しんけいないぶんぴつしゅよう
神経内分泌腫瘍
神経内分泌細胞から発生する腫瘍で、ホルモンを過剰に産生して特有の症状を出すこともある
2人の医師がチェック 79回の改訂 最終更新: 2018.04.22

神経内分泌腫瘍の基礎知識

神経内分泌腫瘍について

  • ほとんどは膵臓や消化管に発生する
  • 下垂体甲状腺、副甲状腺、副腎などに発生することもある
  • ホルモンを産生し、そのホルモン過剰による症状が現れる「機能性」と、そういった症状のない「非機能性」に分けられる
  • 「機能性」の場合、分泌するホルモンによって分類され、症状も異なる
  • 機能性神経内分泌腫瘍はホルモン過剰による症状で見つかることが多い
  • 診断が難しい。最初にホルモン過剰による症状が出てから、診断までに5-7年かかるという報告がある
  • 非機能性神経内分泌腫瘍は基本的に症状がなく、検診や別の目的で行ったCT内視鏡検査で見つかることが多い
  • インスリノーマは90%が良性転移が少ないが、他の腫瘍悪性度が高く、転移が多い
  • 肝転移があると有効な治療がなく、厳しい
  • 多発性内分泌腫瘍1型や多発性内分泌腫瘍2型に合併することがある

神経内分泌腫瘍の症状

神経内分泌腫瘍の検査・診断

  • 血液検査:血中のホルモンを調べる
  • 尿検査:尿中のホルモンを調べる
  • 画像検査:腫瘍の状態を調べる
    • 腹部超音波検査:腫瘍の大きさや位置を調べる
    • CT検査:腫瘍の大きさや位置のほか、造影可能であれば膵臓ダイナミック造影CT検査を行い、神経内分泌腫瘍に特徴的な造影パターンがあるかどうかを調べる
    • MRI検査:腫瘍の大きさや位置、腫瘍の性状などを詳しく調べる
  • 病理組織検査
    • 生検や手術で採取した組織を顕微鏡で詳しく調べることで、診断が確定される
    • 手術で摘出した後に診断が分かることもある

神経内分泌腫瘍の治療法

  • 手術は唯一完治が期待出来る治療法である
    • 腫瘍の場所や種類によるが、転移がなく手術で全て摘出できれば完治する可能性もある
  • ホルモン過剰による症状があるけれども腫瘍の場所が分からない場合や転移がある場合、手術で取りきれない場合は治療が難しい
    • 症状を改善したり、生存期間を延ばすために下記のような治療が行われる
    • 生物学的製剤(ソマトスタチンアナログやインターフェロン
    • 分子標的薬
    • 肝転移に対してはラジオ波焼灼術や肝動脈塞栓術を行う

神経内分泌腫瘍に関連する治療薬

分子標的薬(アベルマブ〔ヒト型抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体〕)

  • がん細胞を攻撃するリンパ球T細胞の免疫応答を増強し抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 通常であれば、がん細胞は体内で異物とされリンパ球のT細胞によって攻撃を受けるが、がん細胞はPD-L1という物質を過剰発現させ、T細胞による攻撃から逃れている
    • 本剤はPD-L1に結合することで、PD-L1の受容体であるPD-1との相互作用を阻害し、T細胞による免疫応答を増強する

  • 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(アベルマブ〔ヒト型抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体〕)についてもっと詳しく


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