じんがしゅ(うぃるむすしゅよう)
腎芽腫(ウィルムス腫瘍)
子どもの腎臓にできる悪性腫瘍。小児の3大悪性腫瘍の1つ
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最終更新: 2022.02.07
腎芽腫(ウィルムス腫瘍)の基礎知識
POINT 腎芽腫(ウィルムス腫瘍)とは
乳幼児期にみられる腎臓の悪性腫瘍です。ウィルムス腫瘍(Wilms腫瘍)とも呼ばれます。患者さんのうち90%が5歳以下で発症し、1.2-1.5万人に1人、1年間に80-100人に発症するまれな病気です。やや女児に多い傾向にあります。腎臓が非常に大きくなるので、腹部のふくらみをきっかけに発見されることが多いです。他に筋肉や骨、皮膚、心臓、肺に異常を認めることがあります。CT検査などで腫瘍の広がりを確認し、治療は手術や抗がん剤、放射線治療などを組み見合わせます。小児で前にはなかったお腹の膨らみなどが気になる場合は小児科や泌尿器科を受診することをお勧めします。
腎芽腫(ウィルムス腫瘍)について
腎芽腫(ウィルムス腫瘍)の症状
- 主な症状
- 腹部の硬い腫瘤(しこり)
- 全体あるいは部分的な腹部の膨らみ、張り
- その他の起こりうる症状(進行した場合の症状を含む)
- 腹痛
- 嘔吐
- 発熱
血尿
- 進行するとほかの臓器(肺、
リンパ節 、肝臓、骨など)に転移 することもある
腎芽腫(ウィルムス腫瘍)の検査・診断
- 画像検査:腎臓の
腫瘍 の大きさや位置などを調べる腹部レントゲン 検査(X線 写真)腹部超音波検査 MRI 検査
- 必要に応じて
転移 (主に肺への転移)がないか調べる胸部レントゲン 胸部CT検査 など
腎芽腫(ウィルムス腫瘍)の治療法
- 主な治療
- 手術
化学療法 放射線療法
- 具体的な治療法と治療の流れ
- 手術で
腫瘍 を腎臓とともに取り出し、組織診 (顕微鏡で観察すること)を行う- 判明した病型分類に応じて化学療法・放射線療法に進むのが標準的
- 手術の前に化学療法を行うこともある
- 化学療法でよく使われる薬剤はビンクリスチン、アクチノマイシンDなど
- 手術で
- 術後の化学療法・放射線療法は再発防止を期待して行われる
- 経過良好群では、手術してから2年間後も生存する割合は90%前後
腎芽腫(ウィルムス腫瘍)のタグ
腎芽腫(ウィルムス腫瘍)に関わるからだの部位
