[医師監修・作成]胆道がんの症状:初期症状はある?皮膚が黄色くなる黄疸とは? | MEDLEY(メドレー)
たんどうがん
胆道がん
胆道に発生する悪性腫瘍(胆管がん、胆のうがん、乳頭部がん)の総称
6人の医師がチェック 142回の改訂 最終更新: 2021.03.31

胆道がんの症状:初期症状はある?皮膚が黄色くなる黄疸とは?

胆道がんは初期には症状がなく、進行してはじめて症状が出ることが多いです。症状で多いのは皮膚などが黄色くなる黄疸などです。その他には腹痛、体重減少などが多いとされています。

1. 胆道がんで初期の症状はある?

胆道がんの初期に症状はないこともあります。症状が出る場合には、胆汁の流れが悪くなることを原因とした症状が多いです。皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)はその代表的な症状です。その他にも症状がいくつかあります。

  • 黄疸
  • 腹痛
  • 全身倦怠感
  • 吐き気(悪心)・嘔吐
  • 食欲不振
  • 暗赤色尿
  • 発熱
  • かゆみ(掻痒感)
  • 腰背部痛
  • 体重減少
  • 下痢

胆道がんの症状は多様です。また胆道がんの場所によっても現れやすい症状が違います。

胆管がんに多い症状は?

胆道の正常解剖のイラスト

胆管がんとは、胆道がんのうち肝門部領域胆管がんと遠位(中部・下部)胆管がんを合わせた呼びかたです。肝内胆管がんについては「肝内胆管がん(胆管細胞がん)とは?治療、経過、生存率などの解説」で説明しています。

胆管がんで最初に出る症状は黄疸、体重減少、腹痛、悪心嘔吐、発熱などです。

無症状で血液検査の異常などがきっかけになって胆管がんが見つかることもあります。

胆のうがんに多い症状は?

胆のうがんに多い症状は腹痛です。胆のうは袋状の形をしており右の上腹部にあります。胆のうは胆汁を溜めておいたり胆汁を濃縮する働きがあります。胆のうがんができることで、胆のうから胆汁が流れなくなり、胆のうに炎症がおきて腹痛が出ると考えられています。

胆のうがんが進行すると胆管に浸潤(しんじゅん)して胆管が狭くなったり胆管が閉塞します。浸潤とはがん細胞が隣り合った組織に入り込みながら広がっていくことです。胆管が閉塞すると黄疸などの症状が出ます。

他の症状は悪心嘔吐、体重減少、食思不振などがあります。

十二指腸乳頭部がんに多い症状は?

十二指腸乳頭部がんも胆道がんの一種です。十二指腸乳頭部がんで多く見られる症状は黄疸です。黄疸は胆汁が流れなくなることが原因です。

十二指腸乳頭部は胆道と十二指腸のつなぎ目です。十二指腸乳頭部にがんができると胆管が閉塞して胆汁が流れなくなります。胆管がん胆のうがんでも黄疸は現れますが、十二指腸乳頭部がんでは特に多い症状です。

十二指腸乳頭部がんの他の症状は発熱、腹痛、背部痛などがあります。

2. 皮膚が黄色くなる黄疸とは?

黄疸(おうだん)は皮膚や眼球結膜(しろ眼の部分)が黄色く染まる状態のことです。黄疸は、ビリルビンという物質が血液中で多くなることでおきます。黄疸と診断されるのはある程度ビリルビンが増加してからになります。初期の黄疸は、尿の色が濃く見えたりすることがあります。黄疸では体が黄色くなる以外にも症状があります。

  • 皮膚や眼球結膜が黄色くなる
  • 体がだるく感じる(全身倦怠感、疲労感)
  • 体がかゆくなる
  • 風邪のような症状
  • 微熱
  • 尿の色が濃くなる

黄疸の原因はやや複雑です。次に説明します。

黄疸の原因は?

