らんそうがん

卵巣がん

卵巣にできた悪性腫瘍のこと。大きく3種類に分けられるが、上皮性卵巣がんというタイプが多い

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10人の医師がチェック 99回の改訂 最終更新: 2017.12.06

卵巣がんの基礎知識

卵巣がんについて

  • 卵巣子宮の両側にある器官で、女性ホルモンを分泌したり、卵子を作り出したりする働きを持つものにできた悪性腫瘍無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある
  • がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるが発生した場所から以下の3種類に分けられる
    • 上皮性卵巣がん:卵巣を覆う部分
    • 胚細胞性卵巣がん:これから卵子になる細胞
    • 性索間質性卵巣がん:ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるをつくるところ
  • 卵巣がんの90%が上皮性
    • 50-60歳代に多い
    • 胚細胞性はまれで、若年者にみられる
  • 以下のような人が卵巣がんになるリスクが高い
    • 家族に卵巣がんの人がいる
    • 出産したことがない人
    • 子宮内膜症のある人
  • 卵巣がんのステージがん等の進行の程度を示す言葉。がんの場合、大きさや広がり、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無などで決定され、治療方法に影響するは簡単には以下のように分けられる
    • 1期:がんが卵巣にとどまっている
    • 2期:がんが周り(子宮、卵管、膀胱、直腸)に広がっている
    • 3期:がんがお腹(腹膜)やリンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れるまで広がっている
    • 4期:がんが肝臓や、お腹以外の部分に遠隔転移がんが離れた他の臓器へ転移すること。転移の中でも、リンパ節転移と対比的に使われる用語している
  • BRCA1、BRCA2という遺伝子が、乳がんと卵巣がんを高い確率で引きおこすことが知られており、遺伝性乳がん卵巣がん症候群とも呼ばれることがある
    • BRCAとはBreast cancer(乳がんという意味)の略

卵巣がんの症状

  • 卵巣がんは、初期ではほとんど症状がない
    • 自覚症状がなく、気づいたら進行しているということが多い
    • Silent Cancer(静かながん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある)と呼ばれこともある
  • 進行すると以下の症状が起こる
    • お腹全体が張る(腹水お腹の中に水がたまってくる現象。肝硬変や低栄養などが原因で起こりやすいが溜まるため)
    • お腹にしこりを触れる
    • 頻尿排尿のため、トイレに何度も行かなければならない状態。原因は様々であるが、膀胱や尿道、神経に何らかの異常があることで起こる
  • さらに進行すると、胸水肺の周りに溜まった液体。心不全、胸膜炎などが原因で溜まる。胸水があると肺が広がりづらくなるために呼吸がしづらくなるがたまり息切れが起こることがある
  • 性器からの異常な出血やおりものなどは出ないことが多い

卵巣がんの検査・診断

  • 血液検査:腫瘍マーカーがんになると高値を示す採血上の項目。がんによっては固有の腫瘍マーカーがあるので、採血検査によってがんがありそうかどうかを調べることができるなどを調べる
  • 画像検査:腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるの大きさや位置などを調べる
    • 超音波検査空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができる(経腹、経腟)
    • 腹部CT検査X線(放射線)を用いて腹部の状態を調べる検査。肝臓や腸などの内蔵から骨や筋肉まで、様々な組織の状態を確認することができる
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査
  • 腹水お腹の中に水がたまってくる現象。肝硬変や低栄養などが原因で起こりやすい細胞診病気を詳しく調べるために、病変のかけらである細胞を採取して、顕微鏡で調べる検査。腫瘍が、がんかどうかを調べる時などに行われる。より詳しく調べるのが組織診:腹水を取り(腹部もしくは経腟から細い針を刺してとる)そこに含まれる細胞を調べる
    • がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある細胞が含まれていれば顕微鏡で見つけることができる
    • ただし、がんがあっても必ずがん細胞が腹水に含まれているわけではないので、がんを否定するためには全身の所見検査や診察から分かる情報のことと併せて判断する必要がある
  • 組織診病気を詳しく調べるために、体や病変の一部を切除して顕微鏡で調べる検査。例えば、腫瘍ががんか否かを調べる時などに行われる:腫瘍や周囲の組織を一部切り取り、がんでないか調べる
  • 画像検査だけでがんのステージがん等の進行の程度を示す言葉。がんの場合、大きさや広がり、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無などで決定され、治療方法に影響するを決定することは難しく、実際に手術をして組織診を行って初めてステージが確定する

卵巣がんの治療法

  • 以下の治療は主に上皮性卵巣がんの治療
  • 基本的には手術と化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称を組み合わせる
  • 手術の基本は子宮全摘+両側の卵巣子宮の両側にある器官で、女性ホルモンを分泌したり、卵子を作り出したりする働きを持つものの切除+周りの組織(腹膜や大網、リンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れる)の切除を行う
    • がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるの広がりに応じて、手術をして切り取る部分を広くする
    • 直腸や膀胱なども一緒に切除されることもある
    • 3期や4期などのがんがお腹や全身に広がっている場合は、術前に化学療法を行って、がんを小さくしてから手術を行う場合も多い
  • 卵巣がんの治療は手術だけで済むことはまれで、初期以外は化学療法を組み合わせる
  • 卵巣がんの種類は多く、化学療法が効きやすいものとそうでないものがある
  • 多くの場合で進行して周囲の組織に広がっていることが多い
  • 再発しやすいため、化学療法で再発予防を行う
  • 5年生存率診断、治療開始から5年経過後に生存している患者の割合。命に関わるがんなどの病気で用いられることが多い数値は、ステージがん等の進行の程度を示す言葉。がんの場合、大きさや広がり、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無などで決定され、治療方法に影響するが1期であれば90%近いが、3期より進行している場合は50%以下になってしまう

卵巣がんに関連する治療薬

抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)

  • 細胞の増殖に必要なDNAやRNAの合成を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAやRNAの合成が必要となる
    • 本剤は細胞内のDNAに結合するなどしてDNAやRNAの合成を阻害するなどして抗腫瘍効果をあらわす
  • 本剤は土壌などに含まれるカビなどの微生物由来の薬剤であり抗がん性抗生物質と呼ばれる
抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)についてもっと詳しく

白金製剤(プラチナ製剤)

  • 細胞増殖に必要なDNAに結合することでDNA複製阻害やがん細胞の自滅を誘導し抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAの複製が必要となる
    • 本剤はがん細胞のDNAと結合し、DNAの複製とがん細胞の自滅を誘導することで抗腫瘍効果をあらわす
  • 本剤は薬剤の構造中に白金(プラチナ:Pt)を含むため白金製剤と呼ばれる
白金製剤(プラチナ製剤)についてもっと詳しく

NK1受容体拮抗薬

  • 抗がん薬による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬
    • 抗がん薬投与による悪心・嘔吐は延髄に嘔吐中枢に刺激が伝わりおこる
    • 脳のCTZや中枢神経に多く存在するNK1(ニューロキニン1)受容体が作用を受け嘔吐中枢に刺激が伝わる
    • 本剤はNK1受容体を阻害することで嘔吐中枢への刺激を抑える
  • 原則として、5-HT3受容体拮抗薬と併用して使用する
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