たんどうがん

胆道がん

胆道に発生する悪性腫瘍(胆管がん、乳頭部がん、胆嚢がん)の総称

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6人の医師がチェック 141回の改訂 最終更新: 2017.09.13

胆道がんの基礎知識

POINT胆道がんとは

胆道がんは肝臓で出来た胆汁が流れる道(胆道)に起こるがんです。がんが進行するまでは特に症状が出ないことが多いですが、進行した場合は黄疸(皮膚や目が黄色くなる変化)・発熱・右上腹部の違和感や痛み・食欲低下・体重減少などを起こします。 症状や身体診察に加えて、画像検査(CT検査、MRCP、ERCP)・超音波検査・血液検査を用いて診断します。治療法には手術・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療がありますが、がんや全身の状況を鑑みて最適な治療法を選択します。胆道がんが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

胆道がんについて

  • 胆道に発生する悪性腫瘍無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある胆管がん胆のうがん、乳頭部がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある)の総称
  • 胆管がんの特徴
    • 50-60歳代に多い
    • 男性は、女性の2倍ほど胆道がんになりやすい
    • 転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いしやすい
    • 症状が出にくく、ある程度進行してから発見されることが多い
  • 乳頭部がん
    • 胆管肝臓で作られた消化液を十二指腸まで運ぶ管。肝臓の内部にある肝内胆管と、肝臓の外にある肝外胆管に分けられるの出口である乳頭部にできる
    • 胆管がん胆のうがんと比べると経過は良好
  • 胆のうがん
    • 60歳代に多い
    • 女性にやや多い

胆道がんの症状

  • 胆管がんの場合に起こる症状
    • 黄疸ビリルビンという物質が体内に溜まることで、皮膚や白眼などが黄色くなった状態。肝臓の異常で起こることが多いが、新生児に生じるものは異常ではない:皮膚や眼球が黄色くなる
    • 尿の色が濃くなる
    • 便の色が白くなる
  • 乳頭部がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるの場合に起こる症状
    • 黄疸以外の症状が出ないことが多い
    • 黄疸の症状は、出たり消えたりする
  • 胆のうがんの場合に起こる症状
    • 胆石を合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることする場合が多い
      ・右上腹部の痛み
      ・発熱
      ・黄疸
    • 食欲不振
    • 体重減少

胆道がんの検査・診断

  • 腹部CT検査X線(放射線)を用いて腹部の状態を調べる検査。肝臓や腸などの内蔵から骨や筋肉まで、様々な組織の状態を確認することができる腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるの大きさや位置を調べる
  • 磁気共鳴胆管肝臓で作られた消化液を十二指腸まで運ぶ管。肝臓の内部にある肝内胆管と、肝臓の外にある肝外胆管に分けられる膵管撮影検査(MRCP):胆道の狭さの程度を調べる
  • 内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途がある的逆行性胆管造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすることERCP鼻もしくは口から小さいカメラを入れて、膵臓や胆管、胆のうの状態を調べる検査):胆道の狭さの程度を調べる
  • 腹部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、腹部の状態を調べる検査:胆道の状態を調べる
  • 血液検査:血液中のビリルビン黄疸の原因となる黄色い色素。赤血球の中のヘモグロビンから生じ、肝臓で処理された後に尿や便から排出されるの量や腫瘍マーカーがんになると高値を示す採血上の項目。がんによっては固有の腫瘍マーカーがあるので、採血検査によってがんがありそうかどうかを調べることができるの値を調べる

胆道がんの治療法

  • 手術によってがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるを取り除くのが一番生存率が高い
    • がん細胞をすべて取り除かなくては根治は期待できない
    • 術前の検査をしっかりと行って、目に見えないがん細胞や画像検査に写らないがん細胞が潜んでいないかを探すことが大切
  • 化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称抗癌剤治療がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称
    • 手術のできない場合に行う
    • 抗がん剤悪性腫瘍(がん)に効果を発揮する薬剤。ただし、がん以外の良性疾患に用いられることもあるの中でもゲムシタビン、シスプラチンを使用することが多い
  • 放射線療法主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法
    • 治療効果を上げるために、化学療法の補助として行うことが多い

