2016.04.02 | ニュース

イタリアで減少するB型肝炎、それでも感染した人の特徴は?

22年間の調査結果から
from Clinical infectious diseases : an official publication of the Infectious Diseases Society of America
イタリアで減少するB型肝炎、それでも感染した人の特徴は?の写真
(C) Mediteraneo - Fotolia.com

イタリアでは1991年以来、すべての子どもを対象にB型肝炎ワクチンの強制接種が行われています。以後、B型肝炎は減ってきていますが、まだ多くの人に新たにB型肝炎が発生しています。感染に関係する特徴の調査が行われました。

◆22年分の調査データを解析

B型肝炎を起こすB型肝炎ウイルスは、日常生活で感染することはほとんどありませんが、輸血や性行為などによって人から人へ感染します。感染予防のためにワクチンが日本でも広く使われています。

研究班は、イタリアの感染監視システムによるデータを使い、解析を行いました。1993年から2014年にかけての急性B型肝炎患者の情報が調査されました。

 

◆97%は未接種

次の結果が得られました。

11,311例の急性B型肝炎症例のうち362例(3.2%)がワクチン接種後の人だった。ワクチン接種を受けていなかった10,949例のうち、213例(1.9%)は強制接種を逃れていた。2,821人(25.8%)は感染のリスクが高いにもかかわらずワクチン接種を受けていなかった。後者のうち最も多く見られたリスク因子はHBs抗原キャリアと同居していること、静脈内注射薬物使用、ホモセクシャルまたはバイセクシャルの行動だった。

すべての子どもがワクチン接種を受けている中で、急性B型肝炎発症した人のうち、ワクチン接種を受けていた人は3.2%だけでした。つまり急性B型肝炎が発症した人は97%近くがワクチン接種を受けていない人でした。ワクチン接種を受けていなかった人の25.8%には、薬物乱用、ホモセクシャルなど、感染の危険性が高いと考えられる背景がありました。

研究班は「B型肝炎はワクチンで予防できる疾患であり、感染のリスクが高い人のワクチン接種率を高くするためにさらに努力が必要である」と結論しています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Acute hepatitis B after the implementation of universal vaccination in Italy: results from a 22-years surveillance (1993-2014).

Clin Infect Dis. 2016 Mar 23. [Epub ahead of print]

[PMID: 27009250]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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