かんぞうがん(かんさいぼうがん)

肝細胞がん

肝細胞にがんが出来た状態。C型肝炎ウイルスによる慢性感染症によるものが最も原因として多い

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11人の医師がチェック 135回の改訂 最終更新: 2017.12.06

肝細胞がんの基礎知識

POINT肝細胞がんとは

肝細胞が癌化することで起こる腫瘍です。B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)・飲酒などが原因となります。進行するまで症状が出ることはほとんどありませんが、進行するとだるさ・食欲低下・微熱・黄疸(皮膚や目が黄色くなる)・腹痛などが起こります。また、肝臓の機能が著しく低下した場合は肝性脳症という状態になり、意識が悪くなったり幻覚を見たりします。症状や身体診察に加えて、血液検査・超音波検査・CT検査を用いて診断します。治療は手術・化学療法(抗がん剤治療)・ラジオ波焼灼術・肝動脈塞栓術・放射線治療の中で最も適したものが行われます。肝臓の状態が非常に悪い人では肝移植が行われることもあります。肝臓がんが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

肝細胞がんについて

  • 肝臓がんの中でも肝細胞にがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるが出来た状態
  • 肝臓がんには以下の種類がある
    • 原発性他の病気や外部の要因によってではなく、その病気自体が自然発生したものであるということ。「二次性、続発性、転移性」と対比的に用いられる肝がん:肝臓由来のがんの総称で、元となる細胞の種類によって経過が異なる
      ・肝細胞がん:肝臓の細胞(肝細胞)に発生したがん
      肝芽腫:未熟な肝細胞に発生したがん
      胆管細胞がん:肝臓内にある胆管肝臓で作られた消化液を十二指腸まで運ぶ管。肝臓の内部にある肝内胆管と、肝臓の外にある肝外胆管に分けられるの細胞に発生したがん
    • 転移性肝がん:別の組織から肝臓にがんが転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いしたもの
    • 国内では肝細胞がんが、原発性肝がんの90%を占める
  • 主な原因
    • 肝炎ウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効であるの感染
      B型肝炎ウイルスB型肝炎の原因となるウイルス。血液などの体液を介して感染する。従来の主な感染ルートは母子感染であったが、近年では減少してきている:約15%
      C型肝炎ウイルス肝炎の原因となるウイルスの一種。C型肝炎が慢性化して、肝硬変、肝がんと進行する場合がある:約60%
    • 非アルコール性脂肪肝炎NASH
    • 大量飲酒
    • 喫煙
  • 男性では45歳、女性では55歳から増加し始める
    • 男性の方が発症症状や病気が発生する、または発生し始めることしやすく、患者数は女性の2-3倍である

肝細胞がんの症状

  • 初期には自覚症状がほとんどない
    • 進行すると以下の様な症状が出ることがある
      ・腹部のしこりや圧迫感
      ・腹部の痛み
      ・腹部が張った感じがする
    • がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるから出血すると、腹部の激痛や血圧低下を引き起こす
  • 肝硬変が起きていれば以下のような症状を伴っていることがある
    • 食欲不振
    • だるさ
    • 微熱
    • 便通異常(便秘、下痢)
    • 黄疸ビリルビンという物質が体内に溜まることで、皮膚や白眼などが黄色くなった状態。肝臓の異常で起こることが多いが、新生児に生じるものは異常ではない
    • 腹水お腹の中に水がたまってくる現象。肝硬変や低栄養などが原因で起こりやすい(お腹に水分がたまる)
    • 意識障害意識に異常が生じた状態の総称で、もうろうとした状態や、不適切な反応をする状態、一切の反応がない状態など多段階の症状が含まれる肝性脳症

肝細胞がんの検査・診断

  • 血液検査:以下のことを調べる
    • 肝機能の低下があるかどうか
    • 肝炎ウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である感染の有無
    • 腫瘍マーカーがんになると高値を示す採血上の項目。がんによっては固有の腫瘍マーカーがあるので、採血検査によってがんがありそうかどうかを調べることができる
  • 画像検査:腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるの大きさや位置、広がりなどを調べる
    • 腹部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、腹部の状態を調べる検査
    • CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査

肝細胞がんの治療法

  • 主な治療
    • 手術(外科的療法)
      ・肝臓の機能が良い場合は手術での切除を目指す
    • ラジオ波焼灼術などの局所療法
      ・肝臓の機能が良く、また肝細胞がんの大きさが、3cm以下かつ3個以内の場合に行われる
    • 肝動脈化学塞栓血液中を流された血栓などの異物が、細い場所で血管に詰まった状態。その先へ血流が流れにくくなってしまう
    • 化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称
      ・近年では分子標的治療薬(ソラフェニブ)による治療も行われる
    • 放射線療法主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法
    • 肝移植
  • 日本国内の死亡率は年々減少傾向にある

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