げんぱつせいこうかせいたんかんえん
原発性硬化性胆管炎
結石などの詰まるものがないにもかかわらず、胆管が徐々に細くなって閉塞してしまうことで胆汁うっ滞の症状を起こしてしまう難病
4人の医師がチェック 115回の改訂 最終更新: 2018.08.16

原発性硬化性胆管炎の基礎知識

POINT 原発性硬化性胆管炎とは

原発性硬化性胆管炎は肝臓で作られた胆汁の流れる道(胆管)が徐々に細くなって閉塞してしまう病気です。閉塞が起こると胆汁がうっ滞して肝臓に負担がかかってしまうため、肝機能障害や黄疸が起こります。主な症状は発熱・右上腹部痛・皮膚のかゆみ・黄疸(皮膚や目が黄色くなる変化)・身体のだるさなどが起こります。 症状や身体診察に加えて、血液検査・超音波検査・画像検査(特にERCPやMRCPなど)を用いて診断します。また、胆管がんがないかを調べるために胆管の細胞を採取する検査を行うこともあります。症状がない軽症の場合は特に治療は行わないで様子を見ます。肝機能障害や黄疸が起こった場合は薬を用いたり内視鏡を用いたりして治療します。また、非常に重症の場合は肝移植を行うこともあります。原発性硬化性胆管炎が心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

原発性硬化性胆管炎について

  • 結石など詰まるものがないのに胆管が徐々に細くなって閉塞し、胆汁うっ滞の症状を起こしてしまう難病
  • 胆管が閉塞すると肝臓から十二指腸に向かう胆汁の正常な流れが遮られ、うっ滞することにより、黄疸感染症肝機能障害が起こる
  • 年間で人口10万人あたり1人程度発症する
    • 診断時の平均年齢は40歳
    • 患者の70%が男性
    • 判明した範囲でも全国で1,200人が罹患している
  • 欧米では患者の80%に炎症性腸疾患(特に潰瘍性大腸炎)を合併する(国内報告では34-38%が合併)
  • 小児慢性特定疾患に指定されており、申請を行えば症状の進行具合によって医療費の補助を受けることができる

原発性硬化性胆管炎の症状

  • 無症状の場合もある
  • 初期に起こる症状
    • 右上腹部痛
    • 発熱
    • だるさ
    • かゆみ
    • 黄疸
  • 発症時に右上腹部痛と発熱を繰り返す
  • だるさ、かゆみは徐々に進行し、遅れて黄疸が現れる
  • 肝障害が進行したときの症状
  • まれに起こる症状
    • 脂肪便
    • 脂溶性ビタミンの欠乏

原発性硬化性胆管炎の検査・診断

  • 血液検査:肝機能に異常の有無を調べる
    • 異常があれば原発性硬化性胆管炎を疑って検査する
    • 自己抗体の異常を伴うことがあるので、自己抗体も調べる
  • 画像で胆管が狭まったり、その上流で広がったりした箇所を確かめる
    • 超音波検査:肝臓や胆管が詰まっていないか調べる
      • 数珠状に胆管が拡張したり狭窄したりしていることが特徴的
    • CT:可能であれば胆のうダイナミック造影CT検査を行い、胆管の詳細な評価を行う
      • IgG4関連疾患に関連して硬化性胆管炎を生じる場合があり、全身のほかの病変の有無を検索する
    • ERCP:肝臓や胆道に異常がないか調べる
      • 肝臓に内視鏡から造影剤を注入してレントゲンを撮影する方法
    • MRCP:肝臓に異常がないか詳しく調べる
      • MRIを使って造影剤なしで胆道を撮影する方法
      • 胆管の状態やIgG4関連疾患に関連する硬化性胆管炎では膵臓や主膵管に病変を伴うことがあるのでこれを検索する
  • 胆管がんがないかを調べるため、ERCP下で胆管の細胞を採取して顕微鏡で検査する(擦過細胞診

原発性硬化性胆管炎の治療法

  • 無症状ならば経過観察
    • 年2回の身体診察と肝機能検査など
  • 肝機能の改善の治療(特にアルカリフォスファターゼやγ-GTP値が改善する)
    • ウルソデオキシコール酸(UDCA)
    • ベザフィブラート
    • 自己抗体陽性の場合は、副腎皮質ステロイドの投薬も行う
  • 細菌胆管炎が現れた場合
    • 必要に応じて抗菌薬などの治療が行われる
  • 内視鏡を使う治療で狭くなった胆管を広げる
    • 同時に細胞を擦り取って顕微鏡で検査することで、腫瘍を探すことができる
  • 重症の場合は肝移植が行われる
    • ただし、肝移植後の再発も多く
  • 診断から肝不全に至るまでの期間は平均で約12年

原発性硬化性胆管炎のタグ

原発性硬化性胆管炎に関わるからだの部位