たんのうがん
胆のうがん
「胆のう」あるいは「胆のう管」(胆のうから出る管)にできるがんを「胆のうがん」と呼ぶ
6人の医師がチェック 116回の改訂 最終更新: 2017.12.06

胆のうがんの基礎知識

POINT 胆のうがんとは

胆のうがんは胆のうや胆のう管にできたがんです。胆のう結石・胆のう炎・胆管炎・原発性硬化性胆管炎・膵胆管合流異常のある人に胆のうがんは起こりやすいことが分かっています。初期の段階では症状がないことが多いですが、病状が進行すると腹痛・黄疸(皮膚や目が黄色くなる変化)・白色弁といった症状が出てきます。 症状や身体診察に加えて、血液検査・超音波検査・CT検査・内視鏡検査を用いて診断します。治療法には手術・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療がありますので、病状や身体の状態を感が見えて適切な治療を行います。肛門がんが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

胆のうがんについて

  • 胆のうまたは胆のう管(胆のうから出る管)にできるがんを「胆のうがん」と呼ぶ
  • 以下の疾患にかかったことがあると、がんになるリスクが高いと考えられている
  • 悪性腫瘍の約1.5%を占める
    • 50歳代以降、患者数が増加する
  • 胆のう内の粘膜や固有筋層に留まっているがんを早期がんとする
    • 早期がんであれば治療後の経過が良いことが予想される

胆のうがんの症状

  • 初期の段階では特徴的な症状はなく、腹痛や発熱程度
  • 進行すると以下の症状がみられる
    • 腹痛(右わき腹の痛み)
    • 黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)
    • 腹部腫瘤(右肋骨の下にこぶができる)
    • 白色便

胆のうがんの検査・診断

  • 腹部超音波検査胆管の閉塞部や腫瘍を調べる
    • 特に超音波内視鏡検査EUS胃カメラの先端でエコー検査ができる装置)を用いるとより近くから詳細に観察できる
  • 血液検査:肝臓の機能や腫瘍マーカーを調べる
  • 画像検査:胆のうがんの有無の確認やがんの広がりを調べる
    • 腹部CT検査
      ・胆のうがんの有無や大きさを調べる
      転移の有無を調べる
    • MRI検査
      ・胆のうがんの大きさや位置、周りへの広がりを調べる
    • 磁気共鳴胆管膵管撮影(MRCP)
      ・MRIのデータを用いて、胆道や膵管形を再構築して可視化する
    • 内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)
      ・内視鏡を使って、胆管の出口である乳頭部から胆嚢の方に向かって造影剤を注入することにより、胆道のかたちの異常がないかを調べる

胆のうがんの治療法

  • 胆のうがんの治療は手術が主体となる
    • 手術のできる状態であれば、原則的に手術で胆のうを摘出する
      ・手術を受ける体力がない場合や他の臓器に遠隔転移している場合は手術を行うことはできない
      ・周囲の臓器へも広がっている状態では、胆のう以外の臓器を合わせて摘出する場合がある
      ・同時に切除する臓器には肝臓や膵臓・十二指腸などがある
  • 遠隔転移がある場合は、化学療法放射線療法が行われる
  • 早期の胆のうがんでも再発率が高く、定期的な経過観察が必要となる
  • 早期がんでは5年生存率は80%以上であるが、進行すると50%以下になってしまう
  • 胆のう結石には胆のうがんが合併することがある
    • 胆のう結石が見つかった場合は、がんがないかも併せて確認する

胆のうがんの経過と病院探しのポイント

胆のうがんが心配な方

胆のうがんは、他のがんと似て初期には症状が出づらい病気の一つです。その中でも比較的頻度が高い症状としては、腹部の違和感や原因不明の発熱といったものがあります。ある程度腫瘍が大きくなってくると、違和感が明確な痛みになったり、黄疸といって皮膚や目が黄色くなってきます。

ご自身が胆のうがんでないかと心配になった時、まずは近所のかかりつけの病院を受診しましょう。基本的な診察や血液検査を行った上で、そこから診療情報提供書(紹介状)をもらって地域の中核病院を受診することをお勧めします。胆のうがんを診断する上で普段の様子やその他の病気の有無、過去の病歴、検査結果はとても参考になりますし、診療情報提供書がないと基本的な検査を一からやり直すことになってしまうためです。

胆のうがんの診断の基本は、血液検査と超音波検査です。これらである程度診断をつけることができますが、診断がつきにくいものや、診断がついた上でより詳しく調べたい場合などにCT検査、MR検査(MRCPもここでは同義です)やERCP、超音波内視鏡検査といった検査を行います。腫瘍マーカーの測定(血液検査の一種)だけで胆のうがんの診断はできませんが、参考になる項目の一つです。

このように検査と診断は総合的に行われますので、診断がついた上で、より詳細な検査に進む段階では消化器病専門医か消化器外科専門医がいて、かつ、病院の規模としてベッド数が百床以上あるような、地域の中核病院が適切です。胆のうがんかどうかの検査と、胆のうがんだった場合にはそのステージを調べる検査が行われます。

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胆のうがんでお困りの方

胆のうがんの治療には大きく分けて、手術、化学療法(抗がん剤による治療)、放射線療法がありますが、この中でまず始めに検討されるのが手術です。手術は全てのがん細胞を体内から取り除ける可能性がある唯一の治療だからです。化学療法や放射線療法も行われることがありますが、これらは再発のリスクが比較的高く残り、その点で手術ほどの根治性がありません。

手術が行えるかどうかはご本人の体力ももちろんなのですが、がんの広がり具合によって大きくは決まります。がんの転移といって、がんが血流やリンパの流れに乗って他の臓器へ広がってしまっている場合、原則的に手術は行われません。

胆のうがんの手術が必要となる場合には、消化器外科専門医のいる施設が良いでしょう。化学療法や放射線療法の治療が必要となる場合には、消化器病専門医や、放射線治療専門医による治療を行います。
胆のうがんの治療のうち、体に負担のかかるようなものを望まない場合、そしてがんによる痛みや苦しさを取る治療だけを望む場合には、緩和ケア科のある病院や、ホスピスと呼ばれる施設(必ずしも病院とは限りません)へ入所するという選択肢もあります。しばしば誤解されがちな点ですが、緩和ケアは進行がんにしか行われないような治療ではありません。どんなに初期の胆のうがんであっても緩和ケアは行われます。それは、がんに対する心配や悩みを和らげることや、ドラッグストアで市販されているような痛み止めを内服するようなことも含めて、緩和ケアの一部だからです。

胆のうがんの手術については、ある程度の年間件数がある病院の方が術者が慣れていて望ましいと言えます。何件以上ならば良いと言うことは難しいのですが、地域内の病院で比較して手術件数が少なすぎないことは、病院を探す上で参考になる基準の一つです。

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