黄疸についてやや専門的な内容を説明します。

黄疸は血液中のビリルビンの濃度が高くなることで起こります。ビリルビンは赤血球が壊れることでできる物質です。赤血球が古くなり役目を終えて破壊されるときにビリルビンが発生します。

ビリルビンは肝臓で処理されて体の外に排泄されます。肝臓でビリルビンはグルクロン酸という物質とくっつきます。これをグルクロン酸抱合(ほうごう)と言います。グルクロン酸抱合によって、ビリルビンは水に溶けやすい状態になり、効率的に排泄されます。

グルクロン酸抱合は肝臓で行われます。肝臓の機能が低下している場合にはビリルビンの処理が追い付かず血液中にビリルビンがたまってしまいます。肝臓の機能が低下することは黄疸の原因のひとつです。

ビリルビンの発生量が増えたときにも黄疸になることがあります。ある種の病気では、古くなっていない赤血球も破壊される(溶血する)異常な状態が発生します。大量の溶血があると、ビリルビンの量が肝臓で処理できる範囲を超えてしまい、血中のビリルビンの濃度が上昇します。このように、溶血をともなう病気の症状として黄疸が現れることがあります。

ビリルビンはグルクロン酸と抱合した後、胆汁の中に入って胆管内を流れていきます。胆汁は胆管を経て十二指腸に流れこんで行きます。胆汁の流れが滞ることでも黄疸があらわれます。胆道がんによって胆管が狭くなり胆汁の流れが滞ることがあり、そのために黄疸を生じます。

黄疸の原因をまとめます。

  • グルクロン酸と結合ができないもの:肝細胞性黄疸
  • 赤血球の破壊の異常によるもの:溶血性黄疸
  • 胆汁の流れが悪いもの:閉塞性黄疸

黄疸の原因は複数あります。原因によって治療が異なります。原因は血液検査などで推定することができます。黄疸を起こす病気には急いで治療しないといけないものもあり、急に黄疸が現れたときに原因を調べることは大切です。

一方、黄疸のように見えるときや本当に黄疸があるときでも、治療の必要がない場合もあります。次に説明します。

他に体が黄色くなることは?

みかんなどのいわゆる柑橘類やニンジンなどをかなり多く食べた場合に、皮膚が黄色くなることがあります。柑皮症(かんぴしょう)などと言います。柑皮症は病気ではありません。黄疸とは異なり、眼球結膜(白目の部分)が黄色くなることはありません。原因の食べ物の食べすぎをやめれば元に戻ります。見た目以外の影響もありません。

黄疸にはいくつか種類があります。その一つに体質による黄疸があり、体質性黄疸といいます。たとえばGilbert症候群ジルベール症候群)は代表的な体質性黄疸です。遺伝します。ジルベール症候群はほとんど害がありません。治療の必要もありません。

皮膚が黄色いと感じた場合は、必ずしも病的な黄疸とは限りません。医療機関を受診して原因を調べることが大事です。

3. 黄疸の治療、減黄術(げんおうじゅつ)とは?

胆道がんを原因とする黄疸は胆汁が流れなくなる閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)です。閉塞性黄疸は、胆汁の流れが滞ることが原因でおきます。

胆汁は肝臓で作られ肝臓の中の胆管(肝内胆管)を流れていきます。いくつかの肝内胆管が合流して右肝管(みぎかんかん)・左肝管となり肝臓の外へ出ていきます。左右の肝管は合流し、さらに胆のうにつながる胆のう管と合流して総胆管(そうたんかん)になります。総胆管は膵臓と十二指腸がつながるファーター乳頭(Vater乳頭)で膵管(すいかん)と合流します。胆道がん原因で胆管の流れが悪くなることにより、黄疸が発生します。

滞っている胆汁を体の外に出すことで黄疸は改善します。

黄疸を改善させる治療はいくつかあり、まとめて減黄術(げんおうじゅつ)ということもあります。減黄術により皮膚の掻痒感(そうようかん;かゆみ)、倦怠感(けんたいかん)、食思不振などの黄疸が原因と考えられる症状の改善が期待されます。

閉塞性黄疸に対する減黄術とは?

