てんいせいかんがん
転移性肝がん
体内の中でも肝臓以外のどこかにあるがんが肝臓に転移した状態
6人の医師がチェック 100回の改訂 最終更新: 2017.12.06

転移性肝がんの基礎知識

POINT 転移性肝がんとは

転移性肝がんは肝臓以外の臓器にできたがんが肝臓に転移したものを指します。大腸がんによるものが最も多く、そのほかでは胃がん・膵がん・胆道がん・乳がん・肺がんなどが肝転移を起こすことが多いです。症状が出ない場合多いですが、病状が進行すると腹部膨満感・倦怠感・腹痛・黄疸(皮膚や目が黄色くなる)などが出現するようになります。 症状や身体診察に加えて、血液検査・超音波検査・CT検査を用いて診断します。診断が難しい場合には、体外から針を刺し肝細胞の一部を採取して顕微鏡で調べる検査を行います。転移元もがんに対する治療が最も優先されますが、大腸がんや神経内分泌腫瘍による肝転移では手術を行う場合もあります。転移性肝がんが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科などを受診して下さい。

転移性肝がんについて

転移性肝がんの症状

  • 症状は出ないことが多い
    • がん転移に対するスクリーニング検査で見つかることも多い
  • 以下の様な症状が出ることがある
    • 腹部膨満
    • 倦怠感
    • 腹痛
    • 黄疸   など

転移性肝がんの検査・診断

  • 超音波検査腫瘍の有無を調べる
  • CT検査:腫瘍の大きさや位置を調べる
  • MRI検査:腫瘍の大きさや位置を詳しく調べる
  • 腹部血管造影検査:腫瘍の有無を調べる
  • シンチグラフィ:他の臓器に転移していないか調べる
  • 血液検査:腫瘍マーカー、肝機能検査値を調べる
  • 組織診断(肝生検):診断がつかない場合は、病変に針を刺して細胞を採取して顕微鏡で調べる

転移性肝がんの治療法

  • 元のがんに対する治療(化学療法や手術)に加えて、可能であれば手術による切除を行う
  • その他の治療法
    • 放射線療法
    • 持続肝動脈動注療法:血管内にカテーテルを留置し、持続的に薬物を入れる
  • 転移した元のがんが残っている場合は治療が難しく、長期的な生存は難しい
  • 肝転移切除後の5年生存率は30-50%と言われている