かんないたんかんがん(たんかんさいぼうがん)
肝内胆管がん(胆管細胞がん)
肝臓の内部を通っている胆管にできたがん。肝臓の外の胆管からできたがん(胆管がん)とは異なる
8人の医師がチェック 151回の改訂 最終更新: 2018.02.09

肝内胆管がん(胆管細胞がん)の基礎知識

POINT 肝内胆管がん(胆管細胞がん)とは

肝内胆管がんは肝臓の内部を通っている胆管(肝内胆管)にできるがんのことです。肝臓の実質にできる肝細胞がんとは異なります。主な症状は肌や白目が黄色くなる(黄疸)・全身のかゆみ・全身のだるさなどになります。 症状や身体診察に加えて、血液検査・超音波検査・CT検査を用いて診断します。治療は手術可能であれば手術を行い、手術が難しい場合は化学療法(抗がん剤治療)が検討されます。肝内胆管がんが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

肝内胆管がん(胆管細胞がん)について

  • 肝臓の内部を通っている胆管(肝内胆管)に出来たがんのこと
    • 肝臓の外部の胆管(肝外胆管)に出来たがんとは区別される(胆管がん
  • 肝臓にできるがんの一つではあるが、一般的に「肝臓がん」と呼ばれる肝細胞がんとも区別される
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肝内胆管がん(胆管細胞がん)の症状

  • ある程度進行するまで症状が出ないことが多い
  • 進行すると出てくることの多い症状
    • 肌や白目が黄色くなる(黄疸
    • 全身のかゆみ
    • 全身のだるさ
  • その他の症状
    • 腹痛
    • 食欲不振、体重減少:悪性腫瘍全般に見られる症状であり、肝内胆管がんに固有の症状というわけではない
症状の詳細

肝内胆管がん(胆管細胞がん)の検査・診断

  • 血液検査
    • 肝機能や肝胆道系の酵素腫瘍マーカーなどを調べる
    • 初期には検査値の異常が生じにくい
  • 腹部超音波検査
    • 胆管腫瘍がないか、胆管の一部が太く膨らんでいないかを調べる
    • スクリーニング検査として行う
    • 他の病気(脂肪肝や腎臓病)の精査で受けた超音波検査肝内胆管がんが見つかることがある
  • 顕微鏡検査(病理検査)
    • 胆汁や腫瘍の一部を採取し、がん細胞の有無やその性質を調べる
    • 肝内胆管がんの有無やその種類を確定させるための検査
  • 画像検査:CTMRIPET検査
    • 診断のために行われる場合と、腹部以外の部位を撮影して転移を調べるために行われる場合がある
検査・診断の詳細

肝内胆管がん(胆管細胞がん)の治療法

  • 治療の原則は手術
  • 手術で切除が可能である場合
    • 胆管炎や胆道狭窄(閉塞性黄疸)を起こしている場合、手術前に胆道ドレナージを行い、胆汁の詰まりをなくす必要がある
    • 胆管がんの手術は複雑で大掛かりとなるため、腹部専門の外科医との相談が必要
    • 手術後は、化学療法抗がん剤治療)が行われることもある
  • 切除が難しい場合(腫瘍が周囲の臓器に広がっていて、全てを取り除くことができないような場合)
    • 化学療法が行われる(化学療法単独ではあまり効果的でないことが多い)
    • 放射線治療は効果が明確でなく、一般的な治療法とは言えない(がん転移による痛みを緩和する目的で行われることはある)
  • 症状が出て見つかるときには既に体の他の部位に転移をしている場合が多く、発見されてからの5年生存率は20%前後と、各種がんの中でも低い部類に入る
治療法の詳細

肝内胆管がん(胆管細胞がん)の経過と病院探しのポイント

肝内胆管がん(胆管細胞がん)が心配な方

肝内胆管がんは、他のがんと似て初期には症状が出づらい病気の一つです。その中でも比較的でやすい症状としては、腹部の違和感や原因不明の発熱といったものがあります。ある程度腫瘍が大きくなってくると、違和感が明確な痛みになったり、黄疸といって皮膚や目が黄色くなってきます。

ご自身が肝内胆管がんでないかと心配になった時には、まずは近所のかかりつけの病院を受診することをお勧めします。基本的な診察や血液検査を行った上で、そこから診療情報提供書(紹介状)をもらって地域の中核病院を受診しましょう。肝内胆管がんを診断する上で普段の様子やその他の病気の有無、過去の病歴、検査結果はとても参考になりますし、診療情報提供書がないと基本的な検査を一からやり直すことになってしまうためです。

肝内胆管がんの診断の基本は、血液検査と超音波検査です。これらである程度診断をつけることができますが、診断がつきにくいものや、診断がついた上でより詳しく調べたい場合などにCT検査、MRI検査(MRCPもここでは同義です)やERCP、超音波内視鏡といった検査を行います。腹部から胆管に針を刺して造影剤を流してレントゲンを撮影する方法もあります。腫瘍マーカーの測定(血液検査の一種)だけで肝内胆管がんの診断はできませんが、参考になる項目の一つです。

このように検査と診断は総合的に行われますので、診断後のより詳しい検査に進む段階では消化器病専門医か消化器外科専門医がいて、かつ、病院の規模としてベッド数が百床以上あるような、地域の中核病院が適切です。肝内胆管がんかどうかの検査と、肝内胆管がんだった場合にはそのステージを調べる検査が行われます。

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肝内胆管がん(胆管細胞がん)でお困りの方

肝内胆管がんの治療には大きく分けて、手術、化学療法(抗がん剤による治療)、放射線療法がありますが、この中でまず始めに検討されるのが手術です。手術は全てのがん細胞を体内から取り除ける可能性がある唯一の治療だからです。化学療法や放射線療法も行われることがありますが、これらは再発のリスクが比較的高く残り、その点で手術ほどの根治性がありません。

手術が行えるかどうかはご本人の体力ももちろんなのですが、がんの広がり具合によって大きくは決まります。がんの転移といって、がんが血流やリンパの流れに乗って他の臓器へ広がってしまっている場合、原則的に手術は行われません。

肝内胆管がんの手術が必要となる場合には、消化器外科専門医のいる施設が良いでしょう。化学療法や放射線療法による治療が必要となる場合には、消化器病専門医や、放射線治療専門医による治療を行います。
肝内胆管がんの治療のうち、体に負担のかかるようなものを望まない場合、そしてがんによる痛みや苦しさを取る治療だけを望む場合には、緩和ケア科のある病院や、ホスピスと呼ばれる施設(必ずしも病院とは限りません)へ入所するという選択肢もあります。しばしば誤解されがちな点ですが、緩和ケアは進行がんにしか行われないような治療ではありません。どんなに初期の肝内胆管がんであっても緩和ケアは行われます。それは、がんに対する心配や悩みを和らげることや、ドラッグストアで市販されているような痛み止めを内服するようなことも含めて、緩和ケアの一部だからです。

肝内胆管がんの手術については、ある程度の年間件数がある病院の方が術者が慣れていて望ましいと言えます。何件以上ならば良いと言うことは難しいのですが、地域内の病院で比較して手術件数が少なすぎないことは、病院を探す上で参考になる基準の一つです。

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