閉塞性黄疸に対する減黄術は大きく分けて2種類があります。

  • 内視鏡を利用する方法
    • ENBD(Endoscopic nasobiliary drainage:内視鏡的経鼻胆道ドレナージ
    • ステント療法(Endscopic biliary stenting:EBS)
  • 皮膚から針を刺して管を入れる方法
    • PTBD(percutaneous transhepatic biliary drainage:経皮経肝胆道ドレナージ)

4. ENBD(Endoscopic nasobiliary drainage:内視鏡的経鼻胆道ドレナージ)

ENBDの説明イラスト

ENBDは内視鏡で胆汁を体の外に出すことにより黄疸を改善する方法です。胆汁は鼻の穴を通したチューブから体の外に出ることになります。鼻から入れるチューブの太さは5-7Fr(フレンチ)です。言い換えると1.7-2.3mmという太さです。

ENBDの良い点は、胆汁が排液できているかを確認できる点です。

悪い点として、鼻から管が入っているので不快感がどうしてもあります。退院してもしばらく鼻に管を入れたままにしておく場合があります。この場合は自分で管を管理しないといけません。とはいえ、チューブの管理はお腹から管が出るPTBDよりはやりやすいと考えられます。

ENBDは実際どうやる?

ENBDは途中でX線による画像(透視)を見ながら行います。透視室という場所や専用の部屋で行われます。

手順を大まかに説明します。

  • 内視鏡が太かったり時間がかかることがあるので意識がうとうとする薬を使う場合があります。
  • 口から内視鏡を入れて十二指腸まで進めます。
  • 内視鏡の先端から細い針金(ガイドワイヤー)を出します。
  • ガイドワイヤーをファーター乳頭から総胆管に挿入します。
  • ガイドワイヤーに造影用のカテーテル(細い管)をかぶせて、カテーテルを総胆管まで進めます。
  • カテーテルから造影剤を注入して総胆管の形を写し出します。
  • カテーテルを抜いてENBDチューブを挿入します。
  • ENBDチューブの先端を肝臓の中の胆管まで進めます。
  • ENBDチューブが抜けてこないようにしながら内視鏡を抜きます。
  • ENBDチューブは口から出ている状態なので、鼻から別の管(ショートプラスティクチューブ)を挿入します。
  • 鼻から入れたショートプラスティックチューブを口から出します。
  • ENBDチューブをショートプラスティックチューブに挿入し、ショートプラスティクチューブとENBDチューブを同時に引き出します。
  • ENBDチューブが鼻から出たところでENBDチューブの先端の位置が大きく変わっていないことを確認し、ENBDチューブの留置が終了となります。

ENBDで注意が必要なことは?

黄疸が強い場合には黄疸を軽減させなければなりません。ENBDによって黄疸は軽くなることが期待できます。ENBDチューブの留置は上手くいったとしてもENBDによって引き起こされる問題(合併症)や注意点もあります。

■膵炎

ENBDチューブを留置するときの操作で膵炎が起きることがあります。原因としては胆管の流れを確認するときに造影検査などで膵管の圧力が上昇することやERCP後にファーター乳頭がむくんで膵液の流れが悪くなることが考えられます。膵炎が重症化した場合の死亡率は15.2-35.4%とかなり高いので注意が必要です。

一旦膵炎が発生すると、重症化させないように慎重に経過を見る必要があります。膵臓に刺激を与えないためにしばらく食事を控えたりもします。

参照:膵臓 2015;30:123-136

■発熱

ENBDチューブに細菌が定着して、胆管炎を起こすことがあります。ENBDによる胆管炎は重症化しやすいため、ENBDチューブが留置されている状況での発熱には注意が必要です。ENBDチューブを挿入したまま退院する場合は、どの程度の発熱で受診すべきかを質問してよく聞いておくことが重要です。

■ドレナージ不良

胆汁は粘り気が強いのでENBDチューブが詰まることがあります。ENBDチューブが詰まった場合には、交換が必要になります。胆汁が出てこないことをドレナージ不良といいます。ドレナージが不良な場合、胆汁にうっ滞が起きて胆管炎などの原因になります。チューブから出てくる胆汁の量などを把握しておくことも重要です。

ENBDチューブの管理は?

