、ハウスダストなど)
    • 細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつ真菌病気の原因となる微生物のうち、かびの仲間のこと。細菌に対する薬である抗菌薬は効果がなく、真菌感染症には抗真菌薬が用いられる(かび)
    • 物理的刺激(引っかき傷、洗剤の刺激や洋服、髪の毛の接触など)
    • 発汗:汗をかくこと自体に害はないが、かいた汗をそのままにしておくこと
    • 寒冷乾燥、高温多湿のように極端な環境
    • ストレス
    • 過労
  • アトピー性皮膚炎に関するガイドライン治療や検査の場面において、医療従事者や患者が、適切な判断や決断を下せるように支援する目的で体系的に作られた文章のことが出ている:アトピー性皮膚炎ガイドライン2016

アトピー性皮膚炎の症状

  • 主な症状
    • 強いかゆみのある湿疹が身体のさまざまな場所に左右対称に出ることが多い
      ・片側だけに症状が出ることはまれ
      ・乳児期:頭や顔から始まり、身体から手足へと広がる
      ・幼小児期:首や手足の関節
      ・思春期・成人期:上半身(頭・首・胸・背中など)
  • かゆみのためにかくと、皮膚のバリアが壊れてさらにかゆくなるという悪循環に陥る
  • 皮膚のバリアが破綻している状態であり、感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることしやすい  
  • 症状が強い場合には、顔面をかくことにより目に障害を来すこともある

アトピー性皮膚炎の検査・診断

  • かゆみを伴う特徴的な発疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称を繰り返していることで診断される
    • 乳児は2か月以上、それ以降は6か月以上経過していること
  • その他以下の検査を必要に応じて行う
    • 血液検査:好酸球・IgE・TARCなどアレルギー免疫反応によって、体が過剰な防御反応を起こして悪影響が生じてしまう状態反応で上昇する値を調べる
    • アレルゲンアレルギー反応を起こす原因になる物質のこと。代表的なものは、ダニ、ハウスダスト、花粉、そば、卵、金属などの検査:アレルギー反応を起こす原因の有無を調べる
    • 皮膚テスト:アレルゲンのより詳しい検査が必要な場合に行う
    • アレルゲンの検査:アレルギー反応を起こす原因を調べる

アトピー性皮膚炎の治療法

  • 治療の原則は以下の3つ:悪循環を断ち切ることで症状を抑える
    • スキンケアを徹底し、皮膚の機能を改善させること
    • 必要な場所に必要な塗り薬(ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている外用薬点滴を含む注射や、内服以外の薬のこと。塗り薬、貼り薬、座薬をはじめ、眼・耳・鼻・口腔内に用いる薬も含まれる、タクロリムス)を使うこと
    • 原因や悪化因子を避けること
  • スキンケアは治療開始の時期から再発予防の時期まで長期間最も重要
    • 軽い炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るであれば、スキンケアのみで落ち着く場合もある
    • 皮膚を清潔に保つ:刺激の少ない石けんをしっかりと泡立てて、手のひらを使って皮膚のしわの内側まで意識してしっかり洗う・泡は十分に洗い流す
    • 入浴時にはかゆみを感じるほどの熱いお湯を使わない
    • 入浴剤などは刺激の少ないものを使う
    • お風呂の後は十分に保湿する
      ・保湿剤の種類は問わないが、使いやすく肌に合うものを使用する
    • 肌をこすらない
  • 塗り薬により炎症を抑えて、症状を落ち着かせる
    • ステロイド外用薬(塗り薬)が基本
      ・ステロイドは正しく使えば怖い薬ではない
      ・一見皮膚がきれいになったように見えても炎症が隠れていることがあるため、十分な量を指定された期間塗り続けることが重要
      ・ステロイドを適切に使うことで、状態を落ち着かせることが目標
    • 使用基準を満たしている場合にはタクロリムスも使用する
      ・場所や症状によりステロイド外用薬と使い分ける
      ・2歳未満の小児や妊婦・授乳中の女性には使えない
  • 発症症状や病気が発生する、または発生し始めること・悪化因子を取り除く(スキンケアという観点でも重要)
    • 食物アレルギーがある場合には必要に応じて除去などをする(不必要な除去はしない)
    • 室内を清潔にする
    • 寝具や肌着は清潔なもの、肌への刺激が少ないものを使用する
    • 爪を短くしてひっかかないようにする
    • 汗をかいたらすぐに洗い流す
    • 乳幼児ではよだれなども悪化の原因となるので、こまめに洗い流す
  • 上記の治療に加えて、かゆみの強い場合は抗ヒスタミンアレルギー症状の原因となる物質の一つ。炎症により血液中のヒスタミンが増加して、かゆみなどを引き起こす薬を飲む
    • かくことで皮膚の状態が悪化することを防ぐ
  • 重症例ではステロイドの点滴や免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制薬(ネオーラル)を使用することもある
  • 症状が強い場合には、定期的に眼科受診をする

