2016.03.20 | コラム

片頭痛でピル(経口避妊薬)は危ない?その理由と根拠を解説

黄体ホルモン・卵胞ホルモン混合製剤の禁忌について
片頭痛でピル(経口避妊薬)は危ない?その理由と根拠を解説の写真
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この記事のポイント

1. 片頭痛と月経周期の関係
2. ピル(経口避妊薬)とはどんな薬か
3. 片頭痛を持つ人がピルを飲むことに危険性はあるか

片頭痛は若い女性でも多い病気です。女性が主体となって避妊する方法としてピル(経口避妊薬)がありますが、片頭痛を持つ女性ではピルを使わないほうがよいと考えられる場合もあります。

◆片頭痛と月経周期の関係

片頭痛偏頭痛)は、頭の片側がズキズキと痛む発作が典型的な症状で、激しい痛みにより吐き気や嘔吐を起こしたり、日常生活を妨げたりすることもあります。

片頭痛の特徴のひとつが「前兆」と総称される症状です。前兆は片頭痛の発作の前に現れ、光が見えるなどの視覚症状が一般的とされますが人によってさまざまな感じかたがあります。前兆はある人もない人もいます。

片頭痛は男性より女性に多く、また月経(生理)の周期にともなって症状を現す場合があります。

 

◆ピル(経口避妊薬)とはどんな薬か

一般的に「ピル」と呼ばれる経口避妊薬は、卵胞ホルモンエストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストーゲン)という女性ホルモンの作用を持つ薬剤を混合したものです。「ピル」は避妊薬としても知られていますが、女性ホルモンが関係するさまざまな病気や症状に対して治療目的で使う場合もあります。「ピル」にはいくつもの種類があり、含まれているエストロゲンの量によって「低用量ピル」「中用量ピル」などと分類されます。現在、避妊目的に使われる「ピル」は低用量ピルが主流となっています。

避妊目的のピルの一般的な副作用として、吐き気などの消化器症状、乳房痛などのほか、頭痛が現れることもあります。副作用としての頭痛は、人によってはピルの使用を中止する判断の理由となることも考えられます。

ほか非常にまれとされますが、血栓症などの深刻な副作用にも注意が必要とされます。

 

◆片頭痛を持つ人がピルを飲むことに危険性はあるか

片頭痛がある人は、ピルが適していない(禁忌)と判断される場合があります。『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』には、「前兆のある片頭痛ではエストロゲンを含有する経口避妊薬は原則禁忌であり、その他の避妊方法が勧められる」また「前兆のない片頭痛では禁忌ではないが投与にあたり慎重な判断を要し、経過観察が必要である」と記載されています。

 

片頭痛を持っている人では、ピルを飲んでいる人では脳梗塞発症が多いとするデータがあります。また片頭痛の中でも前兆のある片頭痛に対象を絞った研究で、ピルを飲んでいてかつ喫煙している人で脳梗塞が多かったというデータがあります。

 

片頭痛があってピルは避けたほうがよいと医師が判断した場合、ほかの避妊方法としてコンドームを使うほか、子宮内避妊器具(IUD)の使用も相談できます。

 

このように、片頭痛は激しい症状があるだけでなく、薬の使用にあたって注意するべき点もあるため、ピルの処方を相談するときはもちろん、医療機関を受診した際には片頭痛を持っていることを医師に知らせることに大切な意味があります。

 

参考:慢性頭痛の診療ガイドライン2013. BMJ. 2009; 339: b3914.

注:この記事は2016年3月20日に公開しましたが、2018年2月16日に編集部(大脇)が更新しました。

執筆者

Shuhei Fujimoto

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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