胆道がんの経過と病院探しのポイント

胆道がんかなと感じている方

胆道がんは、他のがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあると似て初期には症状が出づらい病気の一つです。その中でも比較的でやすい症状として、腹部の違和感や原因不明の発熱といったものがあります。ある程度腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるが大きくなってくると、違和感が明確な痛みになったり、黄疸ビリルビンという物質が体内に溜まることで、皮膚や白眼などが黄色くなった状態。肝臓の異常で起こることが多いが、新生児に生じるものは異常ではないといって皮膚や目が黄色くなってきます。

ご自身が胆道がんでないかと心配になった時には、まずは近所のかかりつけの病院を受診することをお勧めします。基本的な診察や血液検査を受けた上で、そこから診療情報提供書前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。俗に「紹介状」と呼ばれているものを指す紹介状前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。正式名称は「診療情報提供書」)をもらって地域の中核病院その地域の中心となる総合病院のことで、診療所やクリニックではできないような検査や治療を請け負う役割を担っているを受診しましょう。胆道がんを診断する上で普段の様子やその他の病気の有無、過去の病歴、検査結果はとても参考になりますし、診療情報提供書がないと基本的な検査を一からやり直すことになってしまうためです。

胆道がんの診断の基本は、血液検査と超音波検査空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができるです。これらである程度診断をつけることができますが、診断がつきにくいものや、診断がついた上でより詳しく調べたい場合などにCTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査(MRCPもここでは同義です)やERCP鼻もしくは口から小さいカメラを入れて、膵臓や胆管、胆のうの状態を調べる検査、超音波内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途があるといった検査を行います。腹部から針を刺して造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること剤を流してレントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査を撮影する方法もあります。腫瘍マーカーがんになると高値を示す採血上の項目。がんによっては固有の腫瘍マーカーがあるので、採血検査によってがんがありそうかどうかを調べることができるの測定(血液検査の一種)だけで胆道がんの診断はできませんが、参考になる項目の一つです。

このように検査と診断は総合的に行われますので、精査詳しく検査をすること。精密検査の略に進む段階では一通りの検査ができるような、地域の中核病院をお勧めします。胆道がんかどうかの検査と、胆道がんだった場合にはそのステージがん等の進行の程度を示す言葉。がんの場合、大きさや広がり、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無などで決定され、治療方法に影響するを調べる検査が行われます。

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胆道がんでお困りの方

胆道がんの治療には大きく分けて、手術、化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称抗がん剤悪性腫瘍(がん)に効果を発揮する薬剤。ただし、がん以外の良性疾患に用いられることもあるによる治療)、放射線療法主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法がありますが、この中でまず始めに検討されるのが手術です。手術は全てのがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある細胞を体内から取り除ける可能性がある唯一の治療だからです。化学療法や放射線療法も行われることがありますが、これらは再発のリスクが比較的高く残り、その点で手術ほどの根治性がありません。

手術が行えるかどうかはご本人の体力ももちろんなのですが、がんの広がり具合によって大方は決まります。がんの転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いといって、がんが血流やリンパの流れに乗って他の臓器へ広がってしまっている場合、原則的に手術は行われません。

胆道がんの手術が必要となる場合には、消化器外科専門医のいる施設が良いでしょう。手術以外の治療が必要となる場合には、消化器病専門医や、放射線治療主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法専門医による治療を行います。手術については、年間の手術件数が多い病院ほど良いというわけではありませんが、同じ地域の中であれば少なすぎないところの中から探すというのも一つの考え方かもしれません。

胆道がんの治療のうち、体に負担のかかるようなものを望まない場合、そしてがんによる痛みや苦しさを取る治療だけを望む場合には、緩和ケア科のある病院や、ホスピスと呼ばれる施設(必ずしも病院とは限りません)へ入所するという選択肢もあります。しばしば誤解されがちな点ですが、緩和ケアは進行したがんにしか行われないような治療ではありません。どんなに初期の胆道がんであっても必要であれば緩和ケアは行われます。がんに対する心配や悩みを和らげることもドラッグストアで市販されているような痛み止めを内服することも大切ですので、その人その人の必要に応じた緩和ケアが行われます。

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