しーがたかんえん
C型肝炎
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の炎症。比較的ゆっくりと病状が進み、長年をかけて肝硬変や肝がんに至る
7人の医師がチェック 122回の改訂 最終更新: 2017.12.06

C型肝炎の基礎知識

POINT C型肝炎とは

C型肝炎ウイルスによる感染のことです。国内で100−200万人が感染していると言われています。C型肝炎になる原因には、輸血・入れ墨・注射器の使いまわしなどが挙げられます。C型肝炎になると、時間とともに肝硬変や肝細胞がんになっていくことが分かっていますので、早期に感染を発見することが大切です。上記のC型肝炎になりやすい行為がある人や、全身のだるさ・食欲低下・黄疸(皮膚や目の黄染)がある人は医療機関を受診して検査しましょう。 検査は血液検査を行います。また、インターフェロンを用いて免疫力を高める治療と抗ウイルス薬治療の2つがあり、感染の状態やウイルスのタイプに適したものを行います。検査や治療を行いたい人は消化器内科や感染症内科を受診して下さい。

C型肝炎について

  • C型肝炎ウィルスHCV)に感染し肝臓の細胞が壊されることによって生じる肝臓の病気
  • 血液を介して感染することがC型肝炎の原因
    • 臓器移植
    • 注射器の使い回し(覚せい剤など)
    • 入れ墨を彫る
    • 消毒されていない器具でピアスの穴をあける
    • 輸血(現在は輸血前に検査をしっかりと行うのでうつることは殆どないが、1980年代には多くの方が輸血で感染した)
    • 怪我をした際や生理など出血があった場合は、血液が他人に触れないように注意して極力自分で処理する
  • B型肝炎に比べると、家族内感染や母子感染、性行為による感染は少ない
  • 頻度
    • 全国で100万人-200万人がかかっているといわれる
  • 慢性化すると肝硬変肝がんへと進んでしまうことが分かっているので早期発見が大切
  • C型肝炎は肝がんの原因で一番多い
  • C型肝炎の方が生活習慣で注意すること
    • 飲酒
      ・アルコールの摂取によって肝臓の症状が悪化してしまうので禁酒する
    • 肥満解消につとめる
      ・近年、肥満肝がん発症を高める可能性があるという報告がある(非アルコール性脂肪性肝炎を参照)
    • 肝臓の機能の数値(ALT)や自覚症状を確認しながら運動する習慣をつける
      ・安静にし過ぎると脂肪肝になる可能性がある
      ・ALTが200IU/L以上は原則禁止
      ・ALTが100-200IU/Lであればウォーキングやサイクリングなど軽めの運動、筋力トレーニング
      ・ALTが100IU/L以下であれば健康な方と同程度の負荷で運動可能(ジョギングやスイミング、ゴルフなど)
    • 適度の量とバランスの良い食生活を心がける
      ・過去に「高カロリー」「高タンパク」の食事を摂ることが推奨されたことがあったが、現在はバランスの取れた食事と適度の量を摂るようにする
    • 鉄分を多く摂らないようにする
      ・肝臓で体内の鉄のバランスを保っているが、C型肝炎になるとその機能が破綻していることがある
      ・バランス調節ができていないと、鉄が肝臓に溜まって肝細胞がダメージを受けてしまう

C型肝炎の症状

  • 自覚症状が少ないことが特徴
  • C型肝炎ウイルスに感染すると最初に以下のような症状が現れる
    • 全身のだるさ
    • 食欲の低下
    • 発熱
  • 進行し肝硬変になると腹水むくみ黄疸などの症状が出る
  • 腎臓の炎症膜性増殖性糸球体腎炎)を合併することがある

C型肝炎の検査・診断

  • 血液検査:肝炎の有無や程度、肝機能などを調べる
  • 必要に応じて行う検査
    • 画像検査:肝臓に炎症が起こっていないかなどを調べる
      MRI検査

C型肝炎の治療法

  • 治療の基本は抗ウイルス薬を使用する
    • ウイルスのタイプにより使用する薬を使い分ける
  • インターフェロンと、DAAと呼ばれる内服薬の二種類が用いられる
    • これらを併用する場合と、どちらか一方を単独で使用する場合がある
    • 2015年に各種DAAが認可されて以来、治療の結果が飛躍的に改善した

C型肝炎に関連する治療薬

C型肝炎ウイルス治療薬(内服薬)