ENBDチューブを挿入後、状態が安定していると判断された場合は自宅での生活が可能になります。その際には、チューブの管理を自らの手で行う必要があります。

  • 色に注目する
  • 出てくる胆汁の量を記録する

胆汁の流れが悪くなると、胆管炎などの原因となります。胆汁の量や流れには注目が必要です。正常な胆汁は褐色でやや粘り気があり、1日分の量は500-1000mlとされています。胆汁の流れが悪くなった人の場合は、胆汁の色は茶褐色よりやや薄く、量は1日あたり2000mlを超えることがあります。急激に量が減少した場合には、閉塞(詰まっていること)が疑われます。

色の変化にも注意が必要です。緑色や透明な場合、また液体がさらさらとしている場合はチューブの位置が変わったことが想定されます。

胆汁の量や色、粘り気などを観察して、様子がおかしいと思ったら主治医に相談してください。

5. ステント療法(Endoscopic biliary stenting: EBS)

EBSの説明イラスト

閉塞性黄疸は、胆汁の通り道が一部で狭くなることによって起こります。

胆汁の流れを正常化する方法の一つに、狭くなっている部分に管を通して、胆汁の流れを確保する方法があります。管を体の外まで出して来る方法をENBDといいますが、短い管(ステント)を体の中に残してくる方法もあります。胆汁は正常な流れのとおり体の中に排出されるようになります。内(ないろう)化とも言います。内視鏡を用いて行います。

ステントを置く方法の利点は、ENBDやPTBDと違って体の外に管を出すことがなく、社会復帰が早い点や生活がしやすい点です。

反面、胆汁を体の外に取り出さないので、胆汁の色や量を観察できません。ステントが閉塞するなどの状態に気付くのが遅くなることがあります。

ステント療法は実際どうやる?

手順をおおまかに説明します。

途中でX線を使った画像を見ながら行うので、透視室という場所や専用の部屋で行われます。

  • 内視鏡が太かったり時間がかかることがあるので、意識がうとうとする薬を使う場合があります。
  • 内視鏡を口から入れて十二指腸まで進めます。
  • 内視鏡の先端から細い針金(ガイドワイヤー)を出します。
  • ガイドワイヤーをファーター乳頭から総胆管に挿入します。
  • ガイドワイヤーに造影用のカテーテルをかぶせて、カテーテルの先端を肝内胆管まで進めます。
  • カテーテルから造影剤を注入して胆管の形を確認します。
  • カテーテルを抜いて、ステントを挿入します。
  • ステントの先端が狭窄部位を十分に超えるような位置にまで進めます。
  • ステントの位置が変わらないように慎重に内視鏡を抜いてきます。

ステント療法で注意が必要なことは?

ステント留置によって引き起こされる合併症や、経過中の注意点があります。

■膵炎

ステントを留置するときの操作で膵炎が発生することがあります。総胆管の流れを確認するための造影検査で膵管の圧力が上昇することなどが原因とされます。

■発熱(胆管炎:たんかんえん)

ステントががんの増殖により閉塞したり、ステントの位置が変わってしまうことによって胆汁の流れが悪くなることがあります。。胆汁の流れが悪くなると再び黄疸や発熱が引き起こされます。ENBDと違いすぐにはステントの閉塞に気づかない場合があります。

