びーがたかんえん
B型肝炎
B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の炎症
5人の医師がチェック 132回の改訂 最終更新: 2017.12.06

B型肝炎の基礎知識

POINT B型肝炎とは

B型肝炎肝炎ウイルスに感染するとB型肝炎になります。感染が起った後に多くは自然回復しますが、一部は持続的な肝炎になります。また、まれに劇症肝炎という重篤な状態になるので注意が必要です。感染者の体液中にB型肝炎ウイルスが存在するため、性行為入れ墨注射の回し打ちなどでうつります。B型肝炎ウイルスにはワクチンがあります。医療関係者や患者の家族などは感染する可能性があるのでワクチンを打つことが薦められます。 B型肝炎を疑った場合は血液検査を行いますが、肝臓への影響の程度を調べるために超音波検査(エコー検査)やMRI検査を行うこともあります。治療は飲み薬や注射薬を用いることになりますが、専門的な施設で行う方が望ましいです。消化器内科感染症内科を受診して下さい。

B型肝炎について

  • B型肝炎ウイルスHBV)の感染によって起こる肝臓の病気
  • 急性B型肝炎と慢性B型肝炎がある
    • 急性B型肝炎
      ・B型肝炎ウイルスに感染してすぐに症状が出る
    • 慢性B型肝炎
      ・B型肝炎ウイルスに感染してから沈静化したものの、潜んでいたB型肝炎ウイルスがじわじわと再感染を起こす
      ・潜んでいたB型肝炎ウイルスが起こす感染が急速な場合もあり、この場合は急性肝炎のようになる場合がある
  • 急性B型肝炎の主な原因
    • 感染者との性行為(一番多い)
    • 注射針の使い回し
    • 輸血や臓器移植
    • 感染者の血液が傷などを介して、感染する
       など
  • 慢性B型肝炎の主な原因
    • HBVを持っている人(HBVキャリアという)が発症
    • HBVキャリアの母親から子供への母子感染が多い
  • 潜伏期間は1-6か月と幅がある
  • 放っておくと肝硬変肝がんへと進んでしまう
  • 肝臓は慢性肝炎や肝硬変など病状進行した状態でも自覚症状がないことが多いため(「沈黙の臓器」と呼ばれる)、症状がなくても定期的に検査することが大切

B型肝炎の症状

  • 慢性B型肝炎ではほとんどの場合、自覚症状がない
    • 特に母子感染(母親からうつされる)による子供の感染は慢性B型肝炎となることが多い
    • 6歳未満であれば慢性化するリスクが高い(特に乳児)
    • 慢性化すると、成長して大人になってから肝硬変肝がんになりやすい
  • 成人がはじめてHBVに感染すると、大きく2通りのパターンをたどる
    • 急性肝炎を起こす(20-30%):大部分が治るが、その後慢性化する場合もある
    • 感染しても特に症状が出ない(70-80%):大部分が治るが、その後慢性化する場合もある

B型肝炎の検査・診断

  • 血液検査:抗原の有無や炎症が起きているかなどを調べる
    • 診断を確定させるのに役立つ
    • HBVに感染しているかを検査(主にHBs抗原、HBe抗原、HBc抗体、HBe抗体、HBs抗体、PCR法などをチェックする)
    • 肝炎を発症しているか、肝炎の程度をみる
  • 必要応じて行う検査
    • 画像検査:肝臓に炎症が起こっていないかなどを調べる
      腹部超音波検査
      MRI検査
  • 生検:肝炎の進行の程度を調べる

B型肝炎の治療法

  • 急性と慢性で治療法が異なる
  • 急性の場合
    • 安静にしていれば、約90%の患者は自然回復する
    • 約1%程度で劇症肝炎になることがあり、この場合は治療が必要
  • 慢性の場合
    • 治療の基本は抗ウイルス療法で以下のような薬剤を組み合わせて治療
      インターフェロン
      ・核酸アナログ製剤
  • HBVにはワクチンがあるので、以下のような人はワクチン接種が強く薦められる
    • HBVに感染した可能性のある人(感染者の血液や体液と接触があった人)
    • HBVキャリアから生まれた赤ちゃん(母子感染予防)
      ・子どもは感染すると、慢性化のリスクが高いので、積極的にワクチン接種(予防接種)が勧められている
    • HBV感染のリスクが高い職業の人
      ・医療従事者
      ・消防士、救急救命士、警察官など
      ・HBVキャリア(感染したことがある)が家族内にいる人

B型肝炎に関連する治療薬

B型肝炎ウイルス治療薬(内服薬)

  • B型肝炎ウイルス(HBV)の増殖に必要な酵素の働きを抑えウイルス量を減らす薬
    • B型肝炎はHBVの感染によっておこり、慢性化し進行すると肝硬変や肝がんがおきやすくなる
    • HBVが肝臓細胞で増殖するにはDNAポリメラーゼという酵素が関わっている
    • 本剤はDNAポリメラーゼを阻害しHBVの増殖を抑える抗ウイルス作用をあらわす

  • DNAなどは核酸と呼ばれるため、本剤は核酸アナログ製剤とも呼ばれる
B型肝炎ウイルス治療薬(内服薬)についてもっと詳しく

B型肝炎の経過と病院探しのポイント

B型肝炎が心配な方

B型肝炎には、急性肝炎と慢性肝炎があります。急性肝炎ではだるさや熱、黄疸などが出ますが、特別な治療は行われず自然の経過で治るのを待ちます。大半のケースでは、治った後は体内からウイルスが検出されなくなります。しかし、急性肝炎を起こした方のおよそ10%程度では、症状が治まった後も体内にウイルスが残ってしまい、慢性肝炎と呼ばれる状態に移行します。

B型肝炎ウイルスは体液中にいるため、輸血のように血液から感染して生じる場合や、刃物(入れ墨、注射器)の使い回し、または性交渉で感染する場合があります。症状だけで、B型肝炎ではないかとご自身で感じることは少ないかと思いますが、何かしらの心当たりがあったり、健診で肝機能が悪いなどと言われた場合には、近くの内科、もしくは消化器内科で採血を行います。

血液検査では肝酵素の値に加えて、B型肝炎ウイルスの抗原を測定します。この結果によってある程度診断に当たりがつきますので、エコーやCTなどさまざまな検査へ進む前に、まずはお近くの医療機関で血液検査を受けて、その結果を確認してもらいましょう。

B型肝炎に関連する診療科の病院・クリニックを探す

B型肝炎でお困りの方

B型肝炎の診断がついた場合には、それが肝硬変、そしてその先の肝臓がんに進行していないかを確認するために、腹部エコーや腹部CTの検査を行います。これらについては、肝硬変肝臓がんのページもご参考になさって下さい。

B型肝炎の治療については、インターフェロンや核酸アナログ製剤と呼ばれる注射薬を使用します。ウイルスの増殖を抑えて、肝硬変肝臓がんへの進行を予防するのが治療の目的です。これらの治療を行ったとしても体内からウイルスを完全に排除するのは困難で、長期的な通院が必要となります。その意味では病院の通いやすさや主治医との相性、信頼して聞きたいことを聞けるかどうかといった点も重要です。

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