かんがしゅ
肝芽腫
小児の肝臓に発生する悪性腫瘍
7人の医師がチェック 85回の改訂 最終更新: 2019.02.13

肝芽腫の基礎知識

POINT 肝芽腫とは

子どもの肝臓に発生する悪性腫瘍の1つです。男の子に多い傾向にあります。がん細胞が増えるのを抑える遺伝子に異常が生じることが原因だと考えられています。腹部の腫瘤感、体重不良、哺乳力のの低下、発熱などが主な症状です。診断のために血液検査や画像検査(超音波検査、CT検査、MRI検査)などが行われます。抗がん剤治療と手術が組みあわせて行われます。治療から3年経過して問題がなければ、再発の可能性は大きく減少します。肝芽腫は小児科や小児外科、肝胆膵外科などが協力して治療が行われます。

肝芽腫について

  • 英語名:Hepatoblastoma
  • 小児の肝臓に発生する悪性腫瘍
    • 小児の肝臓に発生する悪性腫瘍の中で最も多い
    • 男女比=2:1
  • がん細胞の増殖を抑制する遺伝子に生じる異常が原因であると言われている
  • 年間発生数は約30~40人程度
    • 小児の悪性腫瘍の約2%を占める
  • 小児慢性特定疾患に指定されており、申請を行えば症状の進行具合によって医療費の補助を受けることができる

肝芽腫の症状

  • 主な症状
    • 腹部の肝臓がある位置に硬い凸凹のこぶができる
    • 発育不全
    • 栄養障害
    • 体重増加不良
    • 哺乳力の低下
    • 不機嫌
    • 発熱

肝芽腫の検査・診断

  • 触診:腹部の凸凹がないかなどを調べる
  • 血液検査:腫瘍マーカーなどを調べる
  • 画像検査:腫瘍の大きさや浸潤の程度などを調べる
    • 超音波検査
    • CT検査
    • MRI検査
  • 造影検査:腫瘍に栄養を運ぶ血管の通り具合などを調べる
  • 鑑別すべき疾患

肝芽腫の治療法

  • 化学療法と手術を組み合わせた治療が基本
    • 適切な化学療法を行って再発を予防することが重要
  • 腫瘍が肝臓の半分以下の大きさにとどまっている場合は治療成績が良い
    • 診断から3年が経過すると再発の可能性は大きく減少する

肝芽腫が含まれる病気

肝芽腫のタグ

肝芽腫に関わるからだの部位