アトピー性皮膚炎に関連する治療薬

ビタミンB6製剤

  • ビタミンB6を補い、口内炎や湿疹、貧血、手足のしびれなどを改善する薬
    • ビタミンB6は水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンでタンパク質からアミノ酸への分解などを助ける働きがある
    • ビタミンB6が不足すると皮膚、粘膜、神経の炎症や貧血などがおこりやすくなる
    • ビタミンB6が不足すると中枢神経の異常興奮により痙攣などがおきやすくなる
  • イソニアジド(商品名:イスコチン など)の投与によるビタミンB6欠乏症に使用する場合もある
  • 薬剤によってはてんかんの治療などに使用する場合もある
ビタミンB6製剤についてもっと詳しく

抗ヒスタミン薬(内服薬・注射剤)

  • 抗ヒスタミン作用によりアレルギー反応を抑え蕁麻疹、花粉症、喘息などによる皮膚の腫れや痒み、鼻づまり、咳などの症状を改善する薬
    • 蕁麻疹、皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息などでは何らかの原因によって体内でアレルギー反応が起こり症状があらわれる
    • 体内のアレルギー反応を引き起こす物質にヒスタミンがある
    • 本剤は抗ヒスタミン作用により、アレルギー反応を抑える
  • 抗ヒスタミン作用に加え、他の作用によってもアレルギー反応を抑える薬剤もある
抗ヒスタミン薬(内服薬・注射剤)についてもっと詳しく

非ステロイド性抗炎症薬(皮膚疾患治療薬・外用薬)

  • 抗炎症作用などにより、皮膚の赤みや腫れ、痛みや痒みなどを和らげる薬
    • 炎症や痛みなどを引き起こす体内物質にプロスタグランジン(PG)がある
    • PGはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素などにより生成される
    • 本剤はCOX阻害作用などにより炎症などを緩和する作用をあらわす非ステロイド性の外用塗布剤
  • 本剤は帯状疱疹などの皮膚疾患に使用する場合もある
非ステロイド性抗炎症薬(皮膚疾患治療薬・外用薬)についてもっと詳しく

アトピー性皮膚炎の経過と病院探しのポイント

アトピー性皮膚炎かなと感じている方

アトピー性皮膚炎とは、慢性的ある病気や症状が、完全に治癒しないまま長期的に持続している状態のことに(定義では子どもで2か月、成人で6か月以上)、左右対称に広範囲に、典型的な部位に(顔、首、肘や膝の裏など)湿疹が出る病気です。湿疹とは皮膚の表面がガサガサし、赤く炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを起こし、強いかゆみがある状態です。アトピー性皮膚炎以外にも湿疹を起こす病気はたくさんあります。

ご自身がアトピー性皮膚炎でないかと心配になった時、皮膚科のクリニックが適しています。アトピー性皮膚炎は子供が多くかかる病気であり、治療の期間も長く、また医師によって治療に対する考え方、薬の使い方に違いがありますので、相性が合う医師、クリニック、病院で治療を受けるのが望ましいです。

アトピー性皮膚炎の診断は問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すことと診察、血液検査で行われます。先述の通り、アトピー性皮膚炎は特徴的な湿疹を繰り返していることで診断されます。またアトピー性皮膚炎を起こす原因として、アレルゲンアレルギー反応を起こす原因になる物質のこと。代表的なものは、ダニ、ハウスダスト、花粉、そば、卵、金属などの検査を行います。

アトピー性皮膚炎に関連する診療科の病院・クリニックを探す

アトピー性皮膚炎でお困りの方

アトピー性皮膚炎の基本的な治療は3つあります。原因となるアレルゲンアレルギー反応を起こす原因になる物質のこと。代表的なものは、ダニ、ハウスダスト、花粉、そば、卵、金属など、刺激(湿疹の部位を手で掻くなど)を避けること、保湿を主体としたスキンケアをすること、必要な場合にステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている外用剤を使うことです。ステロイド以外の塗り薬としては免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制薬が使われます。飲み薬として免疫抑制薬や、かゆみに対して抗ヒスタミンアレルギー症状の原因となる物質の一つ。炎症により血液中のヒスタミンが増加して、かゆみなどを引き起こす薬を使うことがあります。

医師によって、塗り薬・飲み薬の使い方が異なります。治療をしていても症状が治まらない場合は、他のクリニックや病院を受診してみるのも良いでしょう。治療の期間も長く、繰り返すことも多い病気なので、医師との相性も大切です。

アトピー性皮膚炎に関連する診療科の病院・クリニックを探す

アトピー性皮膚炎が含まれる病気


アトピー性皮膚炎のタグ


アトピー性皮膚炎に関わるからだの部位

トップ