2017.07.07 | ニュース

抗がん剤が効かなくなった肝臓がんの薬ほか、4製品の効能など追加

添付文書記載の臨床成績より
抗がん剤が効かなくなった肝臓がんの薬ほか、4製品の効能など追加の写真
(C) Ca-ssis - iStock

2017年6月26日に、医療用医薬品4製品が新しい効能などを追加する承認を取得しました。スチバーガ、アクテムラ、オルダミン、リツキサンの新しい効能などを紹介します。

スチバーガ®(一般名レゴラフェニブ)はがん治療薬です。大腸がんなどの治療に使われています。

新しく「がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌」の効能・効果が追加されました。

肝細胞癌とは肝臓にできるがんのうち最も代表的なものです。手術などの治療法がありますが、離れた場所に転移があるなどの場合には化学療法(抗がん剤治療)が適していると考えられます。以前にはソラフェニブ(商品名ネクサバール®)が唯一の薬剤でした。

一般に、抗がん剤治療は続けるうちに効果が弱くなってくることがあります。治療中にがんが悪化した場合、同じ薬を使い続けても効果は期待しにくいと考えられます。新しい効能・効果によって、ソラフェニブの使用後にレゴラフェニブに替えるという選択肢が可能になりました。

臨床試験では対象者573人のうちレゴラフェニブを使用した379人と有効成分のない偽薬を使用した194人を比較しました。半数の人が生存した期間は偽薬のグループで237日、レゴラフェニブのグループで323日となりました

主な副作用として、手足症候群が191例(51.1%)、下痢が126例(33.7%)、高血圧が89例(23.8%)、食欲減退が88例(23.5%)、疲労が80例(21.4%)発生しました。 

 

参照:スチバーガ錠40mg 添付文書

 

アクテムラ®(一般名トシリズマブ)は関節リウマチの治療薬です。用法・用量として従来は「1回162mgを2週間隔で皮下注射する」と決められていましたが、新しく「効果不十分な場合には、1週間まで投与間隔を短縮できる」とされました。

臨床試験では、1週間ごとに注射するグループと2週間ごとに注射するグループで12週間の治療後を比較しました。関節リウマチの症状を評価するDAS28のスコアの変化量に差があり、1週間ごとに注射したほうが改善が大きくなりました

1週間ごとに注射した38人のうち27人(71.1%)に何らかの副作用が現れました。主な副作用は、上気道感染(23.7%)、肺炎(5.3%)、蜂巣炎(5.3%)、コレステロール増加(5.3%)、白血球減少(5.3%)、好酸球数増加(5.3%)、腹痛(5.3%)などでした。

 

なおアクテムラには点滴用の製剤もあり、点滴は関節リウマチ以外の病気に対しても使うことができます。今回の変更は点滴ではなく皮下注射用の製剤にだけ関係します。

 

参照:アクテムラ皮下注162mgシリンジ/ アクテムラ皮下注162mgオートインジェクター 添付文書

 

オルダミン®(一般名モノエタノールアミンオレイン酸塩)は、従来食道静脈瘤の治療に使われている薬剤です。新しく「胃静脈瘤の退縮」が効能・効果に追加され、胃静脈瘤の治療にも使えるようになりました。

胃静脈瘤・食道静脈瘤は、胃や食道の血管(静脈)の一部が大きく拡張してもろくなっている状態です。胃静脈瘤や食道静脈瘤が破れると大量出血につながり、命に関わる場合もあります。

モノエタノールアミンオレイン酸塩はバルーン閉塞下逆行性経静脈塞栓術(BRTO)という治療法で使います。BRTOは静脈瘤に入ってくる血流をせき止めるとともにモノエタノールアミンオレイン酸塩で静脈瘤を硬化させて治療する方法です。

臨床試験ではBRTOを行った対象者44人を治療後3か月で判定し、35人で内視鏡で見える胃静脈瘤が消失していました

何らかの副作用は97.8%の人に現れました。主な副作用は血尿(51.1%)、発熱(44.4%)、溶血(35.6%)、腹痛(22.2%)などでした。

 

参照:オルダミン注射用1g 添付文書

 

リツキサン®(一般名リツキシマブ)はがん治療などに使われる薬剤です。新しい効能・効果として「慢性特発性血小板減少性紫斑病」が追加されました。

慢性特発性血小板減少性紫斑病の治療としては海外のガイドラインに記載されていることなどから公知申請されました。

 

参照:リツキサン注10mg/mL (100mg/10mL)/リツキサン注10mg/mL (500mg/50mL) 添付文書審査報告書

 

薬の使いかたが広がることにより、保険診療として新しい治療法が使えるようになります。効能・効果や副作用に対応して報告されているデータを参考に、従来の治療法と比較することで、ひとりひとりに合わせた治療選択の幅を広げることができます。

執筆者

大脇 幸志郎

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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