  • C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を阻害しHCVの増殖を抑える薬
    • C型肝炎はHCVに感染しておこり、慢性化すると肝硬変や肝がんがおこりやすくなる
    • HCVは遺伝情報をもつRNAやタンパク質などを合成し複製・増殖する
    • 本剤はHCVの増殖に必要なRNAやタンパク質生成などを阻害することで抗ウイルス作用をあらわす

  • 薬剤のHCVに対する作用によって一般的に以下の種類に分けられる
    • RNAの複製に必要な酵素を抑えるRNAポリメラーゼ阻害薬
    • HCV複製に必要なタンパク質生成を阻害するプロテアーゼ阻害薬
    • HCV複製に必要なHCV複製複合体を阻害する薬
  • 本剤の中にはインターフェロン製剤との併用を前提とした薬剤もある
C型肝炎ウイルス治療薬(内服薬)についてもっと詳しく

インターフェロン製剤(肝炎治療薬)

  • 抗ウイルス作用や腫瘍増殖抑制作用などをあらわすインターフェロン(IFN)の製剤で、ウイルス性肝炎(C型やB型)などの治療に使われる薬
    • ウイルス性肝炎はウイルス(C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスなど)の感染よっておこりC型やB型は慢性肝炎になりやすく、慢性化すると肝硬変や肝がんがおこりやすくなる
    • インターフェロン(IFN)は体内でウイルスや腫瘍細胞などの異物に対して産生されるサイトカインという物質の一つ
    • IFNは抗ウイルス作用、腫瘍増殖抑制作用、免疫活性を制御する作用などをあらわす

  • 本剤の中にはペグ(PEG:ポリエチレングリコール)という物質を結合させ、週1回投与を可能にしたペグインターフェロン(PEG-IFN)製剤もある
  • 本剤によるC型肝炎治療はリバビリン(抗ウイルス薬)との併用療法も可能となっている(但し、スミフェロンを除く)
  • 本剤の中にはC型肝炎やB型肝炎の他、一部のがん治療などに使われるものもある
インターフェロン製剤(肝炎治療薬)についてもっと詳しく

C型肝炎の経過と病院探しのポイント

C型肝炎が心配な方

C型肝炎には、急性肝炎と慢性肝炎があります。急性肝炎ではだるさや熱などが出ますが、ご自身ではただの風邪だと感じてしまうことも多いでしょう。急性肝炎が治まった後に、約30%の方ではウイルスが体内から消えて快復するのですが、残りのおよそ70%の方ではウイルスが残って慢性肝炎に移行します。慢性肝炎が進行すると肝硬変となって全身のだるさやむくみ、腹水、食欲の低下などの症状が出現するため、この慢性肝炎から肝硬変となるタイミングで病院を受診する方が多いです。健康診断でたまたま異常が見つかることもあります。

C型肝炎ウイルスは血液中にいるため、輸血のように血液から感染して生じる場合や、刃物(入れ墨、注射器)の使い回しで感染するケースが例年報告されています。なかなか症状だけからC型肝炎ではないかとご自身で感じるようなことは少ないかと思いますが、何らかの心当たりがあったり、健診で肝機能が悪いなどと言われた場合には、近くの内科、もしくは消化器内科のクリニックの受診をお勧めします。

血液検査では肝酵素の値に加えてC型肝炎ウイルスの抗体を測定します。この結果によってある程度診断に当たりがつきますので、エコーやCTなどさまざまな検査へ進む前に、まずはお近くの医療機関で採血をして、その結果を確認してもらいましょう。

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C型肝炎でお困りの方

C型(慢性)肝炎の診断がついた場合には、それが肝硬変、そしてその先の肝臓がんに進行していないかを確認するために、腹部エコーや腹部CTの検査を定期的に行います。これらについては、肝硬変肝臓がんのページもご参考になさって下さい。

C型肝炎そのものの治療については、近年さまざまな治療薬が開発されています。C型肝炎ウイルスには1a, 1b, 2a, 2bといったタイプが知られており、その種類や病状の進行によって薬を使い分けます。こういった治療は専門性が高く、消化器内科専門医にかかって受けることが望ましいと考えられます。

治療の結果によっては体内からウイルスが検出されなくなるまで病状が改善することもありますが、その後も肝炎が再発していないかを確認するために定期的な通院が必要となります。その意味では病院の通いやすさや主治医との相性、信頼して聞きたいことを聞けるかどうかといった点も病院を探す上で重要です。

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