■ドレナージ不良

がんが増殖してステントが詰まることがあります。胆汁をうまく流せなくなった状態をドレナージ不良と言います。ステントが詰まった場合には、他の場所にステントを入れたり他の減黄術を行うことがあります。

6. PTBD(percutaneous transhepatic biliary drainage:経皮経肝胆道ドレナージ)

PTBDの説明イラスト

胆道がんが胆管の中で大きくなり、胆汁の流れが悪くなることにより、黄疸が発生します。

胆汁の流れを改善させるために、閉塞している部分より上流(主に肝内胆管)に皮膚から針を刺して胆汁を出すための管(チューブ)を挿入する方法があります。肝内胆管にチューブを留置し体の外に胆汁を出すことで胆汁のうっ滞が改善し、黄疸も回復に向かいます。

この一連の手技をPTBDといいます。

PTBDは実際どうやる?

PTBDはX線を使った画像を見ながら行うので、透視室という場所で行われます。

  • 仰向けで行うことが多いです。
  • 超音波検査の画像を見ながら、最も治療の効果があると考えられる場所を探します。
  • 針を刺す部分を消毒し、滅菌された布を体全体にかけます。
  • 局所麻酔を行い、痛みが十分に取れていることを確認したうえ、針を肝内胆管に向かって刺します。
  • 針がしっかり肝内胆管に届いていることを確認するために造影剤を注入してX線の画像で観察します。
  • 針を残したままにして、針の中に細い針金(ガイドワイヤー)を挿入します。
  • ガイドワイヤーを伝って太い管を入れます。
  • 最後に太い管がしっかりと肝内胆管内にあること、胆汁が体の外に出てきていることを確認します。
  • 管を皮膚に縫い付け手技終了となります。

PTBDで注意が必要なことは?

PTBDによって引き起こされる合併症や注意点があります。

迷走神経反射

針を刺すときやガイドワイヤーを挿入して操作するときに、迷走神経反射が起きることがあります。血圧が下がる、脈が遅くなる、意識消失するなどが症状です。ほとんどは自然に回復しますが、気分が悪くなりますのでなるべく避けるよう努力します。手技の前に予防薬を使用する場合があります。手技中は血圧や脈拍などを定期的に測定します。

気胸

肺は胸腔(きょうくう)というスペースの中に納まっています。肝臓に向かって針を刺したとき、胸腔に穴が開いてしまうことがあります。胸腔に外から空気が入ってくると肺がしぼみ、呼吸がしにくくなります。これを気胸といいます。気胸は自然と治ることもあります。気胸の程度が重症と判断された場合は、胸から空気を抜いて気胸を改善させるための管を挿入することがあります。

■出血

肝臓は血流が多い臓器です。また肝臓の周囲には大きな血管があります。肝臓に針を刺すときに血管を同時に刺してしまうことがあります。手技中には気づかないこともあり、しばらくは出血がないかを確認する必要があります。出血はそのまま様子を見ていると止血される場合もありますが、出血量が多いときには、カテーテル治療などで止血しなければならないことがあります。

■感染

チューブという異物が挿入されていることで細菌が胆管内に入り込み感染を起こすことがあります。チューブからしっかり胆汁が出ているかなどに注意することが重要です。

■胆汁性腹膜炎

挿入した管が十分に胆管に入りきっていなかったり、管が閉塞していたりすると胆汁が臓器の隙間に漏れることがあります。漏れた胆汁は腹膜炎(ふくまくえん)を起こします。腹膜炎は強い腹痛や発熱を症状とします。胆汁性の腹膜炎が疑われる場合は、胆汁を体の外に出すための管を挿入しなければならない場合や手術が必要な場合もあります。

■チューブの逸脱

呼吸によってチューブが動いたりすることで自然とチューブが抜けてしまうことがあります。またチューブを引っ掛けたりしてしまうことも原因となります。

PTBDチューブの自己管理は?

