2015.11.24 | ニュース

画像で100個以上のがんを発見!PET/CTの精度は?

神経内分泌腫瘍の患者53人で転移を検索

from European radiology

画像で100個以上のがんを発見!PET/CTの精度は?の写真

がんを見つけ出す画像検査にはいくつかの方法があり、長所を組み合わせたPET/CTも使われています。ほかの画像検査と比べて、PET/CTががんを発見する性能が検証されました。

◆PETとCTの長所を組み合わせる検査

画像検査のうち、CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査は臓器の形を細かく描き出すことができますが、見つけにくい種類のがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるもあります。PETは特定の物質の代謝体内で行われる、物質の合成や分解などの化学反応のことが盛んな場所を見つけ出すことができ、ある種のがんにはよく反応すると言われていますが、臓器の細かい構造の中でどの位置にあるかがわかりにくい欠点があります。

PET/CTは、この2種類の画像を重ね合わせることで、PETで見つかる変化がどの場所にあるかを正確に知ろうとする方法です。

この研究は、PET/CTと、原理の違うSPECT画像検査の一種で、体の各部位への血流量を調べるもの。主に脳や心臓などの血流の変化を調べることが多いという画像検査を比較して、神経内分泌腫瘍という種類のがんの転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いを見つける性能を調べました。

転移のある神経内分泌腫瘍の患者53人が対象となり、SPECTとPET/CTの両方で検査され、どちらの画像で多くのがんを見つけられるかが検討されました。

 

◆最大105個のがんを発見

次の結果が得られました。

[...]PET/CTでは1,098個の病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことが観察され(範囲1個から105個、中央値15個)、SPECTでは660個(範囲0から73個、中央値9個、P<0.0001)であり、そのうちPETによる追加病変は439個(患者53人中42人)、SPETCによる追加病変は1個(53人中1人)だった。

PET/CTでは一人の患者から最大105個、合計1,098個のがんが見つかりましたが、SPECTでは最大73個、合計660個でした。SPECTで見つからずPETで見つかったものは439個ありましたが、PETで見つからずSPECTで見つかったものは1個だけでした

 

神経内分泌腫瘍の検査をする上で役に立つ情報かもしれません。

ただし、がんが画像に写るかどうかなどの性質はがんの種類によって大きく異なり、神経内分泌腫瘍ではPET/CTが優れているかもしれませんが、ほかの種類のがんにも当てはまるとは限りません。実際の検査では、それぞれの方法の特徴をよく見極めて、適したものを使い分けることが重要です。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Comparison of diagnostic accuracy of 111In-pentetreotide SPECT and 68Ga-DOTATOC PET/CT: A lesion-by-lesion analysis in patients with metastatic neuroendocrine tumours.

Eur Radiol. 2015 Jul 12 [Epub ahead of print]

[PMID: 26162577]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]