神経内分泌腫瘍 - 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)
しんけいないぶんぴつしゅよう
神経内分泌腫瘍
神経内分泌細胞から発生する腫瘍で、ホルモンを過剰に産生して特有の症状を出すこともある
2人の医師がチェック 83回の改訂 最終更新: 2020.12.17

神経内分泌腫瘍の基礎知識

POINT 神経内分泌腫瘍とは

神経内分泌細胞はホルモンなどを分泌する細胞のことです。膵臓や消化管(胃や小腸、大腸など)にできることが多いですが、下垂体や甲状腺、副甲状腺、副腎にもできます。神経内分泌腫瘍はホルモンを過剰に作り出して、特有の症状が現れ、腫瘍のタイプによって症状がかわります。例えば、インスリノーマであれば、低血糖にともなう症状(手足の震えや意識の消失)が現れ、ガストリノーマであれば胃や十二指腸に潰瘍ができます(詳しくは下記の「神経内分泌腫瘍の症状」を参考)。神経内分泌腫瘍が疑われる人には血液検査や尿検査、画像検査、病理検査が行われて詳しく調べられます。手術によって腫瘍をと乗り除くことが治療として有効ですが、手術で取り切れない場合には薬で治療されます。神経内分泌腫瘍は消化器外科や内分泌内科などで検査や治療が行われます。

神経内分泌腫瘍について

  • ほとんどは膵臓や消化管に発生する
  • 下垂体甲状腺、副甲状腺、副腎などに発生することもある
  • ホルモンを産生し、そのホルモン過剰による症状が現れる「機能性」と、そういった症状のない「非機能性」に分けられる
  • 「機能性」の場合、分泌するホルモンによって分類され、症状も異なる
  • 機能性神経内分泌腫瘍はホルモン過剰による症状で見つかることが多い
  • 診断が難しい。最初にホルモン過剰による症状が出てから、診断までに5-7年かかるという報告がある
  • 非機能性神経内分泌腫瘍は基本的に症状がなく、検診や別の目的で行ったCT内視鏡検査で見つかることが多い
  • インスリノーマは90%が良性転移が少ないが、他の腫瘍悪性度が高く、転移が多い
  • 多発性内分泌腫瘍1型やフォン・ヒッペル・リンドウ(von Hippel-Lindau, VHL)病に合併することがある

神経内分泌腫瘍の症状

神経内分泌腫瘍の検査・診断

  • 血液検査:血中のホルモンを調べる
  • 尿検査:尿中のホルモンを調べる
  • 画像検査:腫瘍の状態を調べる
    • 腹部超音波検査:腫瘍の大きさや位置を調べる
    • CT検査:腫瘍の大きさや位置のほか、造影可能であればダイナミック造影CT検査を行い、神経内分泌腫瘍に特徴的な造影パターンがあるかどうかを調べる
    • MRI検査:腫瘍の大きさや位置、腫瘍の性状などを詳しく調べる
    • PET検査:腫瘍がブドウ糖を取り込む性質を利用して、検査薬を注射した後に画像を撮影し、腫瘍の位置を調べる
    • ソマトスタチン受容体シンチグラフィ:神経内分泌腫瘍に存在するソマトスタチン受容体に結合する物質(オクトレオチド)を注射し、数時間してから画像を撮影して腫瘍の位置を調べる
  • 病理組織検査
    • 生検や手術で採取した組織を顕微鏡で詳しく調べることで、診断が確定される
    • 手術で摘出した後に診断が判明することもある

神経内分泌腫瘍の治療法

  • 手術は唯一完治が期待出来る治療法である
    • 腫瘍の場所や種類によるが、転移がなく手術で全て摘出できれば完治する可能性もある
    • 消化管神経内分泌腫瘍では、腫瘍の部位や大きさによっては内視鏡治療も選択肢となる
  • 遠隔転移がある場合や手術で取りきれない場合には薬剤を中心とした集学的治療が行われる
    • 生物学的製剤(ソマトスタチンアナログ)
    • 分子標的薬(エベロリムス、スニチニブ)
    • 抗がん剤(ストレプトゾシン)
    • 肝転移に対する局所治療(ラジオ波焼灼術、肝動脈塞栓術)
    • 骨転移や脳転移に対する放射線治療