PTBDでチューブを挿入後、状態が安定していると判断された場合は自宅での生活が可能になります。その際には、チューブの管理を自らの手で行う必要があります。

  • チューブを引っ掛けない 
  • 体はゆっくりと動かすことを意識する
  • 出てくる胆汁の量を記録する

チューブが閉塞したり先端の位置が大きく変わると、効果がなくなるだけでなく、発熱などの原因になります。上のポイントに気をつけて生活することが安全な管理の助けになります。

7. 黄疸による症状を和らげる工夫

黄疸による症状はかゆみが主体になります。黄疸が出ているときには肝臓の機能も低下していることが多いので、体がむくみやすくなっています。むくみ(浮腫)があると皮膚は薄く乾燥しやすくなり、かゆみをさらに助長します。

皮膚に傷がつくとかゆみは増強するのでとにかく引っかかないことが大事です。体の水分を保つこと(保湿)も効果的です。

  • ローションなどを使用する 
  • かゆみは蒸れたり、乾燥したりすると強くなるので、部屋の温度と湿度を保つ

個人個人でかゆみに対して有効な方法も異なるので、自分にあった方法を探してみてください。

8. 胆汁を飲むことがある?

ENBDやPTBDなどの黄疸の治療は体の中に溜まった胆汁を体の外に出します。減黄後には治療として体の外に出た胆汁を飲むように言われることがあります。胆汁返還といいます。

胆汁返還は腸の環境が正常に保たれるなどの効果が期待されています。胆汁は苦くて飲みにくいと思いますが、飲むことには意味があります。レモンなどを混ぜると飲みやすいと言う人もいます。医師や看護師に飲みやすくするアドバイスを求めるのもよいと思います。

参照:胆道 2014;28:120-129. Ann Surg.2004;239:510-7

9. 胆道がんでお腹が痛くなる?

胆道がんで腹痛がおきる原因にはいくつか原因が考えられます。

  • 胆管炎、胆のう炎 
  • 神経への影響

胆道がんは胆道の中で大きくなることがあります。胆道がんが大きくなると胆汁が流れるのを妨げます。胆汁の流れが悪くなると胆管や胆のうの圧が上昇して胆管炎や胆のう炎が起きて腹痛として現れることがありあます。

胆道がんは周りに浸潤(しんじゅん)しやすいがんです。浸潤とはがん細胞が隣り合った組織に入り込みながら広がっていくことです。胆道の壁は薄いので、がんが進行すると周りの神経に浸潤するのも早いです。神経に浸潤すると腹痛の原因になる可能性があります。

胆道がん以外にも胃や腸の病気が腹痛を起こすことはよくあります。腹痛だけで胆道がんを強く疑うことはありません。

10. 体がだるいのは胆道がんが原因?

胆道がんで体のだるさを認めることがあります。体のだるさは倦怠感といいます。倦怠感は血液中のビリルビン濃度が上昇する黄疸によっておきることがあります。がんがかなり進行した場合などでも倦怠感を認めることがあります。

胆道がんの治療中にだるさを感じた場合は、薬剤の副作用の可能性なども考える必要があります。まず主治医に相談してください。

もともと病気がない人でだるさを起こす原因はさまざまです。だるさだけで胆道がんを第一に考えることはありません。

11. 胆道がんでは尿が黄色くなる?

ビリルビンは古くなった赤血球が壊れてできるものです。ビリルビンは肝臓に運ばれて胆汁として体の外に排泄されます。しかし胆道がんなどで胆汁の流れが悪くなりビリルビンの排泄が上手く行かなくなるとビリルビンの血液中の濃度が高くなります。血液中のビリルビンの一部は尿として排泄されます。ビリルビンが多い尿は通常より黄色くなります。黄色が濃い場合は茶色や黒っぽい色に見えることもあります。尿が黄色くなるのは血液中のビリルビン濃度だけが原因とは限りません。内科以外にも泌尿器科などを受診して原因について調べることが大事です。

12. 胆道がんで発熱が起きる?

