2026.07.08 | コラム

梅雨、台風の時期は片頭痛が起こりやすい?ー天気と片頭痛の関連とその対策について

天気の変わり目に、頭がズキズキする、こめかみが締め付けられる、と感じたことはありませんか?
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「雨が降る前になると頭痛が起こりやすい」という話を聞くことがありますが、近年の研究から、気候の変化が私たちの身体に影響を与えることが示唆されています。今回は、片頭痛が、どのような天気のときに起こりやすいのか、対策とともに解説します。

1. そもそも片頭痛とは?

片頭痛のほとんどでは、頭の片側がズキズキと脈打つように痛むのが特徴です。

日本の疫学調査によると、日本人の約8.4%が片頭痛を経験したことがあるとされています(1)。主な特徴として、一度発作が起きると4-72時間痛みが持続すること、痛みに伴って吐き気や嘔吐、光や音に過敏になるといった症状が挙げられます。また、片頭痛を持つ人の実に74%が日常生活に支障をきたしている、と報告されており、生活の質に大きな影響を与える病気です(1)。

患者さんの中には、頭痛が始まる前に「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる前兆が現れる人がいます。これは視野のなかにキラキラ・ギザギザした光の波が見え、徐々に広がって見えづらくなる現象です。

こうした片頭痛の発作は、寝不足や寝すぎ、カフェインの過剰摂取、女性の場合は生理など、日常のさまざまなストレスや変化が引き金となって起こりやすくなります。

 

2. 台風や雨の前にズキズキする理由:気圧や気温の変化

片頭痛持ちの人にとって、天敵の一つが気圧の変化や台風です。

天気と片頭痛の関係について31個の研究をまとめた2025年の報告では、気圧や気温の変化が片頭痛発作との間に関連が見られました(2)。

また、ハーバード大学関連病院であるベスイスラエルメディカルセンターの救急外来を受診した7,054人の頭痛患者さんを対象とした研究(3)では、気温や気圧の変化が頭痛のリスクを高めることが示されています。具体的には、気温が24時間以内に5度上昇すると頭痛のリスクが7.5%増加することや、2-3日前に気圧が5mmHg (約6.7ヘクトパスカル) 低下したときに頭痛が起こりやすかったこと、が報告されています(※この研究は片頭痛だけでなく頭痛全般を対象としています)。

さらに近年では、スマートフォンアプリデータを活用した研究により、天気と頭痛の関連性が検証されています。日本の頭痛記録アプリのビッグデータをAI(人工知能)で解析した研究(4)では、低気圧、雨、高湿度が頭痛の発生と深く関わっていることが示されました。特に気圧が急激に変化したタイミングで頭痛が誘発されやすかったことが報告されています。

 

3. 天気に振り回されないための3つの予防策

このように気温や気圧の変化が片頭痛の誘発因子になることが報告されています。そのため、天気予報で気温の変化や悪天候が予想される場合は、痛みに振り回される前に以下のような対策をすることができます。

 

①予兆を感じたら早めの対処

片頭痛の薬(トリプタンや痛み止めなど)は、痛みが本格化する直前に飲むのが効果的です。痛みがピークに達してからでは、薬が効きにくくなります。天気が崩れる予報が出ていたり、「頭痛が来そうだな」という予兆を感じたときは、薬を服用できるよう、常に携帯しておくと安心です。

 

②リスクのある日は静かに過ごす

雨の日や気圧が激しく変動すると予想される日は、寝不足や寝すぎを避け、カフェインやアルコールの摂りすぎに注意するなど、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。そういった日には大事な予定を詰め込まず、意識して静かに過ごすことも生活に支障をきたさないための予防策です。

 

③頭痛日記をつけて自分のパターンを知る

自分の頭痛がどんな気象変化があった時に起こりやすいのか、雨の降る何時間前に予兆が来るのか、を記録しておくと、次の予測が立ちやすくなり、不安感を減らすことができます。最近は、文献(4)の研究でも使われたような、頭痛記録できる便利なスマートフォンアプリもあります。これらを活用して、頭痛のパターンをあらかじめ把握することも有効な手段です。

 

おわりに

梅雨や台風の時期における天気と片頭痛の関連性、そしてその対策について解説しました。

天気を変えることはできません。しかし、天気予報を味方につけて、「明日は気圧が下がりそうだから、薬を常備して、無理のないスケジュールにしよう」というように先回りすることは可能です。

気象の変化に左右されない片頭痛の対策に役立てていただければ幸いです。

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。