かんぞうがん(かんさいぼうがん)
肝細胞がん
肝細胞にがんが出来た状態。C型肝炎ウイルスによる慢性感染症によるものが最も原因として多い
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最終更新: 2020.12.16
肝細胞がんの基礎知識
POINT 肝細胞がんとは
肝細胞が癌化することで起こる腫瘍です。B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)・飲酒などが原因となります。進行するまで症状が出ることはほとんどありませんが、進行するとだるさ・食欲低下・微熱・黄疸(皮膚や目が黄色くなる)・腹痛などが起こります。また、肝臓の機能が著しく低下した場合は肝性脳症という状態になり、意識が悪くなったり幻覚を見たりします。症状や身体診察に加えて、血液検査・超音波検査・CT検査を用いて診断します。治療は手術・化学療法(抗がん剤治療)・ラジオ波焼灼術・肝動脈塞栓術・放射線治療の中で最も適したものが行われます。肝臓の状態が非常に悪い人では肝移植が行われることもあります。肝臓がんが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。
肝細胞がんについて
- 肝臓がんの中でも肝細胞に
がん が出来た状態 - 肝臓がんには以下の種類がある
- 主な原因
- 肝炎
ウイルス の感染B型肝炎ウイルス :約15%C型肝炎ウイルス :約60%
- 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
- 大量飲酒
- 喫煙
- 肝炎
- 男性では45歳、女性では55歳から増加し始める
- 男性の方が
発症 しやすく、患者数は女性の2-3倍である
- 男性の方が
肝細胞がんの症状
肝細胞がんの検査・診断
- 血液検査:以下のことを調べる
- 肝機能の低下があるかどうか
- 肝炎
ウイルス 感染の有無 腫瘍マーカー
- 画像検査:
腫瘍 の大きさや位置、広がりなどを調べる腹部超音波検査 CT 検査 : 肝腫瘤の診断において非造影 CTだけでは情報が限られており、可能な場合には造影CT(特に複数の時相を撮像するダイナミックCT)が行われることが多いMRI 検査:造影剤(特にEOBプリモビスト)を使用した造影MRIが肝細胞がんの検索や診断に有用である
生検 検査:初めて指摘された腫瘤では、生検で組織をとって細胞を観察し診断するエコー ガイド下生検 : エコーで針の位置を確認しながら生検し組織をとり、病理医が顕微鏡下で細胞を観察し、最終診断となる- CTガイド下生検:CTで何度か撮像しながら針の位置を確認して生検し組織をとり、病理医が顕微鏡下で細胞を観察し、最終診断となる
肝細胞がんの治療法
- 主な治療
- 手術(外科的療法)
- 肝臓の機能が良い場合は手術での切除を目指す
- ラジオ波焼灼術などの局所療法
- 肝臓の機能が良く、また肝細胞がんの大きさが、3cm以下かつ3個以内の場合に行われる
- 肝動脈化学
塞栓 術 化学療法 - 一次治療:ソラフェニブ(ネクサバール®)・レンバチニブ(レンビマ®)・ アテゾリマブ(テセントリンク®)+バンバシズマブ(アバスチン®)
- 二次治療:ラムシルマブ(サイラムザ®)・スチバーガ(レボラフェニブ®)・カボザンチニブ(カボメティックス®)
放射線療法 - 肝移植
- 手術(外科的療法)
- 日本国内の死亡率は年々減少傾向にある