胆道がんでは胆管炎や胆のう炎が起きることがあります。胆道は胆汁が流れる管です。胆汁の流れが滞りそこに細菌が感染することで起きるのが胆管炎や胆のう炎です。胆管炎や胆のう炎は高熱がでることがあります。胆管炎や胆のう炎は抗菌薬などで治療します。

発熱を伴う痛みの原因には胆道炎や虫垂炎などが考えられます。中には急いで対処をしなければならないこともあるので速やかに医療機関を受診することが大事です。

13. 背中が痛いのは胆道がんが原因?

胆道がんが背中の神経に浸潤(しんじゅん)したり膵臓に影響すると背部痛が起きることがあります。胆道がんではしばしばみる症状の一つです。

胆道の壁は薄いのでがんが進行すると周りに影響しやすいです。神経に浸潤した場合には腹痛や背部痛として症状が現れることがあります。

背部痛の原因は胆道がんだけではありません。整形外科で診ているような筋肉や骨の原因も考えられます。大動脈解離腎盂腎炎(じんうじんえん)で背中が痛いと感じる場合もあります。

背部痛が気になる場合は医療機関を受診して原因について調べることが大事です。

14. 胆道がんで下痢が起きる?

下痢は食べ物の消化が上手くいかない場合に起きます。食べ物は膵臓などから出される消化酵素と反応することで消化されます。遠位胆管のうち下部胆管は膵臓の中を貫いています。下部胆管にがんができて膵臓を圧迫して消化酵素の流れが悪くなることがあります。そのため、胆管がんによって膵液の流れが悪くなり下痢が起きることも考えられます。

下痢は他にも食中毒感染症)、過敏性腸症候群などの良性の病気や、膵臓がんなどの他の悪性腫瘍を原因とすることがあります。

下痢が長引く場合には医療機関を受診して原因について明らかにすることが大事です。

15. 胆道がんでは便の色が白くなる?白色便とは?

便の色はビリルビンという物質によるものです。ビリルビンは胆汁の中に混ぜられて排泄されています。胆汁が流れなくなるとビリルビンも体の外に出すことができなくなります。このために便に色がつかなくなり場合によっては白色便が出ます。

白色便は胆道がん以外にも胆汁の流れが悪くなった状況では出る可能性があります。また、

白色便が出た場合は内科や消化器内科を受診して原因について精査をすることが大事です。

16. 症状で胆道がんのステージはわかる?

症状でステージを正確に知ることは難しいです。症状は同じ病気にかかった人のすべてに現れるものではありません。このために症状とステージを対応させることは難しいです。

ステージはどうやって決めているのか?

がんのステージは「がんができた臓器での状態」、「リンパ節転移の状態」、「遠隔転移の有無」の3つの組合わせで決めることが多いです。症状は考慮されないことがほとんどです。胆道がんのステージは大きく4つに分けます。

詳しくは「胆道がんの余命は?ステージと生存率とは?」で説明しています。

胆道がんのステージを決めるための検査の順序

ステージを決める目的は?

ステージを決めることは適切な治療方法を選ぶことなどに役に立ちます。ステージのもう1つの使われ方としては生存率などを推定することができます。

症状は生存率には関係がないのか?

症状がきっかけでがんが発見されると「症状がなくてがんが発見された場合」より進行しているのではと心配になると思います。

胆道がんは黄疸がない方が生存率が長いという報告もある一方で関係がないとする報告もあります。がんの進行と症状は必ずしも一致しないので無症状のうちにステージIVと診断されることもあれば黄疸などの症状があってもステージIと診断されることはあります。

症状がきっかけでみつかったからその後の治療が必ずしも難しい訳ではありません。まずは医師から説明された自分の状況をしっかりと理解して治療などに気持ちを切り替えていくことが大事です。

参照:Arch Surg.2009;144:441-447. J Clin Gastroenterol.2006;40:162-166. World J Surg.2005;29:519-523